22年目を迎える「東京・春・音楽祭」のプログラムが決まりました。次の春も、桜と音楽の響宴を、上野公園を中心に、皆さまと分かち合い、楽しみたいと思っています。

音楽祭の開催を思い立ったときから、心に決めていた会場は、上野公園と東京文化会館でした。演奏家の方々の音楽への想いや理解が、奏でる楽器や楽譜とともに深まり、育ち、ふくらみ、成熟するものだとすれば、音楽を奏でる立場とは程遠い環境にあった私にとって、東京文化会館で過ごす時間こそが、老齢に至るまで、クラッシック音楽への理解、想いをふくらませてくれた場です。その東京文化会館が、次の音楽祭終了後から3年にわたる期間、補修工事を施すために休館になります。今回発表するプログラム全てとムーティさんとの《ドン・ジョヴァンニ》までは、音楽の殿堂･東京文化会館で実施できることになったのは、幸運といえば幸運なのですが。

次春の音楽祭は、これまでに至る音楽への想いを込め、東京文化会館が休館となる期間、そして、再び開館した先の未来につながるようなプログラムを準備しています。音楽祭を各方面から応援してくださっている皆様に、心から感謝を致します。