JOURNAL

ふじみダイアリー 今日のハルサイ事務局

どうなるの? 入国制限の行方から目が離せません

さあ、東京・春・音楽祭開幕です! タイミングを合わせるかのように、緊急事態宣言の解除も発表されました。解除後の興行の規制や入国制限緩和についてはまだ不明なため、ゴールの見えないマラソンを走り始めたランナーのような気持ちではあるのですが、とにかく完走を信じて、前へ進みたいと思います。「ふじみダイアリー」では引き続き、音楽祭のバックステージで起きているさまざまな話題をピックアップしてお伝えしてまいります。

 1都3県の緊急事態宣言解除が発表され、私たち東京・春・音楽祭がなにより気がかりでならないのは、外国人の入国制限の行方です。首相が会見した3月18日夕方時点の報道によれば、外国人の新規入国の全面停止措置は、宣言解除後も当分の間継続するとのこと……。一方で、個別の判断により「高い公益性」や「緊急性」がある場合は例外とするとも伝えられており、現段階では、そこに一縷(いちる)の望みを託すしかなさそうです。もちろん、防疫や感染防止のための対策が最優先であることは言うまでもありません。事前のPCR検査や入国後の一定期間隔離、滞在中の行動管理の厳格化を前提に、なんとか入国が認められるとよいのですが。

 いま一番厄介なのが航空券の予約です。入国の可否にかかわらず、航空券の予約は可能です(現在JALとANAは、海外から日本に到着する便の新規予約受付を停止中)。しかし各社が減便していたり、搭乗人数を制限していたりするため、通常なら楽に取れる路線が満席で、席取り合戦になっているのです。  もちろん航空券が用意できていても、入国が認められビザが発行されなければ渡航できません。仮に入国が認められることになったとして、ビザの申請から発行まで5日程度がかかります。それを即日や翌日の発行に早められないか、各国の大使館・領事館との交渉も欠かせません。ヨーロッパとの時差は8時間。向こうのオフィスが開いている日本時間の夕方5時頃から夜中の2時頃までが勝負です。とはいえ昼間は昼間で、外務省や厚生労働省、法務省(出入国在留管理庁=旧入国管理局)と頻繁にやり取りしなければなりません。超過勤務にならないように気をつけながらも、寝られない日々が続きます。そんな苦労が実を結ぶよう、のこり全員にぜひ無事に入国してほしいです。

 例年、東京・春・音楽祭に出演する外国人演奏家は70人前後。渡航関連の専任スタッフは一人だけなので、コロナ禍でなくても超多忙です。入国後は事務局総出で対応する局面も多々あるものの、各出演者からのさまざまなリクエストや問い合わせは、どうしても一人に集中してしまいます。「おいしいお寿司屋さんを教えてほしい」「明日のオフにディズニーランドに行きたいんだけど」「ちょっと調子が悪いので医者に連れて行って」などなど。もちろん今年は自由に外出することはできないでしょう。また例年だと家族づれで来日される方も多く、魅力的な日本の春を楽しんでいただくために、できる限りのお手伝いをしているのですが、今年は全員が単身での来日になるはずですから、それもなし。ちょっと寂しいのですけれども、それはまた来年以降のお楽しみ。出演者も一丸となって、この危機を乗り越えられることを信じています。




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