PROGRAM
プログラム
東京・春・音楽祭
Spring Festival in Tokyo
オリ・ムストネン(ピアノ)
Olli Mustonen(Piano)
Olli Mustonen(Piano)
Cancelled
プログラム詳細
Detail
日時・会場
東京文化会館 小ホール
Date / Place
Tokyo Bunka Kaikan Recital Hall
Date / Place
Tokyo Bunka Kaikan Recital Hall
出演
ピアノ:オリ・ムストネン
Cast
Piano:Olli Mustonen
曲目
シベリウス:3つのソナチネ op.67
ショパン:
3つのマズルカ op.59[試聴]
3つのマズルカ op.56[試聴]
ブゾーニ:J.S.バッハによる幻想曲 <!– [試聴]
ムストネン:ピアノ・ソナタ 《イェヒキン・イーヴァナ》
スクリャービン:
ピアノ・ソナタ 第10番 op.70[試聴]
詩曲《焔に向かって》op.72[試聴]
【試聴について】 [試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
Program
Sibelius(1865-1957):3 Sonatinas op.67
Chopin(1810-49):
3 Mazurka op.59
3 Mazurka op.56
Busoni(1866-1924):Fantasia after J.S.Bach
Mustonen(1967-):Sonata for Piano “Jehkin Iivana”
Scriabin(1872-1915):
Sonata for Piano No.10 op.70
”Vers la flamme” op.72
チケット情報
Ticket
料金(税込)
Price(tax included)
来場チケット
※公演中止
ネット席
※公演中止
Admission ticket
Streaming ticket
Cancelled
曲目解説
Song Commentary
曲目解説PDFダウンロードシベリウス:3つのソナチネ op.67
第1番(嬰ヘ短調)と第2番(ホ長調)は「緩・急・緩」の3楽章構成。第3番(変ロ短調)のみ2楽章構成だが、弾きこなすにはかなりの技巧を要求される。交響曲第4番と同時期の作品で、ドイツ・ロマン主義の影響を脱し、シベリウスが独自の音楽性を発揮し始めた時期にあたる。切り詰められた透明な響きに魅力があり、シベリウスのピアノ作品の中でももっとも人気のある3曲である。
ショパン:3つのマズルカ op.59
ジョルジュ・サンドとの生活が破綻をきたし始めた頃の作品であり、誰にも献呈されていない唯一のマズルカ集となった。
第1番(イ短調)モデラート:呟くようなメロディから始まり、徐々にテンポを上げて華麗な舞踏が展開される。三部形式。
第2番(変イ長調)アレグレット:わずか4小節の動機から華麗な転調が繰り返される。メンデルスゾーンの要望に応えて、彼の妻に楽譜を送ったとされる。三部形式。
第3番(嬰ヘ短調)ヴィヴァーチェ:暗い情熱を発散するように開始され、しだいに穏やかな曲調となり、ヘ長調で結ばれる。自由な複合三部形式。
ショパン:3つのマズルカ op.56
弟子のカトリーヌ・マベルリーに献呈。あまりにも作曲技巧に走りすぎ、初期の作品に比べてインスピレーションに欠けると、評価が芳しくない時代もあったマズルカ集。
第1番(ロ長調)アレグロ・ノン・タント:調性をためらうかのような不思議な響きで始まり、マズルとオベレクの2つの楽想が展開される。技巧的に書かれた複雑な難曲。
第2番(ハ長調)ヴィヴァーチェ:力強く開始されるが、リディア旋法を使用したり、カノンを使ってみたりと、細かな技巧が駆使されている。
第3番(ハ短調)モデラート:演奏に6分強を要する、マズルカとしては長大な作品。クラヴィヤク~オベレク~クラヴィヤク~マズルと様々な楽想が入れ替わり、むしろ自由な幻想曲といった趣が濃い。49小節にわたるコーダも異色。
ブゾーニ:J.S.バッハによる幻想曲
バッハの「シャコンヌ」をピアノ用に編曲したピアニストとして知られるブゾーニ。作曲家としてのブゾーニがバッハに捧げる愛情は並大抵のものではなく、1888年から始まった編曲および校訂は、1920年に『バッハ=ブゾーニ全集 全7巻』としてブライトコプフ・ウント・ヘルテルから出版された。ブゾーニの生きた時代には、埋もれた作品に現代的な味付けを施して蘇らせることこそが「善」という認識があったことを忘れてはならない。アルペッジョのたゆたう波間からバッハの楽曲の断片が立ち現れては消えていくというスタイルはロマン派の流儀そのもので、フォルテでの盛り上がりがあるにもかかわらず、全体は静謐な雰囲気に満たされている。
ムストネン:ピアノ・ソナタ《イェヒキン・イーヴァナ》
ピアニスト、指揮者としての顔とともに、ラウタヴァーラに師事した作曲家としての顔も持つムストネン。本作《イェヒキン・イーヴァナ》は演奏時間13分ほどのピアノ・ソナタで、5つの短い楽章が間断なく演奏される。2006年のクオモ室内楽フェスティバルで初演された。イェヒキン・イーヴァナ(1843-1911)は、伝統的な北欧歌謡の最後の偉大な歌い手であり、民族楽器カンテレの名手でもあった。深い森からの呼び声、古代の英雄の物語、さすらいの魔法使いなど、北欧神話のイメージを喚起する神秘的な音楽だ。
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第10番 op.70
2年の間に書き上げられた最後の3曲のソナタは、ひと揃いの作品とみなされている。第10番は単一楽章の無調作品。「トリル・ソナタ」あるいは「昆虫ソナタ」の愛称を持つが、これは「昆虫は太陽から生まれる。彼らは太陽のものだ」という作曲者自身の言葉による。ソナタ形式に依りつつ断片的な3つの主題を持ち、序奏部分の3度の下降音型が全体を強く結びつけている。ニックネームにもなった輝かしいトリルとともに、頻繁な増和音と減和音の交代、不安定な拍節感が20世紀音楽の幕開けを告げている。
スクリャービン:詩曲《焔に向かって》op.72
独自の音楽語法を確立したスクリャービン最晩年の作品。マダム・ブラヴァツキーの神秘主義に傾倒していた作曲家が、この世の終わり、終末の光景を夢に見て作ったという。当初は11番目のピアノ・ソナタとして構想されたが、無調に加えて、何らの既存の形式も持たないことから「詩曲」という名が付された。「焔に向かって」というタイトルが付くことも異例。冒頭の2音の動機が、長大なクレシェンドに伴われながら旋律線へと成長していく。全曲を覆う神秘和音が聴く者を幻惑する。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
後援:フィンランド大使館
Organizer:Spring Festival in Tokyo Executive Committee
Support:Embassy of Finland>
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