JOURNAL

ふじみダイアリー 今日のハルサイ事務局

桜よりひと足早く、東京文化会館がハルサイ色に開花しました!

開幕目前! 1都3県で再延長されていた緊急事態宣言もようやく解除される見通しが伝えられていますが、解除後の興行の規制や入国制限がどうなるのか。まだまだ予断を許さない状況のなか、中止の判断をした公演以外をなんとしても開催しようと、最大限の努力を続けている東京・春・音楽祭事務局です。「ふじみダイアリー」では、現在直面しているさまざまな課題や、準備の進捗状況などをお知らせしています。

 3月12日、東京文化会館側面のピロティの柱と庇に、毎年恒例の東京・春・音楽祭の飾り付けが完成しました。いいです! じつにいい感じです!

 昨年春にJR上野駅の公園口がリニューアル・オープンし、冬の間に周囲の整備も終了。駅周辺の眺めがすっかり変わりました。改札を出ると広場越しに、以前は見えにくかった東京文化会館の全景がドーン! クラシック音楽の殿堂らしい風格あるたたずまいを見せてくれます。設計者の前川國男氏が思い描いていた風景もこれだったのかもしれません。

 そしてハルサイのピンクの装飾の目立つこと。これまで以上に存在感増し増しです! 緊急事態宣言下で動物園は休園中、桜もまだ開花前なので行き交う人は少なめですが、皆さん足を止めて写真をパシャパシャ。ぐっと雰囲気が出てきました。

 朝一番で始まった設営を見学しました。

 柱に巻き付ける円柱の装飾は、高さ約3.8メートル、直径2メートル(円周6.28メートル)。台東区の条例で、広告物のサイズは高さ4メートルが上限と定められています。作業はまず、土台となる木製の円柱を固定し、その上に、7分割されたシートを貼っていきます。シートは経師紙(きょうじがみ)という、壁やふすまなどにも用いる紙製。防炎加工が施されています。シートの端の図柄どうしを重ね合わせて貼っていくのは屋内の壁紙貼りと同じ要領です。簡単そうに見えてしまうのですが、それは職人さんたちの経験があってこそ。シートの図柄はあらかじめ綿密に計算した寸法でプリントされているものの、紙は微妙に伸びてしまうので、そのぶんを経験と感で微調整しながら貼っていくのだそう。経師屋さんは、皆さんベテランの職人さんばかりです。

 円柱を一本ずつ仕上げるあいだに、クレーン車が入って、三角形のフラッグを吊り下げる作業も並行して進んでいきます。こちらはターポリンという、運動会のテントなどにも使われる化学繊維。耐久性に優れた頑丈な素材なのですが、設置するピロティは上野公園の風の通り道になっているらしく、強風にあおられて毎年1、2枚は破れてしまうのです。さまざまな対策をして強度を上げているものの、「風のほうも年々強くなっているような気がする」と、現場監督さんも嘆いていました。まさに自然との戦い。しかし今年はいっそうパワーアップ。閉幕まで無事に風雨に耐えてくれるにちがいありません。

 東京・春・音楽祭のメインヴィジュアルは、今年からグラフィックデザイナーの鈴木一誌さんにお願いしています。デザイン上部のカラフルな色オビの並列には、ピアノやチェンバロの鍵盤を連想させる意図があるそうですが、庇に吊られた三角旗を横から見上げると、そのカラフルな鍵盤が連なって、脈々と培われてきた音楽の歴史、その時間の連続性を感じます。

 開幕もいよいよ目前です。まもなく事務局も東京文化会館内に引っ越して、本番モードに突入。まだこれからもいろいろな逆風が吹きつけるかもしれませんが、充実した東京・春・音楽祭をお楽しみいただくために、祝祭感満点の飾り付けに負けじと頑張っていきます! どうぞご声援ください!




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