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続・ふじみダイアリー 今日のハルサイ事務局

入国緩和で、海外演奏家の来日が続々決定!

入国緩和で、海外演奏家の来日が続々決定!

東京・春・音楽祭2022の開幕までいよいよ10日を切りました。少しずつ状況に光が見えてくる中で、リハーサルや準備が日々進行しています。その舞台裏を、昨年に続いて東京・千代田区富士見の実行委員会事務局からお届けします。

「やばい。もう3月だわ!」
 東京・春・音楽祭事務局周辺で、毎年この時期の挨拶がわりになっているのが、この言葉です。開幕まであとわずかとなったにもかかわらず、まだまだ準備万端とはいかず気持ちばかりが焦る──とくに、先行きが見えないコロナ対応に追われながら準備を進めているこの3年間は、いっそうそんな感じです。
 とはいえ、昨年や一昨年に比べて、今年は重苦しい空気が少しだけやわらいでいるような気がします。思えばコロナがどういうものなのかさえわからないままに、あれよあれよとほとんどの公演を中止せざるを得なかった一昨年。海外から入国できるのか、できないのか、壮絶な戦いのような毎日だった昨年。それと比べると、今年は少し良い方向を向いているように感じられるのです。もちろんまだまだ大変な状況ではありますが、中止を予感しながら払い戻しの対応を考えて準備するのと、仕事の先にお客さまが待っていることを感じながら進めるのとでは、やはり気持ちが全然違います。

 東京・春・音楽祭に海外から出演する演奏家たちのうち、まずは3月に日本に入るみなさんの入国が正式に決まりました! ここには開幕公演を指揮するマエストロ・ムーティや、2年連続の公演中止で、じつに5年ぶりの春祭登場となるマエストロ・ヤノフスキも含まれます。
 ご存知のように、3月1日から水際対策が緩和され、観光目的以外の外国人の新規入国が、条件付きながら一定数再開されることとなりました。これに伴い、私たちが入国を申請していた演奏家たちに対して許可が出る旨、担当官庁から連絡が来たのです。ほっ。
 入国時の隔離待機期間も、実質的に、それまでの7日間から待機なし、あるいは自宅等での3日間待機に短縮されました(ワクチン接種証明の有無や入国前の滞在国によって異なります)。以前のように1~2週間の長期間、しかも指定施設での待機となると、演奏家のみなさんはホテルの部屋に閉じ込もって、ろくに練習もできないのですから、演奏にも支障が出かねません。待機期間の短縮は朗報です。ここへ来て、コンサートのドレスコードを問い合わせてきたり、演奏家たちもいよいよ日本に行くモードになってきたのを感じます。

 ただし、1日あたりの入国者数には5,000人という上限があるため(緩和前は3,500人、3月14日から7,000人予定)、目下フライトの争奪戦が激化しています。飛行機の予約と政府の入国許可は別の話なので、私たちも入国申請と並行してフライトを押さえてはいたのですが、それは7日間待機のスケジュールがベース。新たな待機期間に合わせた便を取り直さなければなりません。渡航担当スタッフがてんやわんやになりながら、現在も手配を続けています。これさえ終われば、あとは無事に来日してくるのを待つばかり。
 ところがそんな矢先のウクライナ侵攻……。ヨーロッパ便の飛行ルートへの影響が気がかりです。北回りでも南回りでも、欠航にならずに飛んでくれるといいのですが……。もちろんその前に、ウクライナの人々に平和が戻ることが一番大事であることは、いうまでもありません。家族が自宅で一緒に過ごす普通の生活が一日も早く帰ってくることを、心より、深く祈っています。

 なお、2月28日付で開催中止をお知らせした4公演については、入国条件との兼ね合いで残念ながらスケジュールの調整がつかないと判断されたものです。楽しみにされていた皆さまにお詫び申し上げます。
 引き続き、4月来日予定の演奏家たちについても、現在入国申請を準備中です。何が起こるかわからない情勢ではありますが、近いうちに来日決定をお知らせできるものと信じています。

 すでに上野の街には東京・春・音楽祭のフラッグがはためき、グッと雰囲気が出てきました。街のみなさんも、「今年も開催できそうでよかったね」「まん延防止措置が明けたら店にチラシ置いてあげるから、持ってきてよね」と声をかけてくれます。来週には東京文化会館の装飾も完了して、いよいよ開幕へのカウントダウンが始まります。

©︎飯田耕治



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