JOURNAL
ハルサイジャーナル
アーティスト・インタビュー〜デイヴィッド・バット・フィリップ(テノール)
「まるで聴衆に直接語りかけているような感覚になります」

東京・春・音楽祭2023《ニュルンベルクのマイスタージンガー》/©︎増田雄介
2023年のワーグナー・シリーズ《ニュルンベルクのマイスタージンガー》で初めて東京・春・音楽祭に出演し、今年は実に3公演(《グレの歌》、《さまよえるオランダ人》、歌曲シリーズ)に出演するデイヴィッド・バット・フィリップさん。最近はミラノ・スカラ座で《ニーベルングの指輪》ジークムント役のロールデビューを飾り、「大きな節目を迎えた気分」と話すバット・フィリップさんにメール・インタビューに答えていただきました。
―2023年の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》以来、2回目の東京春祭へのご出演となります。 マエストロ・ヤノフスキとは《グレの歌》で再共演ですね。いまお気持ちは?
日本での仕事は、旅をしてさまざまな文化を体験するのが好きな私にとって、いつも特別にワクワクすることです。東京春祭に戻ってくること、そしてマエストロと再び共演できることをとても嬉しく思っています。 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》で、初めて東京文化会館で歌いました。東京には素晴らしいコンサートホールがたくさんありますが、どこも音響が本当に素晴らしいですね。またあの場所に戻れることをとても楽しみにしています。

ジェイムズ・ベイリュー
―《グレの歌》と《さまよえるオランダ人》のほか、歌曲シリーズにもご出演いただき、同郷出身のヴォーン・ウィリアムズや、ブリテン、A.マーラーなど多彩な作曲家の作品を歌います。それぞれの作品の魅力を教えてください。
私は10代の頃からイギリス音楽が大好きで、特にヴォーン・ウィリアムズとブリテンの作品には強い思い入れがあります。ですから、これらの曲は私にとってとても意味のあるものです。
ヴォーン・ウィリアムズの曲は、本来はもっと低い声のために書かれていますが、今回はテノール用に移調した版で演奏します。ブリテンの作品はジョン・ダンの暗く激しい詩に音楽をつけた、非常にドラマティックで素晴らしい作品です。
―歌曲リサイタルでは、ピアノとの緊密な対話が重要になります。ジェイムズ・ベイリューさんとのアンサンブルで、特に大切にしていることは何ですか。
ジェイムズと私は20年前にロンドンで学生として出会い、それ以来何度も共演してきました。特に19世紀後半から20世紀初頭の力強い歌曲を演奏するとき、私たちはライブ演奏ならではの高揚感や即興性を共有しています。

―歌曲、オペラ、大規模作品と、さまざまな形で音楽を届けていらっしゃいますが、ご自身にとって“歌曲(リート)”ならではの魅力はどんなところにあると思いますか?
リート公演の親密さはとても特別です。衣装やオーケストラ、たくさんの歌手に頼ることなく、使えるのはテキストと音楽だけ。まるで聴衆に直接語りかけているような感覚になります。
―お客様へメッセージをお願いします。
東京に戻れることは本当に大きな喜びです。日本のお客様はいつもとても温かく、熱心で、音楽に深く関わってくれます。それから、大好きな日本食を3週間も楽しめることも、個人的にはとても楽しみにしています!
関連公演
東京春祭 歌曲シリーズ vol.49
デイヴィッド・バット・フィリップ(テノール)&ジェイムズ・ベイリュー(ピアノ)
日時・会場
2026年4月10日 [金] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール
出演
テノール:デイヴィッド・バット・フィリップ
ピアノ:ジェイムズ・ベイリュー
曲目
ヴォーン・ウィリアムズ:《命の家》
A.マーラー:《5つの歌》より
賛歌
恍惚
識る人
ワーグナー:《ヴェーゼンドンク歌曲集》
ブリテン:《ジョン・ダンの神聖なソネット》 op.35
料金
全席指定:¥7,500 U-25:¥2,000 ネット席:¥1,500
