PROGRAM
プログラム
東京・春・音楽祭
Spring Festival in Tokyo
東京春祭マラソン・コンサート vol.15
Tokyo-HARUSAI Marathon Concert vol.15
Tokyo-HARUSAI Marathon Concert vol.15
ワルツ王と黄昏のウィーン
The Waltz King and Era of Twilight in Vienna
The Waltz King and Era of Twilight in Vienna
J.シュトラウス2世 生誕200年に寄せて
Celebrating the 200th Anniversary of J.Strauss II's Birth
Celebrating the 200th Anniversary of J.Strauss II's Birth

プログラム詳細
Detail
日時・会場
2025年4月13日 [日]
第I部 13:00(12:30開場)
第II部 16:00(15:30開場)
第III部 19:00(18:30開場)
[各回約90分]
企画構成/お話:小宮正安(ヨーロッパ文化史研究家/横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授)
※すべての曲目を室内楽版にて演奏いたします。
【第I部】13:00開演(12:30開場)
《取り壊し屋》——帝都の胎動と成長
出演
ヴァイオリン:伊藤亮太郎、鍵冨弦太郎
ヴァイオリン/ヴィオラ:猶井悠樹
チェロ:奥泉貴圭
コントラバス:瀬 泰幸
ピアノ:佐藤卓史、三浦謙司、山縣美季
曲目
リスト:シューベルトのワルツ・カプリスによる《ウィーンの夜会》S.427 より 第7番
J.シュトラウス1世:ワルツ《喜びの挨拶》op.105
J.シュトラウス2世:デビューのカドリーユ op.2
J.ドレクスラー:弦楽四重奏曲 第1番 op.60 より 第1楽章
J.シュトラウス2世:ポルカ《リゴーリ坊主のため息》op.57
J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 op.228
C.ガイガー:
ラデツキー行進曲 op.14 No.1
イェラチッチ行進曲
J.シュトラウス2世:
ワルツ《蛾》op.157
取り壊しポルカ op.269
【第II部】16:00開演(15:30開場)
《雷鳴と稲妻の下で》——帝都の繁栄と動揺
出演
ヴァイオリン:伊藤亮太郎
二期会合唱団
テノール:澤原行正、鹿野浩史、下村将太、山中志月
バス:岸本 大、近藤 圭、杉浦隆大、外崎広弥
ピアノ:佐藤卓史、三浦謙司、山縣美季、三澤志保
チター:常石さやか
曲目
ブルックナー(マーラー編):交響曲 第3番 WAB103 より 第3楽章
J.シュトラウス2世:ワルツ《ジャーナリスト》 op.321
J.シュトラウス(F.ワーグナー編):鍛冶屋のポルカ op.269
E.シュトラウス(F.ワーグナー編):セレナーデ op.71
J.G.ピーフケ:ケーニヒグレッツ行進曲
J.シュトラウス2世:美しく青きドナウ op.314
E.シュミット:美しく青きドナウ
J.シュトラウス2世:雷鳴と電光 op.324
【第III部】19:00開演(18:30開場)
《抱かれよ数多の人々よ》——帝都の理想と憧憬
出演
ソプラノ:吉田珠代
ピアノ:佐藤卓史、三浦謙司、山縣美季、三澤志保
曲目
ブラームス:交響曲 第3番 op.90 より 第3楽章
J.シュトラウス2世:ワルツ《レモンの花咲くところ》op.364
R.フックス(S.シュトッカー編):セレナーデ 第5番 op.53 より 第4楽章
J.シュトラウス2世:喜歌劇《こうもり》第2幕より チャールダーシュ
P.ファールバッハ1世:ポルカ・フランセーズ《ホテルにて》 op.316a
J.シュトラウス2世(A.グリュンフェルト編):バレエ音楽《シンデレラ》に基づく 演奏会用パラフレーズ
J.シュトラウス2世:もろびと手をとり op.443
J.ドレクスラー:兄弟よ お達者で
Date/Place
April 13 [Sun.], 2025
Part I 13:00(Door Open at 12:30)
Part II 16:00(Door Open at 15:30)
Part III 19:00(Door Open at 18:30)
[Each concert is approx. 90min.]
Tokyo Bunka Kaikan, Recital Hall
Program Planner/Navigator:Masayasu Komiya(Cultural historian of Europe / Professor at Institute of Urban Innovation, Yokohama National University)
※All program will be performed in chamber version.
Part I 13:00(Door Open at 12:30)
“Demolitionist” —— Movements and Growth of the Imperial Capital
Cast
Violin:Ryotaro Ito, Gentaro Kagitomi
Violin/Viola:Yuki Naoi
Cello:Takayoshi Okuizumi
Contrabass:Se Yasuyuki
Piano:Takashi Sato, Kenji Miura, Miki Yamagata
Program
Liszt:Soirées de Vienne Valses-Caprices d’après F.Schubert S.427 – No.7
J.Strauss I:Waltz “Freuden-Grüsse Walzer” op.105
J.Strauss II:Debut-Qudrille op.2
Joseph Drechsler:String Quartet No.1 op.60 – I. Moderato
J.Strauss II:Polka “Ligourianer Seufzer” op.57
J.Strauss I:Radetzky-Marsch op.228
Constanze Geiger:
Radetzky-Marsch op.14 No.1
Jellachich-Marsch
J.Strauss II:
Waltz “Nachtfalter” op.157
Demolierer-Polka op.269
Part II 16:00(Door Open at 15:30)
“Under thunder and lightning” —— Flourishing and Commotion of the Imperial Capital
Cast
Violin:Ryotaro Ito
Nikikai Chorus Group
Tenor:Takamasa Sawahara, Hiroshi Shikano, Shota Shimomura, Shizuki Yamanaka
Bass:Dai Kishimoto, Kei Kondo, Takahiro Sugiura, Hiroya Tonosaki
Piano:Takashi Sato, Kenji Miura, Miki Yamagata, Shiho Misawa
Zither:Sayaka Tsuneishi
Program
Bruckner(arr. by Mahler):Symphony No.3 WAB103 – III. Scherzo
J.Strauss II:Waltz “Die Publicisten” op.321
Josef Strauss(arr. by Franz Wagner):Feuerfest! op.269
Eduard Strauss(arr. by Franz Wagner):Serenade op.71
Johann Gottfried Piefke:Königgrätzer Marsch
J.Strauss II:An der schönen blauen Donau op.314
Ernst Schmid:An der schönen blauen Donau
J.Strauss II:Unter Donner und Blitz op.324
Part III 19:00(Door Open at 18:30)
“Be embraced Millions” —— Dream and Longing of the Imperial Capital
Cast
Soprano:Tamayo Yoshida
Piano:Takashi Sato, Kenji Miura, Miki Yamagata, Shiho Misawa
Program
Brahms:Symphony No.3 op.90 – III. Poco allegretto
J.Strauss II:Waltz “Wo die Zitronen blühen” op.364
Robert Fuchs(arr. by Stefan Stocker):Serenade No.5 op.53 – IV. Finale
J.Strauss II:“Die Fledermaus” Act 2 – Csárdás
Philipp Fahrbach I:Polka-française “Im Hotel” op.316a
J.Strauss II(arr. by Alfred Grünfeld): “Aschenbrödel” – Concert Paraphrase
J.Strauss II:Seid Umschungen Millionen op.443
Joseph Drechsler:Brüderlein fein
チケット情報
Ticket
料金(税込)
全席指定
3公演マラソン券 | 各回券 | U-25(各回) | ネット席(各回) |
---|---|---|---|
¥9,000 | ¥4,000 | ¥2,000 | ¥1,500 |
※通し券「3公演マラソン券」は、すべて同じ御席でご鑑賞いただきます。
Price(tax included)
All Seats Reserved
3 Concerts | 1 Concert | U-25(1 Concert) | Live Streaming(1 Concert) |
---|---|---|---|
¥9,000 | ¥4,000 | ¥2,000 | ¥1,500 |
※The 3 Concert Ticket provides the same seat number to each concert.
来場チケット
先行発売
※先行発売はございません。
一般発売
1月26日 [日] 10:00
※U-25チケットは2025年2月14日 [金] 12:00より発売

※3公演マラソン券はトリオ・チケット対象外。
※当日券の取扱いについて
残席があり会場にて当日券を販売する際、料金は各券種+500円となります。
オンライン・チケットサービス等で事前のご予約をお勧めいたします。
ネット席
発売
- 2025年2月21日[金] 12:00
ライブ配信のみとなります。会場で開催する公演と同時刻に、ご自身のPC・スマホ・タブレット画面にてご鑑賞いただけます。公演終了後のアーカイブ配信はございません。
ネット席の詳細はこちら
Admission ticket
Release Schedule
January 26 [Sun.] at 10:00
※U-25 ticket will be on sale on February 14 [Fri.], 2025 at 12:00.

※”3 Concerts Ticket” is not available with the Trio Ticket plan.
※Same day ticket
If seats are still available on the day of the concert, the same day tickets will be on sale for an additional 500JPY to each ticket price.
We recommend purchasing ticket in advance.
Streaming ticket
Release Schedule
- February 21 [Fri.], 2025 at 12:00
Only Live-Streaming is available. You can enjoy the concert through your devices (e.g. computer). There is no archive streaming.
details of the LIVE-Streaming ticket
曲目解説
Song Commentary
曲目解説PDFダウンロード曲目解説
第1部
解説:小宮正安
第1部の幕開けは、「シューベルトのワルツ・カプリスによる《ウィーンの夜会》」これは、フランツ・シューベルト(1797‐1828)が生涯残した幾つものダンス音楽を基に、1852年、フランツ・リスト(1811‐86)がいわば二次創作を加えた曲だ。ワルツ黎明期の朴訥な響きが、ワルツが広く認知された時代の華麗な響きをまとって蘇る。合計9曲からなる作品集だが、本日は第7番が演奏される。
黎明期のワルツを、一大ジャンルへ引き上げた1人が、「ワルツの父」で知られるヨハン・シュトラウス1世(1804‐49)。売れっ子の彼は、自前のオーケストラを率いて1年以上に及ぶ演奏旅行までおこなったが、病気にかかり、ウィーンへ戻った。そんな彼が回復を遂げ、1839年に開催された舞踏会で披露したのが、ワルツ《喜びの挨拶》である。
このシュトラウス1世の息子こそ、今年生誕200周年を迎える「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス2世(1825‐99)である。しかも父親の猛反対にもかかわらず、ダンス音楽家として1844年にデビューを果たした際に披露した作品の1つこそ、《デビューのカドリーユ》だ。そんな、シュトラウス2世のデビュー前夜、彼が作曲の基礎を学んだ人物が、ヨーゼフ・ドレクスラー(1782‐1852)である。オルガニスト、指揮者、作曲家、教育者として活躍した彼は様々なジャンルの曲を書いており、「弦楽四重奏曲 第1番」もその1つだ。
19世紀前半のウィーンは、フランス革命の体現者を自認するナポレオン・ボナパルト(1769‐1821)の失脚後、ヨーロッパ中に確立された保守反動体制の牙城と化す。だが言論の自由を求める声が徐々に高まった末、1848年になると革命が勃発した。そんな革命にシュトラウス2世も熱狂。反動体制の象徴と見なされていた修道会の聖職者を揶揄した、冗談要素満載のポルカ《リゴーリ坊主のため息》を作った。
いっぽうシュトラウス1世も、当初は革命に共感していたものの、革命が過激化の一途をたどるにつれて距離を置くようになる。結果、同時期にオーストリア支配下のイタリアで起きた革命の鎮圧に向かった軍人ヨーゼフ・ラデツキー(1766‐1858)を讃える《ラデツキー行進曲》を書くまでになった。しかも当時は彼以外の作曲家も、ラデツキーはもとより、ハンガリーでの革命を鎮圧した軍人ヨシップ・イェラチッチ(1801‐59)を讃美する曲を発表してゆく。天才少女音楽家として有名だったコンスタンツェ・ガイガー(1835‐90)が書いた《ラデツキー行進曲》、《イェラチッチ行進曲》も、その証である。
さて件のウィーンの革命自体だが、革命を起こした側の内部分裂もあり、最終的には鎮圧された。シュトラウス2世も、革命に最後まで加担したかどで一時期干されるものの、それでもシュトラウス1世の急死を受け、徐々に復帰を図ってゆく。しかも、リストをはじめ音楽界の最先端をゆく作曲家の実験的な技法を採り入れ、ワルツの刷新も着々とおこなった。1854年に作られた妖しげな魅力満載のワルツ《蛾》も、その一例である。
革命を機に、わずか18歳の若さで皇帝となった時の為政者フランツ・ヨーゼフ(1830‐1916)も、そうした時代の変化を的確に見抜いていた。革命後の混乱が落ち着き始めたころ合いを見て取った彼は、勃興しつつあった市民階級の力を活用すべく、帝都ウィーンを近代都市へと大改造する。そんな最中の1862年、中世以来の古い市壁が壊されてゆく様を踏まえてシュトラウスが発表したのが、《取り壊しポルカ》に他ならない。
第2部
解説:小宮正安
昨年、生誕200周年を迎えたアントン・ブルックナー(1824‐96)。シュトラウス2世とは1歳違い、しかもその朴訥なイメージとは裏腹に、近代都市へと変貌を遂げつつあったウィーンに移住し、「シティ・ガイ」として過ごした彼の生活ぶりが近年では明らかにされつつある。そんなブルックナーが1873年に初稿を完成したものの、初演の機会に恵まれず、1877年に改訂稿を完成させてようやく初演にこぎつけたのが、「交響曲第3番」である。本日はその中から、ワルツ同様に3拍子を基本としたスケルツォの第3楽章を取り上げる。
都市改造が進むウィーンで変貌を遂げたのは、街並みだけではない。帝政が存続してはいたものの、旧来の特権階級だった貴族にかわり、政治、経済、文化等様々な分野において市民が力を持つようになった。そうした中で特に成長著しかったのが、新聞や雑誌をはじめとするジャーナリズムである。実際この頃になると、ジャーナリストたちの協会による大規模な舞踏会も催されるようになり、シュトラウス2世にもしばしば依頼がなされた。1868年に書かれたワルツ《ジャーナリスト》も、そうした経緯から生まれた作品である。
多忙をきわめたシュトラウス2世をサポートすべく、エンジニアになる夢をあきらめ、ダンス音楽の世界で働くようになったのが、弟のヨーゼフ・シュトラウス(1827‐70)である。シュトラウス2世に勝るとも劣らぬ才能の持ち主だった彼もまた、時代状況を色濃く映し出した曲を幾つも作った。耐火金庫の発明と販売で成功した商会が催す舞踏会にあたり、1869年に作られた《鍛冶屋のポルカ》もその1つ。このヨーゼフよりさらに年下の弟だったエドゥアルト・シュトラウス(1835‐1916)も、シュトラウス2世のサポート役として、ダンス音楽家の道を歩んだ。本日は彼の作品の中から、1871年に作曲されたポルカ「セレナーデ」(オリジナルの形は合唱付きポルカだった)を取り上げる。
このようにして都市改造を通じ、帝都ウィーンは近代都市としての輝きを放ついっぽう、この街を帝都とする名門貴族ハプスブルク帝国の巨大領土、いわゆるハプスブルク帝国は、内憂外患の危機に晒されていた。その典型が、1866年にドイツ統一の主導権をめぐって宿敵プロイセンと戦い、敗北を喫した出来事である。勝利を収めたプロイセンの側では、それを記念して幾つもの曲が作られた。戦争の勝敗を決めた合戦の地名を冠して書かれた、ヨハン・ゴットフリート・ピーフケ(1815‐84)による《ケーニヒグレッツ行進曲》もその1つである。
他方敗戦を通じ、ウィーンでは大きなショックが広がっていた。そうした中で、意気消沈するウィーン子を鼓舞すべく、シュトラウス2世が1867年に作ったのが、男声合唱のためのワルツ《美しく青きドナウ》(歌詞はヨーゼフ・ヴァイル〈1821‐95〉)である。なおこの題名だが、元はと言えば、カール・イシドール・ベック(1817‐79)という詩人が書いた詩の一節から採られたもの。ウィーンを中心に活躍した教師であり合唱指揮者のエルンスト・シュミット(1835‐1901)も、この詩に基づいて、男声合唱とテノール独唱のための作品を手掛けている。
このように様々な影に見舞われる中で、だからこそマイナスをプラスに転換しようという動きも大きかったのだろう。恐ろしい自然現象を陽気な調べに乗せて描いた、シュトラウス2世による1868年の作品、ポルカ《雷鳴と電光》もその典型である。
第3部
解説:小宮正安
シュトラウス2世と親しく交流し、音楽的な刺激を互いに与え続けた音楽家の1人が、ヨハネス・ブラームス(1833‐97)だ。彼は幾つものワルツやダンス音楽を書いているが、その影響は、1883年に作曲された「交響曲第3番」の第3楽章にも現れている。
第2部の解説でも述べたように、当時のハプスブルク帝国は様々な内憂外患に見舞われた。ハプスブルク家の支配下にあったイタリアが、1861年に独立したのもその表れ。ただしそうであるからこそ、帝都ウィーンを中心に、太陽の輝く地へ寄せる憧れはいっそう強まってゆく。シュトラウス2世も1874年、イタリアへ演奏旅行をおこない、新作ワルツ《美しきイタリア》を披露した後、これを《レモンの花咲くところ》と改名した。なお本日上演されるバージョンは、同年アン・デア・ウィーン劇場で催された特別公演にあたり、同劇場の看板ソプラノ歌手マリー・ガイスティンガー(1833-1903)のために編曲されたもので、歌詞は同劇場の楽長兼台本作家だったリヒャルト・ジュネー(1823-95)の手になる。
アン・デア・ウィーン劇場は、40歳代以降オペレッタの作曲に乗り出したシュトラウス2世の作品が数多く初演された場所である。特に、台本の一部をジュネーが書き、ガイスティンガーがヒロインを歌って1874年に初演された喜歌劇《こうもり》は、大成功を博した。そんな《こうもり》ブームの証として、ブラームスとも近しい間柄にあったロベルト・フックス(1847‐1927)が1894年に作曲し、シュトラウス2世に献呈した「セレナーデ第5番」の第4楽章、および初演時にはガイスティンガーが歌った「チャールダーシュ」を取り上げる。
当時のウィーンのダンス音楽世界で人気を博したのは、シュトラウス・ファミリーだけではない。フィリップ・ファールバッハ1世(1815‐85)をはじめとするファールバッハ・ファミリーもその1つ。1875年に作られた《ホテルにて》は、国内外から集った飲食サービス業者の会合に際して作られた曲である。
晩年を迎えつつあったシュトラウス2世は、1898年、バレエ音楽の分野にも取り組み始めるが、その翌年に完成を待たずして亡くなってしまった。そんな未完の作品の断片を繋ぎ合わせてピアニストのアルフレート・グリュンフェルト(1852‐1924)が再構成したのが、「バレエ音楽《シンデレラ》に基づく 演奏会用パラフレーズ」である。
オペレッタの分野に進出して以降のシュトラウス2世は、劇中に登場するダンス音楽を新作ダンス音楽として発表することが多くなり、純然たる「新作ダンス音楽」は稀になっていった。そうした中で、ハプスブルク帝国が培ってきた文化発信と、各国の融和を目標に開催されたウィーン国際音楽演劇博覧会のために1892年に書き下ろされたのが、ワルツ《もろびと手をとり》である。しかも博覧会の理念とは裏腹に、博覧会の主催者とシュトラウス2世がもめたため、博覧会では初演されなかったという曰くつきの作品となっている。
現在でもウィーンの代名詞である舞踏会。その締めくくりには伝統的に、ウィーンの民衆劇作家兼俳優として活躍したフェルディナント・ライムント(1790‐1836)が1826年に発表した『100万長者になった農民』に登場する「兄弟よ お達者で」が取り上げられる。なお作曲をおこなったのは、第1部にも登場した、シュトラウス2世の師、ドレクスラー。青春や人生の黄昏をひそやかに歌うその内容は、舞踏会の終わりにこの上なく相応しい。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム東京
協力:オットー・ビーバ(Dr. Dr. h.c. Otto Biba)
Organizer:Spring Festival in Tokyo Executive Committee
Support:Austrian Embassy Tokyo/Austrian Cultural Forum Tokyo
Co-operation:Dr. Dr. h.c. Otto Biba
● 記載の曲目は、当日の演奏順と異なる可能性がございます。
● 未就学児のご入場はお断りいたします。
● ご鑑賞の際、車椅子をご利用のお客様はチケットご予約前に東京・春・音楽祭サポートデスク(050-3496-0202)までお問合せください。
● 企業・学校団体での鑑賞をご希望の方は専用フォームよりお問合せください。
● 公演内容を変更、または公演を中止する可能性がございます。最新情報を音楽祭公式サイトやSNSにてご確認ください。公演中止以外の理由での払戻しはいたしません。
● チケット代金のお支払い後、お客様のご事情による変更・キャンセルは承りません。
● 営利目的のチケットの転売は固くお断りします。不正転売されたチケットではご入場いただけず、金銭的な保証は一切ございません。正規の方法以外で購入したチケットのトラブルに関して、当実行委員会はいかなる責任も負いません。
● 会場では写真及び動画による撮影・収録を行います。ロビーや客席の模様が一部映り込む場合がございます。予めご了承ください。
●Program order may be subject to change.
●Preschool-aged children are not admitted to entry.
●Please contact in advance if you use a wheelchair.
●The plan is subject to change, or the concerts are subject to be canceled.
Please check the latest information on our official website and SNS.
Any changes or cancellations of tickets would not be accepted except in case of the cancellation of the concert itself.
●Any changes or cancellations of tickets for any reason on the part of the purchaser after payment would not be accepted.
●Any resales with a profit objective are strictly prohibited.
A person with an illegally resold ticket is not permitted to enter, and there are no financial guarantees at all.
We don’t take responsibility for any trouble caused by illegal resales.
●Photos and videos will be taken and recorded at the venue. Please understand that some parts of the lobby and audience seats may be taken or recorded. Thank you for your understanding.