JOURNAL
ハルサイジャーナル
《ラ・ボエーム》指揮者&出演者からメッセージ到着!
毎年好評をいただいている東京春祭プッチーニ・シリーズ。vol.5となる2024年に上演するのは 《ラ・ボエーム》。プッチーニによる不朽の名作で指揮を務めるマエストロ ピエール・ジョルジョ・モランディとメインキャストから、公演を前にしてメッセージが届きました!
こんにちは。東京・春・音楽祭で指揮をするのは、2022年の《トゥーランドット》以来、2度目となります。その素晴らしい組織と、参加するアーティストたちのレベルの高さから、東京春祭は世界で最も大切な音楽祭のひとつだと感じています。
- 《ラ・ボエーム》の魅力は?
《ラ・ボエーム》は、音楽史、特にイタリア・オペラの歴史において、絶対的な傑作です。
プッチーニは細部にいたるまで、この作品をとても独創的に、丁寧に書き込みました。第1幕と第3幕のミミの素晴らしいアリア、ロドルフォのアリア、マルチェッロとのデュエット、ムゼッタも参加するカルテット、第2幕の華麗な合唱パート......。あまりにも美しい音楽が多すぎます。
このオペラの中で、最も劇的で感情的な部分である第4幕の終わりに向かっていくために、それぞれの幕の間で適度な緊張感を保つ、パーフェクトなラインを見つけることが大切だと思います。ミミの死は間違いなく、私の心と魂の最も深い部分をとらえる音楽です。
- プッチーニの音楽の美しさは何だと思いますか?
プッチーニの音楽の天才性は、その流動的な音楽表現にあると思います。彼の音楽を演奏していると、作品の最もエモーショナルな部分に、音楽家も観客も巻き込まれていくのが感じられるのです。私はプッチーニのオペラは全作品を指揮しましたが、《ラ・ボエーム》で初めて、彼のオペラが好きになりました。個人的には、私の心に一番近い作曲家だと感じています。
-《ラ・ボエーム》の登場人物たちは“カフェ・モミュス”に行くのが大好きです。もしご自身も“カフェ・モミュス”に行けるとしたら、何を注文しますか?
もし私がイタリア人としてカフェ・モミュスに行けるとしたら、カプチーノとブリオッシュを注文したいですね。何て言ったってパリにいるのですから。加えて、ブランデーのアルマニャックと一緒に、美味しいチョコレートのシュークリームも頼もうかな。
- 東京春祭のお客様へメッセージ
今年はプッチーニ没後100年の記念年にあたります。豊かな表現力に溢れた歌手、合唱団、そしてオーケストラの力によって、プッチーニの素晴らしい音楽が皆さんの心の中に入り込み、感動を与えることができますように。
ロドルフォ ステファン・ポップ
ステファン・ポップよりメッセージをいただきました。
ミミ セレーネ・ザネッティ
- ザネッティさんは、2022年の《トゥーランドット》でモランディさんと共演されましたね。
プッチーニの名作《トゥーランドット》でマエストロ・モランディと共演できたことは、とても素敵な経験でした。彼は素晴らしい音楽家で、類まれな感性と音楽性をお持ちです。並外れた指揮者であり、我々歌手のニーズに対して丁寧に耳を傾けてくれます。演奏の最中、マエストロと一瞬目が合うだけで大きな自信を与えてくれる、そんな指揮者です。
- ミミの最大の魅力は何でしょう?
彼女の純粋さだと思います。彼女は大きな心を持っていて、とても正直。友人に対しても率直ですが、何より自分の人生、自分の病気、そして、ロドルフォへの真実の愛に対して、正直だと思います。
-《ラ・ボエーム》の中で一番好きなアリアやパートは?
一番好きなアリアは、第3幕の "あなたの愛の呼ぶ声に(Donde lieta uscì) "です。自分の脆さや恐怖という、ミミの中で最も深くて暗い部分を表していると思うので、第3幕を歌うのが大好きなんです。第3幕で、ついに本当のミミが見えてくると思います。
-《ラ・ボエーム》の登場人物たちは“カフェ・モミュス”に行くのが大好きです。もしご自身も“カフェ・モミュス”に行けるとしたら、何を注文しますか?
とても素敵な質問ですね! もし“カフェ・モミュス”に行くことができたら、クレーム・ブリュレと、クレーム・ド・カシスにシャンパンを混ぜた典型的なパリジャンの飲物、キール・ロワイヤルを頼みたいです。
- 東京春祭のお客様へメッセージ
東京春祭のお客様全員に大きなハグ(抱擁)を贈ります。美しい《ラ・ボエーム》を楽しんでいただければ幸いです。
ムゼッタ マリアム・バッティステッリ
こんにちは、エチオピア生まれのイタリア人ソプラノ歌手、マリアム・バッティステッリです。マントヴァ音楽院“ルチオ・カンピアーニ”を卒業後、バレンシアのソフィア王妃芸術宮殿にある“プラシド・ドミンゴ”王立オペラ・スタジオに在籍し、ウィーン国立歌劇場のアンサンブルに参加しました。
最近では、《ラ・ボエーム》ムゼッタ役でミラノ・スカラ座とヴェニスのフェニーチェ劇場にデビュー。グラインドボーン・オペラハウスで《ドン・パスクワーレ》ノリーナと、《愛の妙薬》アディーナを演じました。また、ダヴィデ・リヴァモアとパオロ・ゲプ・クッコ監督の新作映画“The Opera!”(2023年)ではエウリディーチェ役を演じ、ヴァンサン・カッセル、カテリーナ・ムリーノ、ロッシ・デ・パルマと共演しました。
―ムゼッタの魅力は何でしょう?
舞台の上でも外でも注目を集める能力と、快活な性格、強く自信に満ち、カリスマに溢れ、自立した精神を併せ持っているところ。ムゼッタは軽薄で中身のないキャラクターではなく、無私の愛と豊かな感情、そして純粋さも持っていると思います。
-《ラ・ボエーム》の中で一番好きなアリアやパートは?
一つだけを選ぶのは難しすぎますね……物語、感情の奥深さ、絶妙な音楽は人間の経験の本質を表していて、愛や喪失、友情、ほろ苦い現実を描いていると思います。文化や世代を超えて共鳴する普遍的なテーマが語られ、時を経ても色あせない魅力と時代を超越した美しさを持つ作品だと感じています。
-《ラ・ボエーム》の登場人物たちは“カフェ・モミュス”に行くのが大好きです。もしご自身も“カフェ・モミュス”に行けるとしたら、何を注文しますか?
うーん、悩みますが、牡蠣、フォアグラ、パリならではのパティスリーと、シャンパンかな!
- 東京春祭のお客様へメッセージ
ついに日本で歌うことができて本当に感激しています。時代を超越したメロディーと切ない物語が織り成す豊かな感情のタペストリーに浸っていただきたいと思います。
演奏家たちは、物語を語る器となる特権を与えられています。私たちと一緒に、音楽の旅に出ましょう。単なる観客としてではなく、旅する仲間として参加してもらいたいです。高揚もその逆も感じ、喜びと悲しみを受け入れ、音楽を魂の奥に響かせてください。
魅惑的なアリアと心揺さぶるアンサンブルが、東京文化会館を深い驚きで満たしますように。《ラ・ボエーム》のメロディーが、最後の一音を奏でた後も、皆様の心に長く残りますように。公演をお楽しみください。
関連公演
東京春祭プッチーニ・シリーズ vol.5
《ラ・ボエーム》(演奏会形式/字幕付)
日時・会場
2024年4月11日 [木] 18:30開演(17:30開場)
2024年4月14日 [日] 14:00開演(13:00開場)
東京文化会館 大ホール
出演
指揮:ピエール・ジョルジョ・モランディ
ロドルフォ(テノール):ステファン・ポップ
ミミ(ソプラノ):セレーネ・ザネッティ
マルチェッロ(バリトン):マルコ・カリア
ムゼッタ(ソプラノ):マリアム・バッティステッリ
ショナール(バリトン):リヴュー・ホレンダー
コッリーネ(バス): ボグダン・タロシュ
べノア(バス・バリトン):畠山 茂
パルピニョール(テノール):安保克則
管弦楽:東京交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
/他
チケット料金
S:¥25,500 A:¥21,500 B¥17,500 C:¥14,000 D:¥10,500 E:¥7,500
U-25:¥3,000