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続・ふじみダイアリー 今日のハルサイ事務局

ムーティ&東京春祭オーケストラのリハーサルが始まりました!

ムーティ&東京春祭オーケストラのリハーサルが始まりました!

©︎飯田耕治

 日中の最高気温が23度と、初夏のような陽気となった3月14日(月)の東京。週末の開幕公演「リッカルド・ムーティ指揮東京春祭オーケストラ」のリハーサルが始まって、東京・春・音楽祭も一気に熱くなってきました。
 コンサートは、モーツァルトの交響曲第39番とシューベルト《未完成》という名曲2曲に、ちょっとレアなシューベルト《イタリア風序曲》ハ長調D591も聴ける貴重なプログラム。緊張のリハーサル初日を終えたオーケストラ・メンバーに聞きました。

©︎飯田耕治

林七奈さん(ヴァイオリン/大阪交響楽団 コンサートマスター)
 私はマエストロ・ムーティとウィーン・フィルのシューベルトの交響曲全集が大好きなので、今回シューベルトを取り上げていただいてとてもうれしいんです。マエストロの佇まいにも似たノーブルな気品の中で、でも十分に歌わせて、音楽がつねに流れていて止まるところがない。音の長さ、フレージング、音色、ダイナミクス、すべてをきちんと整えて構築されている。シューベルトを大事にあたためてきたマエストロならではの気迫を感じます。
 けっして妥協しないピアニッシモもマエストロならでは。ピアニッシモだと音が表面的になりがちなのですが、マエストロは音を立体的に作っていて、音の中に体積があるのを感じます。高い技術を要求されるのですけれども、その高いレベルを実現するためにみんなで同じ方向を向いていけるのがこのオーケストラですし、音楽家として幸せです。本番が楽しみです。


©︎飯田耕治

金子亜未さん(オーボエ/読売日本交響楽団首席奏者)
 《未完成》冒頭のオーボエとクラリネットの旋律は聴かせどころですが、オーボエ奏者にとっては、弱音でクラリネットにどう合わせることができるか、どきどきするところでもあります。今日もムーティさんから「ピアニッシモで、ソフトに!」と。しびれました。
 今まで経験した《未完成》の中で一番シビアで、いい緊張感と充実感があります。どんなピアニッシモを要求されても、ムーティさんだと安心してついていける。プレッシャーさえもいい空気に変えてくれるような感じです。お父さん的な(笑)。
 みんなで作り上げるその弱音の美しさ。その中でムーティさんとオーケストラがどう音楽を運んでいくかを聴いていただきたいです。なかなか聴けないような《未完成》になると思います。

©︎飯田耕治

西川智也さん(クラリネット/群馬交響楽団首席奏者)
 ピアニッシモの作り方を厳しく要求されます。弱くすると音程や音色も変わってくるので、アンサンブルが難しくなってくる。でも、いいピアニッシモが作れると、音楽全体のストーリーが見えてくるんですね。楽譜に書いてあるとおりに演奏できている感じがして、楽譜から外れることのストレスがない。いい緊張感が合って、やっぱりあまり楽に演奏してはいけないなと、あらためて気づかされました。マエストロがとても献身的にオーケストラに向き合ってくださるので、それにしっかりこたえなければ。自然にそんな気持ちになっていきます。すごくいいものを作っていってる感覚があるので、お客さまにもそれを一緒に聴いてもらえたらと思います。

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 『音楽の友』や『毎日新聞クラシックナビ』で昨年のベスト・コンサートに選ばれたムーティ&東京春祭オーケストラ。今年はシューベルトで次のフェイズを迎えます。どうぞお聴き逃しなく! 予報では、週末はまたすこし気温が下がって天気も崩れるようです。お足元に気をつけてお出かけください。



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