JOURNAL

ふじみダイアリー 今日のハルサイ事務局

豪華メンバーで試聴配信コンサート!ご覧いただけましたか?

いよいよ開幕目前。しかしそんなタイミングで1都3県の緊急事態宣言が再延長され、さらに出口が見えなくなっています。すでに、外国人アーティストが出演する一部の公演の中止という苦渋の決断をせざるを得ませんでした。今後も予断を許さない状況ではありますが、最悪の場合も頭の片隅に置きながら、とにかく開催準備を進めている東京・春・音楽祭事務局です。「ふじみダイアリー」では、現在直面しているさまざまな課題や、準備の進捗状況などをお知らせしています。

 今年の東京・春・音楽祭では、新しい大きな試みとして、ほぼ全公演をインターネットライブ配信する「東京・春・音楽祭 LIVE Streaming 2021」を実施します。おかげさまでマスコミ各社からも注目が集まっており、3月7日に東京文化会館小ホールで行なった試聴配信のための無観客コンサートには、何社もの報道陣の皆さんが取材にお見えになりました。試聴配信は、ご自分のパソコンやスマホなどで確認・お試しいただくためのテストです。

 取材一番乗りは、毎年ハルサイを詳しく紹介してくださる『ぶらあぼ』さん。開演する20時の、なんと5時間も前に到着して、リハーサル前の準備作業から、念入りに撮影してくれました。3月18日発行の『ぶらあぼ4月号』はハルサイのヴィジュアルが表紙。そこにも「LIVE Streaming」の記事が掲載されていますが、この日の取材の様子は別途、特設サイト『ぶらあぼONLINE ANNEX 東京・春・音楽祭』で紹介していただく予定です。

 開演1時間前からは通信系やオーディオ系のメディアの記者さんたちも合流。システムを説明する開発スタッフに、専門的な技術についての質問が次々に飛びます。難しくて中身をよく理解できないのですが、たとえば、ホールのカメラ映像を別室の配信システムまで送る際に、従来はSDIという映像信号で伝送していたのを、IPプロトコル化したのは画期的。何本もの映像ケーブルを延々と這わせることなく、ネットワーク・ケーブル一本で送ることができるので、取り回しが格段によくなります。なんなら配信システムを、ホールから遠く離れた別の場所に置いて操作することも自由自在……。なのだそうです。じっさい今回は、上野学園石橋メモリアルホールや東京藝術大学奏楽堂、周辺の美術館など、他の会場での公演の映像も、公衆回線を使って、東京文化会館に設置したシステム経由で配信されることになります。

 記者の皆さんの注目を集めていた作業のひとつが、歌詞訳の字幕入れです。あらかじめ用意しておいた文字画面を、演奏を聴きながらその場で挿入していきます。ディレクターさんが楽譜をにらみながら、「GO!」と短く鋭いキューを出すのに合わせて、オペレーターさんが実行キーを操作。そこにはちょっと殺気さえ漂っていて、全神経を集中した真剣勝負の様子が、お二人の後ろ姿からもひしひしと伝わってきました。

 テストとはいっても、コンサートは本格的。N響メンバーによる《ジークフリート牧歌》、江口玲さんによるピアノ独奏版《イゾルデの愛と死》、ソプラノの天羽明惠さんによる《ヴェーゼンドンク歌曲集》という豪華なワーグナー・プログラムを堪能しました。皆さんご覧いただけましたか?(アーカイブ配信はありません。)

 この日のテストを経て細部を修正。準備万端で本番を迎えます。あとは、どうか、なんとか無事に開幕できることを祈るばかりです。





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