チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォードは、アイルランド・ダブリンの生まれ。1882年に設立されたロンドンの王立音楽大学の創設メンバーであり、同大学で作曲科教授として教鞭を執った。門下にはホルストやヴォーン・ウィリアムズがいる。本曲は、彼の室内楽曲を代表するものの１つで、1879年に作曲された。全3曲はいずれも三部形式で対照的な中間部を持つ。

　リアン・サミュエルは、ウェールズ出身の女性作曲家。長らくアメリカで暮らしたが、1984年に帰国し、ロンドンとウェールズ中部を拠点に活動している。クラリネット独奏のための本曲は1988年に作曲、その後2002年に改訂された。

　クロード・アリューは20世紀フランスの女性作曲家で、本名はルイーズ＝マリー・シモン。パリ音楽院でピアノをマルグリット・ロン、作曲をポール・デュカスに師事した。その後、フランス国営放送局で活躍し、クラシックから放送用・映画音楽に至る幅広いジャンルの作品を残した。クラリネットとピアノのための本曲は、1971年に作曲された。

　ジェイムズ・マクミランは、スコットランド出身の現代音楽の作曲家。政治・宗教色のある作品も多い。本曲は、2000年に作曲された短いクラリネット独奏曲で、タイトルの「ギャロウェイ」とは、スコットランド南西部の地方である。

　パウル・ヒンデミットは20世紀前半に活躍したドイツの作曲家。彼は様々な楽器を弾きこなし、オーケストラで用いられるほとんどの楽器のためにソナタを書いた。本曲は1939年の作。4楽章からなり、明朗な旋律が印象的な作品である。

　ミケーレ・マンガーニは現代イタリアの作曲家・指揮者。本曲は2012年に作曲されたクラリネットとピアノのための作品。19世紀イタリアを代表する作曲家ヴェルディのオペラの有名な旋律を自由にまとめて編曲したもので、《マクベス》、《アイーダ》、《椿姫》など、お馴染みの名旋律が次々に登場する。

　フローレンス・プライスは20世紀前半に活動した、アフリカ系アメリカ出身の女性作曲家。本曲は1951年に作曲されたオルガン曲で、その美しく心にしみる旋律から人気が高く、様々な楽器に編曲され、愛奏されている。

　ベーラ・コヴァーチは、ハンガリー出身のクラリネット奏者。本曲はクラリネットとピアノのための作品で、クレズマー音楽のクラリネット奏者ジオラ・ファイドマンに捧げられた。「ショレム・アレイヘム」とは、ヘブライ語の挨拶で「あなたに平和あれ」という意味。2004年の作曲で、エキゾチックなメロディが濃厚に香る。

　ジョーゼフ・ホロヴィッツは、ウィーン生まれのイギリスの作曲家。作曲をナディア・ブーランジェに師事し、1950年代以降はテレビなどの映像音楽ジャンルでも活躍した。1981年に作曲された本曲は全3楽章からなり、ジャズやブルースなどポピュラー音楽の影響も感じられる。