編曲されたものではなく、リュートのために書かれたとされる希少な作品で、おそらく1740年頃、バッハのライプツィヒ時代に作曲されたと推測されている。変わった構成となっていて、前半はバロック時代のソナタのようにプレリュード、フーガが置かれ、後半は組曲（パルティータ）のように舞曲が並ぶ。全体に哀愁を帯びており、落ち着いた美感を醸し出している。

　1740～45年頃に書かれたとされ、当代随一のリュート奏者であったシルヴィウス・レオポルト・ヴァイスとの親交が作品に結実したと言われている。プレリュード（前奏曲）、フーガ、アレグロの3楽章からなり、簡素化されたソナタのような楽章構成となっている。リュートまたはチェンバロのために書かれた曲で、低弦の動きにも撥弦楽器の妙を生かした響きを聴くことができる。

　J.S.バッハの弟子ヨハン・ゲオルク・シュープラーによって出版された《シュープラー・コラール集》の第1曲。作曲年代などは定かではないが、聖トーマス・カントールの職にあったライプツィヒ時代に書かれたと推定されている。同名カンタータ第140番（1731）の第4曲を編曲したもので、前奏のメロディが有名。この旋律は伴奏や間奏にも用いられている。

　バッハの教会カンタータは現在残されているものだけでも200曲近くある。1723年作曲のカンタータ第147番《心と口と行いと命もて》は、2部構成の全10曲からなり、各部の最後に歌われるコラール合唱が本曲。親しみやすい旋律によって、非常に人気が高い。

　バッハのリュート組曲は4曲あるが、そのうち2曲は自作の無伴奏作品からバッハ自身が編曲したもの。本作品の原曲はケーテン宮廷楽長時代前半、1720年以前に書かれたとされる《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番》で、その後、おそらく1735～40年頃、バッハ自身によって、リュート用に編曲された。全6楽章からなり、明るめの印象を持つ舞曲が並ぶ。特に第3楽章ガヴォット・アン・ロンドーは有名曲で、単独で奏される機会も多い。