JOURNAL

ふじみダイアリー 今日のハルサイ事務局

逆風に負けるな! ハルサイの合唱、対策を徹底して準備中です

緊急事態宣言が延長された早春の東京。海外からの入国規制がどうなるのかなど、先行きが見えないなかで、予測できない事態への対応も協議しながらの開幕準備に追われる東京・春・音楽祭事務局です。「ふじみダイアリー」では、現在直面しているさまざまな課題や、準備の進捗状況などをお知らせしています。

 国内外の多彩なアーティストが次から次へと登場する東京・春・音楽祭。その中で毎年、いわば音楽祭のホスト合唱団として活躍していただいているのが東京オペラシンガーズです。従来の「合唱の芸術シリーズ」「ワーグナー・シリーズ」「にほんのうた」に加えて、新たに「プッチーニ・シリーズ」も始まり、ますます出番が増えています。

 スーパーコンピュータのシミュレーションで飛沫感染の危惧が指摘されるなど、合唱活動が大きく制限されている現状はプロもアマチュアも変わりありません。先日行われた東京オペラシンガーズとのミーティングも、アジェンダのトップは、練習時の感染対策の徹底についてでした。

 練習場入口での検温と手指消毒。入退室時を含めたソーシャル・ディスタンスの確保。こまめな換気。練習場内での食事自粛。手渡しによるプリント類の配布廃止などなど。社会でもすでにおなじみの対策について、ひとつひとつ丁寧に確認します。

 一番悩ましいのがマスク問題。声楽家がマスクをつけて歌うことの困難や違和感は、一般のわたしたちにも容易に想像がつきます。しかしやはり今はマスク着用が必須。歌い手の皆さんには不自由と我慢をお願いしなければなりません。

 とはいえ本番はマスクを外して歌うわけですから、リハーサルで、同じようにマスクなしで歌うことも必要です。「どの時点から?」「オケ合わせ以降はすべて、とか?」「いや、ゲネプロだけでもいいのでは?」「でもずっとマスクを着けたい人もいるかも」…。さまざまなケースを想定しながら対応を模索していきます。

 今年は練習場探しにも苦労しました。例年、区民センターなどの公共施設を借りることも多く、半年前の予約抽選日に朝から行って並ぶこともしばしば。ところがコロナ禍の現在は、合唱での利用を認めてくれないところや、夜間区分の貸し出しを停止しているところが少なくないのです。苦戦しながら、なんとか全日程の練習場を押さえることができました。

 東京オペラシンガーズは常設の団体ではなく、プロジェクトごとに個々の声楽家の皆さんが集まるテンポラリーな組織です。所属事務所もなければ、事務方のマネージャーさんもいないため、上述のような感染対策も、直接メンバーの皆さんの手を借りてお願いしなければなりません。演奏以外の雑事で煩わせるのは心苦しいのですが、わたしたちにとっては、主催者と出演者という関係を超えて、協力しながら一緒に音楽祭を作り上げてくれる頼もしい仲間です。今年も「ハルサイの合唱」にご注目ください。




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