PROGRAM
プログラム
東京・春・音楽祭
Spring Festival in Tokyo
東京春祭マラソン・コンサート vol.16
Tokyo-HARUSAI Marathon Concert vol.16
Tokyo-HARUSAI Marathon Concert vol.16
旅するモーツァルト、旅するウェーバー
Journey with Mozart, Journey with Weber
Journey with Mozart, Journey with Weber
モーツァルト生誕270年、ウェーバー没後200年に寄せて
Celebrating the 270th Anniversary of Mozart's Birth, Commemorating the 200th Anniversary of Weber's Death
Celebrating the 270th Anniversary of Mozart's Birth, Commemorating the 200th Anniversary of Weber's Death

プログラム詳細
Detail
※この公演は終了しました。
日時・会場
2026年4月12日 [日]
第I部 13:00(12:30開場)
第II部 16:00(15:30開場)
第III部 19:00(18:30開場)
[各回約90分]
企画構成/お話:小宮正安(ヨーロッパ文化史研究家/横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授)
※すべての曲目を室内楽版にて演奏いたします。
【第I部】13:00開演(12:30開場)
異界への旅
出演
クァルテット・アルモニコ
ヴァイオリン:菅谷早葉、生田絵美
ヴィオラ:阪本奈津子
チェロ:松本卓以
フルート:瀧本実里
オーボエ:副田真之介、高橋早紀
クラリネット:渡辺繁弥、篠塚友里江
ファゴット:保崎 佑、笹 紘実
ホルン:加藤智浩、前田梨花
ピアノ:佐藤卓史
曲目
ウェーバー(シュトルツェ編):歌劇《アブ・ハッサン》序曲
モーツァルト(ヴェント編):歌劇《後宮からの誘拐》K.384 より
「なら行くよ、でもな」
「よし、勝ったぞ」
「バッカス最高、バッカス万歳」
M.ハイドン:トルコ行進曲 ハ長調 MH601
ウェーバー:《6つのフゲッタ》op.1(弦楽四重奏版)
モーツァルト:
ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 K.424 より 第2楽章
ディヴェルティメント ヘ長調 K.138 [試聴]
G.マルティーニ:鍵盤楽器のためのソナタ ヘ長調
モーツァルト(フンメル編):交響曲 第36番 K.425《リンツ》より 第1楽章、第4楽章
【第II部】16:00開演(15:30開場)
愛への旅
出演
クァルテット・アルモニコ
ヴァイオリン:菅谷早葉、生田絵美
ヴィオラ:阪本奈津子
チェロ:松本卓以
フルート:瀧本実里
ソプラノ:丹羽景子、盛田麻央
テノール:澤原行正
バス・バリトン:水島正樹
二期会合唱団
ピアノ:佐藤卓史、髙田恵子、三澤志保
曲目
ウェーバー(ガブリエルスキー編):歌劇《オベロン》序曲
モーツァルト(ロート編):私は求めません 不滅の神々よ K.316
モーツァルト:ちっちゃなリボン K.441
E.ウェーバー:3つの弦楽四重奏曲 第2番 より 第1楽章
ウェーバー:
舞踏への勧誘 op.65
《自然と愛》op.61 より
幸せだ、幸せだ
愛らしく、魔法のように美しい丘よ
波よ、ざわめけ
ナイチンゲールに歌ってもらおう
万歳!万歳!
モーツァルト:ソルフェージュ K.393 より アダージョ
モーツァルト(シュミット編):ミサ曲 ハ短調 K.427 より 第1曲 キリエ
【第III部】19:00開演(18:30開場)
新時代への旅
出演
フルート:瀧本実里
ギター:斎藤優貴
テノール:澤原行正、前川健生
バス・バリトン:水島正樹
二期会合唱団
ピアノ:三澤志保
曲目
ウェーバー(ディアベリ編):歌劇《魔弾の射手》序曲
シカネーダー:《4つのコミカルな三重唱》より 「暗いあずまやへ行きましょう」
ウェーバー:
《8つの民謡》op.64 より 「おいおい、なんてまぶしい月明かり!」
《竪琴と剣》op.42 より
剣の歌
リュッツォウの勇壮な狩
祈り
シューベルト:リュッツォウの勇壮な狩 D205
モーツァルト(オイニッケ編):歌劇《魔笛》K.620 第2幕 より「おお、イシスとオシリスよ」
ヴィンター(ヘンネベルク編):歌劇《迷宮》第2幕 より「パミーナのために祈る必要はない」
モーツァルト(ライネッケ編):フリーメーソンの小カンタータ K.623《われらが喜びを高らかに告げよ》
【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
Date/Place
April 12 [Sun.], 2026
Part I 13:00(Door Open at 12:30)
Part II 16:00(Door Open at 15:30)
Part III 19:00(Door Open at 18:30)
[Each concert is approx. 90min.]
Tokyo Bunka Kaikan, Recital Hall
Program Planner/Navigator:Masayasu Komiya(Cultural historian of Europe / Professor at Institute of Urban Innovation, Yokohama National University)
※All program will be performed in chamber version.
Part I 13:00(Door Open at 12:30)
Journey to Otherworld
Cast
Quartetto Armonico
Violin:Sayo Sugaya, Emi Ikuta
Viola:Natsuko Sakamoto
Cello:Takui Matsumoto
Flute:Misato Takimoto
Oboe:Shinnosuke Soeda, Saki Takahashi
Clarinet:Shigeya Watanabe, Yurie Shinotsuka
Bassoon(Fagott):Yu Hozaki, Hiromi Sasa
Horn:Tomohiro Kato, Rika Maeda
Piano:Takashi Sato
Program
Weber(arr. by Stolze):“Abu Hassan” Overture
Mozart(arr. by Wendt):“Die Entführung aus dem Serail” K.384(Excerpts)
‘Ich gehe, doch rate ich dir’
‘Ha, wie will ich triumphieren’
‘Vivat Bacchus, Bacchus lebe’
M.Haydn:Turkish March in C major MH601
Weber:“6 Fughetten” op.1(String Quartet Version)
Mozart:
Duo for Violin and Viola K.424 – II. Andante cantabile
Divertimento in F major K.138
G.Martini:Sonata for Keyboard in F major
Mozart(arr. by Hummel):Symphony No.36 K.425 “Linz” – I. Adagio – Allegro spiritoso IV. Presto
Part II 16:00(Door Open at 15:30)
Journey to Love
Cast
Quartetto Armonico
Violin:Sayo Sugaya, Emi Ikuta
Viola:Natsuko Sakamoto
Cello:Takui Matsumoto
Flute:Misato Takimoto
Soprano:Keiko Niwa, Mao Morita
Tenor:Takamasa Sawahara
Bass-baritone:Masaki Mizushima
Nikikai Chorus Group
Piano:Takashi Sato, Keiko Takata, Shiho Misawa
Program
Weber(arr. by Gabrielski):“Oberon” Overture
Mozart(arr. by Roth):Io non chiedo, eterni Dei K.316
Mozart:Liebes Mandel, wo is’s Bandel? K.441
Edmund Weber:3 String Quartets No.2 – I. Allegro
Weber:
Aufforderung zum Tanz op.65
“Natur und Liebe” op.61(Excerpts)
Glücklich, glücklich bin ich
Lieblich, zauberisch schön bist du, Hügel
Woge, woge
Die Nachtigall soll singen
Heil! Heil!
Mozart:
Solfeggio K.393 – Adagio
Mass in C minor K.427 – I. Kyrie
Part III 19:00(Door Open at 18:30)
Journey to New Age
Cast
Flute:Misato Takimoto
Guitar:Yuki Saito
Tenor:Takamasa Sawahara, Kensyo Maekawa
Bass-baritone:Masaki Mizushima
Nikikai Chorus Group
Piano:Shiho Misawa
Program
Weber(arr. by Diabelli):“Der Freischütz” Overture
Emanuel Schikaneder:“4 komische Terzette” – Lasst uns zur dunklen Laube gehen
Weber:
“8 Volkslied” op.64 – Ei,ei,ei,wie scheint der Mond so hell
“Leyer und Schwerdt” op.42(Excerpts)
I. Schwerdtlied
II. Lützows wilde Jagd
IV. Gebet von der Schlacht
Schubert:Lützow’s wilde Jagd D205
Mozart(arr. by Eunicke):“Die Zauberflöte” K.620 Act 2 – ‘O Isis und Osiris’
Peter von Winter(arr. by Henneberg):“Das Labyrinth” Act 2 – ‘Gebet ihr uns nicht Paminen’
Mozart(arr. by Reinecke):Freimaurerkantate K.623 ‘Laut verkünde unsre Freude’
チケット情報
Ticket
料金(税込)
全席指定
| 3公演マラソン券 | 各回券 | 各回券U-25 | ネット席(各回) |
|---|---|---|---|
| ¥9,000 | ¥4,000 | ¥2,000 | ¥1,500 |
※通し券「3公演マラソン券」は、すべて同じ御席でご鑑賞いただきます。
Price(tax included)
All Seats Reserved
| 3 Concerts | 1 Concert | 1 Concert(U-25) | Live Streaming(1 Concert) |
|---|---|---|---|
| ¥9,000 | ¥4,000 | ¥2,000 | ¥1,500 |
※The 3 Concert Ticket provides the same seat number to each concert.
来場チケット
先行発売
※先行発売はございません。
一般発売
2月1日 [日] 10:00
※U-25チケットは2026年2月13日 [金] 12:00より発売


※3公演マラソン券はトリオ・チケット対象外。
※当日券の取扱いについて
残席があり会場にて当日券を販売する際、料金は各券種+500円となります。
オンライン・チケットサービス等で事前のご予約をお勧めいたします。
ネット席
発売
2月20日[金] 12:00
ライブ配信のみとなります。会場で開催する公演と同時刻に、ご自身のPC・スマホ・タブレット画面にてご鑑賞いただけます。公演終了後のアーカイブ配信はございません。
ネット席の詳細はこちら
Admission ticket
Release Schedule
February 1 [Sun.] at 10:00
※U-25 ticket will be on sale on February 13 [Fri.], 2026 at 12:00.

※”3 Concerts Ticket” is not available with the Trio Ticket plan.
※Same day ticket
If seats are still available on the day of the concert, the same day tickets will be on sale for an additional 500JPY to each ticket price.
We recommend purchasing ticket in advance.
Streaming ticket
Release Schedule
February 20 [Fri.], at 12:00
Only Live-Streaming is available. You can enjoy the concert through your devices (e.g. computer). There is no archive streaming.
details of the LIVE-Streaming ticket
曲目解説
曲目解説PDFダウンロード曲目解説
解説:小宮正安
第1部【異界への旅】
18世紀後半から19世紀初頭にかけて、ヨーロッパを席巻したトルコ趣味。オスマン帝国軍によるウィーン攻略事件など、トルコに関しては恐ろしいイメージとともに、ヨーロッパとは異なるアラブ世界の象徴として大きな憧れも寄せられていた。
ウェーバー(1786–1826)が、1810年から11年にかけて作曲した歌劇(というよりも台詞の入った歌芝居)《アブ・ハッサン》もその1つ。「アラビアン・ナイト」の別名で知られる『千夜一夜物語』に登場するエピソードを基に作られた。序曲からして、当時のヨーロッパの人間が編み出した、トルコ風・アラブ風のエキゾチックな響きに満ちている。
そんな《アブ・ハッサン》の先輩格ともいえるのが、モーツァルト(1756–91)が1782年に作った、こちらも歌劇/歌芝居の《後宮からの誘拐》。トルコのハーレムを舞台に繰り広げられる冒険と許しの物語は、モーツァルトならではの煌めく音楽と相まって大評判となった結果、当時流行りの「ハルモニームジーク」という管楽アンサンブルのためにも編曲された。
モーツァルトが故郷ザルツブルクの宮廷に勤めていた頃の同僚音楽家であり、ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)の弟でもあったミヒャエル・ハイドン(1737–1806)。彼もまた、管楽アンサンブルのために、《トルコ行進曲》を書いている。
そんなM.ハイドンの晩年、父親が率いる巡回劇団とともにザルツブルクへやって来たのが、少年時代のウェーバーだった。幼いころから音楽的な才能を豊かに具えていた彼は、M.ハイドンにも師事するなどして、急速にその才能を開花させた。1798年に作られた《6つのフゲッタ》もそうした時期の作品で、栄(は)えある作品番号「op.1」を与えられている。
モーツァルトは後半生、故郷のザルツブルクを去ってウィーンで活躍するが(《後宮からの誘拐》もまさにその時代に書かれた)、1783年にただ一度だけ、ザルツブルクに里帰りの旅をおこなう。この時、急病のためザルツブルク宮廷から頼まれていた曲を作れなくなった旧友M.ハイドンのために、モーツァルトがこっそり彼に代わって書いたのが、《ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲》。
モーツァルトは生涯の多くを旅路に過ごし、自身の才能を各地で披露するだけでなく、様々な滞在先で得た音楽体験を自身の創作にも反映していった。とりわけ、3度にわたっておこなわれたイタリア旅行は、彼に大きな影響を与え、その余韻の中で1772年に作られた3曲の《ディヴェルティメント》の1つが《ディヴェルティメント ヘ長調》だ。
イタリア旅行をおこなう中、モーツァルトはボローニャで、当時を代表する音楽理論家であり作曲家のマルティーニ(1706–84)と知り合い、様々なことを学んだ。《鍵盤楽器のためのソナタ ヘ長調》も、そんなマルティーニが書いた(そして現在ではほとんど忘れられてしまった)作品の1つである。
1783年のザルツブルクへの里帰りの帰途、モーツァルトはドナウ河沿いの大都市リンツに立ち寄る。そこで催された演奏会のために、急きょ作曲された(と言われている)のが「交響曲 第36番《リンツ》」。本日は、モーツァルトの弟子だったフンメル(1778–1837)による、室内楽編曲版で演奏される。
第2部【愛への旅】
18世紀後半から19世紀初頭という変革の時期には、特に男女の間における愛の形も変わっていった。従来は結婚が家同士の結びつきのための制度だったため、結婚と恋愛は別物だったが、個人の意思による結婚が可能になった結果、恋愛から結婚へという流れが生まれた。
そうした中、ウェーバー(1786–1826)が1825年から26年にかけて作曲した《オベロン》は、ドイツの文学者ヴィーラント(1733-1813)の同名の叙事詩や、シェイクスピア(1564–1616)の戯曲『真夏の夜の夢』『テンペスト』を基に作られた歌劇。妖精王のオベロンが、「男女の心変わり」について妻と口論になるものの、最後には和解するというストーリーを基に、序曲は劇中のハイライトを成す楽曲から構成されている。
モーツァルト(1756–91)は、故郷ザルツブルクでの宮仕えに嫌気がさし、1777年から79年にかけてヨーロッパ各地へ求職の旅へ出かけた。その途上立ち寄ったマンハイムで、彼は歌手の卵だったアロイジア・ウェーバー(c.1760–1839)に夢中になり、1778年、彼女のために超絶技巧の作品を書く。それこそが「私は求めません 不滅の神々よ」であり、グルック(1714–87)のオペラ《アルチェステ》のために、カルツァビージ(1714–95)が書いたテキストが基になっている。
アロイジアとの恋が結局実ることはなかったものの、やがてウィーンを本拠地としたモーツァルトは彼女の妹のコンスタンツェ(1762–1842)と交際を始め、結婚する。そうした中、家族で、あるいは気の置けない友人たちと歌うべく、彼は自ら作詞も手掛け、プライヴェートな声楽曲を幾つも生み出した。「ちっちゃなリボン」もその1つで、妻コンスタンツェと、友人のジャカン(1767–92)のために書かれたと思われる喜劇的な三重唱だ。
ところで、アロイジアやコンスタンツェの父親であるフリードリン・ウェーバー(1733–79)には、フランツ(1734–1812)という弟がいた。フランツは、生涯2度結婚しており、2度目の結婚から生まれたのが本日の演奏会の1人であるカール・マリア(以下「ウェーバー」と記載)、1度目の結婚から生まれたのがエドムント(1766–1830)だ(というわけでモーツァルトとウェーバーの関係は、年の離れた義理の従兄弟ということになる)。そんなウェーバーにとって異母兄となるエドムントも音楽家としてドイツ各地で活躍し、《3つの弦楽四重奏曲》などの音楽作品も手掛けている。
ウェーバーは1817年、女優で歌手のカロリーネ(1794–1852)と結婚する。そしてその2年後に書かれ、彼女に献呈されたのが「舞踏への勧誘」。民衆の粗野な舞踊音楽と見なされてきたワルツを、芸術に昇華させたパイオニア的作品となっている。その1年前にあたる1818年に作られたのが、合唱曲《自然と愛》。ウェーバーと同時代人のドイツの詩人であるキント(1768–1843)(キントは歌劇《魔弾の射手》の台本も手掛けた)のテキストに基づく。
モーツァルトの妻となったコンスタンツェは、アロイジアほどの傑出した歌手ではなかったものの、かなりの歌唱力を具えていた。そんな彼女が、楽譜の読解を深め、音楽の能力をより高められるよう、モーツァルトは結婚後間もなく、いわゆる《ソルフェージュ》を作る。なおその中に出てくる「アダージョ」は、1782年から83年にかけて彼が手掛けた(ただし、おそらく初演の計画が潰えたため未完のまま残された)《ミサ曲 ハ短調》の第1曲「キリエ」のソプラノ独唱部分とそっくり重なっている。
第3部 【新時代への旅】
1789年に勃発したフランス革命に見られるように、18世紀後半から19世紀初頭にかけては、変革を求める激しい潮流と、それに伴う混乱、さらにはそうした新たな動きを押しつぶそうとする保守反動の力が激しく入れ替わった時代であった。
ウェーバー(1786–1826)が、詩人、劇作家のキント(1768–1843)と組んで1821年に初演した歌劇《魔弾の射手》も、そうした時代を端的に映し出した作品の1つ。ドイツ語で書かれたテキストを基に、人間のどろどろとした情念や、新たな世界を求める切実な願望など、ドイツ・ロマンティック・オペラの嚆矢とも言われる作品である。なお本日は、音楽家でもあり楽譜出版業者としても活躍したディアベリ(1781–1858)によるギター用の編曲版で「序曲」を取り上げる。
モーツァルト(1756–91)最晩年の傑作歌劇であり、友愛結社フリーメーソンの思想を基に、新たな時代への希望を謳い上げた《魔笛》。この作品の誕生に大きく関わり、台本の執筆、出演までおこなったのが、俳優兼歌手兼台本作者兼興行師のシカネーダー(1751–1812)である。そんなシカネーダーの多彩な顔を反映した作品の1つが、おそらくは彼が作詞作曲を1人で手掛けた《4つのコミカルな三重唱》。今回はその中から、いちゃつくカップルを物陰から覗く男の反応を描いた「暗いあずまやへ行きましょう」を取り上げる。
1818年にウェーバーが作った《8つの民謡》所収の「おい おい なんてまぶしい月明かり!」も、フラれた男の胸の内を皮肉交じりに描いたコミカルな1曲。ドイツ語で書かれた民謡をテキストとすることで、古来分裂状態にあったドイツを統一しようとする、当時の新たな政治的動きにも呼応したものとなっている。
そんなウェーバーの政治性が端的に現れたのが、1814年に作曲された《竪琴と剣》。ドイツの詩人ケルナー(1791–1813)の書いた、同名の詩集をテキストにしている。なおケルナーは、革命精神をヨーロッパに広めることを錦の御旗に掲げ、ドイツ地方に進軍して来たナポレオン(1769–1821)の軍勢と闘って落命したこともあって、ドイツの独立と自由を謳った愛国的詩人として有名だった。
そんな《竪琴と剣》には、やはりウェーバーと同時代を生き、愛国的な政治心に燃えていたシューベルト(1797–1828)も曲を付けている。1815年に作曲された《リュッツォウの勇壮な狩》もその1つだが、同じテキストをウェーバーが作曲した作品のほうが、その後、はるかに有名になった。
先述したように、モーツァルトが最晩年の1791年に作曲した歌劇(というよりも台詞の入った歌芝居)《魔笛》には、「おお、イシスとオシリスよ」をはじめ、フリーメーソンの儀式や集会を彷彿とさせるナンバーが幾つか登場する。しかも《魔笛》は大ヒット作となったため、この作品をプロデュースしたシカネーダーは、自分が再び台本を書いて、続編を上演することを思いつく。こうして1798年に生まれたのが、ヴィンター(1754–1825)作曲の歌劇《迷宮》。内容は文字通り《魔笛》の後日譚で、ここにもフリーメーソンの集会を踏まえた「パミーナのために祈る必要はない」などのナンバーが登場する。
《魔笛》初演後、モーツァルトが公の場に最後に姿を現わしたのが、フリーメーソンの新たな集会場の開場式だった。それにあたって作曲されたのが、小カンタータ《われらが喜びを高らかに告げよ》である。モーツァルト自身、人間の平等を謳い新たな時代の価値観を打ち立てようとしたフリーメーソンのために幾つも曲を書いているが、その掉尾を飾る、希望と躍動感に満ちあふれた作品に他ならない。
後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム東京
協力:オットー・ビーバ(Dr. Dr. h.c. Otto Biba)

Support:Austrian Embassy Tokyo/Austrian Cultural Forum Tokyo
Co-operation:Otto Biba(Dr. Dr. h.c. Otto Biba)

● 記載の曲目は、当日の演奏順と異なる可能性がございます。
● 未就学児のご入場はお断りいたします。
● ご鑑賞の際、車椅子をご利用のお客様はチケットご予約前に東京・春・音楽祭サポートデスク(050-3496-0202)までお問合せください。
● 企業・学校団体での鑑賞をご希望の方は専用フォームよりお問合せください。
● 公演内容を変更、または公演を中止する可能性がございます。最新情報を音楽祭公式サイトやSNSにてご確認ください。公演中止以外の理由での払戻しはいたしません。
● チケット代金のお支払い後、お客様のご事情による変更・キャンセルは承りません。
● 営利目的のチケットの転売は固くお断りします。不正転売されたチケットではご入場いただけず、金銭的な保証は一切ございません。正規の方法以外で購入したチケットのトラブルに関して、当実行委員会はいかなる責任も負いません。
● 会場では写真及び動画による撮影・収録を行います。ロビーや客席の模様が一部映り込む場合がございます。予めご了承ください。
●Program order may be subject to change.
●Preschool-aged children are not admitted to entry.
●Please contact
in advance if you use a wheelchair.
●The plan is subject to change, or the concerts are subject to be canceled.
Please check the latest information on our official website and SNS.
Any changes or cancellations of tickets would not be accepted except in case of the cancellation of the concert itself.
●Any changes or cancellations of tickets for any reason on the part of the purchaser after payment would not be accepted.
●Any resales with a profit objective are strictly prohibited.
A person with an illegally resold ticket is not permitted to enter, and there are no financial guarantees at all.
We don’t take responsibility for any trouble caused by illegal resales.
●Photos and videos will be taken and recorded at the venue. Please understand that some parts of the lobby and audience seats may be taken or recorded. Thank you for your understanding.
