JOURNAL

ふじみダイアリー 今日のハルサイ事務局

今年も盛りだくさん! ハルサイならではの特別な空間のコンサートをお楽しみください!

さあ、東京・春・音楽祭開幕です! タイミングを合わせるかのように、緊急事態宣言の解除も発表されました。解除後の興行の規制や入国制限緩和についてはまだ不明なため、ゴールの見えないマラソンを走り始めたランナーのような気持ちではあるのですが、とにかく完走を信じて、前へ進みたいと思います。「ふじみダイアリー」では引き続き、音楽祭のバックステージで起きているさまざまな話題をピックアップしてお伝えしてまいります。

 上野公園内の美術館・博物館で開催する「ミュージアム・コンサート」は、上野の森を舞台に繰り広げる東京・春・音楽祭を象徴するようなコンサート。毎年大好評をいただいています。コンサートホールとは異なる空間なので、お客さまをお迎えするためのさまざまな準備が必要ですが、その準備は、施設の閉館後に短時間で行なわなければなりません。 3月23日(火)に東京国立博物館・法隆寺宝物館エントランスホールで行なわれた「東博でバッハ vol.50」、ギターの大萩康司さんのコンサートを、セッティングの様子から見学してきました。

 東京国立博物館の閉館時間は夕方5時。一般のお客さまが退館されるのを待って準備スタートです。会場の法隆寺宝物館エントランスは、通常は受付カウンターがあるだけのオープンなスペース。そこに簡易ステージを作り、照明を設置、椅子を並べて即席のコンサートホールに変身させていきます。今年はライブ・ストリーミング配信がありますから、カメラやマイクのセッティングも必要です。

 法隆寺宝物館の公演では、特別に東博の黒門(旧因州池田屋敷表門)を入場口として使わせていただいています。江戸末期の建築物といわれる国の重要文化財。そこに臨時の受付を設置するのは、コンサートに慣れたスタッフでも、ちょっと緊張気味です。

 今の季節は門の横に見事な桜も咲いて、夕景にライトアップされる姿はじつに幻想的。「この門をくぐってコンサートに向かうだけでもワクワクする」と、毎年楽しみにしてくださっている方がたくさんいらっしゃいます。この日のコンサートも満員御礼。密を避けるために通常の半分以下、50席限定でお聴きいただかなければならなかったのをとても申し訳なく思っています。

 照明が灯り、まるで前庭の水盤に浮かびあがるような、天井の高いガラス張りのエントランスに、大萩さんのバッハが深々と響きます。ときどき発する唸り声も身近に感じ取れるインティメートな空間。コンサート終盤、とくに最後の〈シャコンヌ〉の峻厳ともいうべき気迫のこもった演奏に鳥肌が立ちました。

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 東京国立博物館・法隆寺宝物館エントランスホールでのミュージアム・コンサートは、このあとも4月15日(木)に住谷美帆さん(サクソフォン)、4月21日(水)に玉井菜採さん(ヴァイオリン)の公演があります。例年売り切れ必至の人気公演ですので、ほかの施設でのミュージアム・コンサートともども、早めにチケットをお求めのうえ、ぜひお運びください! そして今年は、ご都合のつかない方はライブ・ストリーミング配信でもお楽しみいただける、新しい魅力の加わった東京・春・音楽祭です。

 



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