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東京・春・音楽祭実行委員会 実行委員長の鈴木幸一がオーストリア共和国有功大栄誉章受勲
東京・春・音楽祭実行委員会 実行委員長の鈴木幸一がオーストリア共和国連邦政府よりオーストリア共和国有功大栄誉章に叙され、5月17日オーストリア大使公邸にてエリザベート・ベルタニョーリ駐日オーストリア大使より、勲章を伝達されました。
同章は、オーストリアとの長年の親密な関係、とりわけオーストリアと日本の音楽関係に対する多大なる尽力をしたことに対して、オーストリア共和国連邦大統領が授与する勲章です。「東京・春・音楽祭」の実施により、オーストリアと日本の文化交流の促進および、長年に亘り日本の幅広い聴衆層にオーストリア伝統の音楽の紹介に貢献したとして授与されました。
鈴木は、桜咲く上野を舞台にした国内クラシック音楽の祭典「東京・春・音楽祭」を2005年より開催。国内外の一流アーティストによるオペラ、オーケストラ、室内楽公演や上野公園内の美術館・博物館を会場とした「ミュージアム・コンサート」などのコンサートを、毎春約1ヵ月に亘り主宰しています。東日本大震災や、コロナ禍の厳しい状況においても、音楽祭を開催し続けております。
今春も不透明な情勢の中、予定プログラム数(75公演)中、無料公演を含み66公演を実施。海外からも22名の音楽家の招聘を実現させ、リッカルド・ムーティ指揮/東京春祭オーケストラ公演を幕開けに、東京春祭ワーグナー・シリーズ《ローエングリン》、東京春祭プッチーニ・シリーズ《トゥーランドット》などの大型公演や、国内外のアーティストによる室内楽公演、リサイタル、歌曲シリーズ公演などを開催、3年振りに音楽に満たされ華やいだ春を多くの方々にお楽しみいただきました。
ベルタニョーリ大使より「長年に亘って、多くのオーストリアの音楽家や作曲家がこの音楽祭で、あらゆる世代の日本の聴衆にオーストリアの音楽的創造性や技術を披露する機会を得て来ました。オーストリアと日本の友好関係はそのはじまりの時から、両国間の文化交流を通じて深められてきましたが、東京・春・音楽祭というユニークな場は、この友好関係を更に特別な形で浮き彫りにしています。この最高峰の音楽交流の場が定期的に継続、そして拡大されているのは、鈴木様の指導的な立場と音楽への熱意によるものです。多くのオーストリアのアーティストがアジアの聴衆の前で演奏し、同時に現地の音楽家と触れ合う機会を得ることができたのは、鈴木様のおかげに他ありません。同時に、音楽祭を通じて日本人の音楽大国オーストリアへの関心を定期的に評価し更新してもいるのです。鈴木様は音楽の愛好家として、そして支援者として、日本とオーストリアの音楽的関係の強化において、オーストリアに大きな貢献をされています。このように、オーストリア共和国との長年の交流と、両国間の音楽交流の推進における貢献により、オーストリア連邦大統領から鈴木様にオーストリア共和国有功大栄誉賞が授与されることになりました。」と受賞の経緯が語られました。
鈴木は受賞に際し、「オーストリアという音楽の中心地の国に、こういった形で評価をいただき、非常に嬉しく心から感謝しています。幼少期より家庭に西洋音楽があり、オペラにも馴染んでおりました。とてつもない歌手がたくさんおり、耳から入るそのクラシック音楽に傾倒していきました。クラシック音楽は西洋が生んだ最も素晴らしい技術の一つではないでしょうか。絵画などもそうですが、音楽というのは、言葉が通じなくても人に訴えることができ、非常に大きなコミュニケーションができます。不幸な時代にも音楽は常に続いていました。音楽祭を18年前に始め、当時ウィーン国立歌劇場総裁だったホレンダーさんや色々な方にお力添えいただきました。音楽祭の初期から関わってくださっているリッカルド・ムーティさんは、モーツァルトを演奏する時にいつも、「僕はウィーン・フィルにモーツァルトを教えられたんだ」と話してくれます。シカゴでムーティさんの指揮でブルックナーを聴いた際も、一般的にはドイツ音楽の印象が強いブルックナーですが、シカゴ交響楽団の演奏から正にウィーンの音がしたことを覚えております。オーストリアの音楽的伝統というものは頂点に立つものだと実感する経験でした。今後も日本の音楽祭で、世界が生んだこの芸術文化の継承・発展に尽くして参りたいと思います。」とコメントしました。