PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

リヒテルに捧ぐIII(生誕100年記念) / 《24の前奏曲》シリーズ vol.1ショスタコーヴィチ    アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ) I

20世紀のニコラーエワ、21世紀のメルニコフ――名盤の歴史を書き換えた衝撃の録音から6年。リヒテルの秘蔵っ子から若い巨匠へと成長したメルニコフによるショスタコーヴィチ前奏曲全曲演奏会が再び。

プログラム詳細

2015:03:29:15:00:00

■日時・会場
2015.3.29 [日] 15:00開演(14:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ

■曲目
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ op.87 speaker.gif[試聴]
 
【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。



~関連ニュース~


~《24の前奏曲》シリーズ~

 

出演者

ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ Piano:Alexander Melnikov モスクワ音楽院でレフ・ナウモフキ教授に師事し卒業。モスクワでのメルニコフの音楽形成上最も影響を与えた瞬間には、スビャトスラフ・リヒテルとの早期の出会いが含まれる。リヒテルは、その後ロシアとフランスのフェスティバルに定期的にメルニコフを招いた。メルニコフは、ツヴィカウのロベルト・シューマン国際コンクール(1989年)、▼続きを見るブリュッセルのエリザベート王妃国際音楽コンクール(1991年)を含む有名コンクールの受賞者である。 メルニコフのプログラミングはしばしば独特だと言われる。メルニコフは、ピアニスト人生を通して持ち続けている歴史的な演奏慣行への興味を、幼い頃に発見した。この分野において彼に影響を与えたのは、数多くのプロジェクトを共にしたアンドレアス・シュタイアーとアレクセイ・リュビモフである。メルニコフは、コンチェルト・ケルン、ベルリン古楽アカデミー等の優れたアンサンブルと定期的に共演している。
メルニコフはアンドレアス・シュタイアーと共に、バッハの平均律クラヴィーア(アンドレアス・シュタイアー:ハープシコード)の抜粋を、ショスタコーヴィチの24の前奏曲とフーガ(アレクサンドル・メルニコフ:ピアノ)との音楽的対話に置くプログラムを考え出した。室内楽のパートナーとしてしばしば組む演奏家には、チェロのアレクサンドル・ルディン、ジャン=ギエン・ケラスがおり、バリトンのゲオルク・ニグルもまたメルニコフの仕事の不可欠な一員である。
メルニコフのハルモニア・ムンディ・レーベルとのかかわりは、常連のリサイタル・パートナーであるヴァイオリニスト、イザベル・ファウストを通して生まれた。2010年、ふたりのベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ全曲録音は、グラモフォン賞とドイツのエコー・クラシック賞に輝いた。この曲の録音の試金石となったこのCDは、グラミー賞にもノミネートされた。ファウストとの最新のCDであるウェーバーの室内楽曲集は、2013年1月にリリースされた。
メルニコフのショスタコーヴィチの前奏曲とフーガ全曲録音は、BBCミュージック・マガジン賞、ショク・ド・クラシカ、ドイツレコード批評家賞の年間賞を受賞した。2011年には、同録音はBBCミュージック・マガジンの「史上最高のCD50選」に選ばれた。加えてメルニコフのディスコグラフィにはブラームス、ラフマニノフ、スクリャービンが含まれ、テオドール・クルレンツィス指揮マーラー室内管弦楽団共演のショスタコーヴィチのピアノ協奏曲集は、高い評価を受けた。
ソリストとしてこれまでに共演したオーケストラは、ロイヤル・コンセルへボウ管弦楽団、ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団、北ドイツ放送交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、ロシア・ナショナル管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、NHK交響楽団があり、指揮者ではミハイル・プレトニョフ、テオドール・クルレンツィス、シャルル・デュトワ、パーヴォ・ヤルヴィ、ワレリー・ゲルギエフがいる。
メルニコフは、アムステルダムのムジークヘボウの2013/14シーズンのアーティスト・イン・レジデンスである。今シーズンは、アントニ・ヴィット指揮ワルシャワ・フィル共演によるBBCプロムスの初出演で始まり、その後イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルのシーズン開幕公演での演奏が続く。そのほかの今シーズンの共演者は、マーラー室内管、フライブルク・バロックオーケストラ、アムステルダム・シンフォニエッタ、シアトル響、ユタ響、ニュージーランド響などが含まれる。ソロでは、メゾン・シンフォニーク・ド・モントリオール、ロンドンのウィグモア・ホール、アントワープのDe Singel、モーツァルテウム・ザルツブルク、大阪、名古屋、東京のコンサート・ホールでの演奏が予定されている。

©Marco Borggreve
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ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ Piano:Alexander Melnikov

■曲目解説

ショスタコーヴィチ:24 の前奏曲とフーガ

1948 年のジダーノフ批判以降、ショスタコーヴィチは映画音楽・標題的合唱曲などの作曲を主とし、純粋器楽はほとんど手がけていなかった。そんな折、1950 年 7 月にバッハ没後 200 年記念祭に参加するため、ライプツィヒを訪れ た。そこで彼は、ソ連代表団長として、また同時に開催されたコンクールの審査員としてバッハの音楽に親しむうちに、 当初は対位法の技術的習作として構想していた本作を、《平均律クラヴィーア曲集》に範をとる大規模な連作にまで 拡大しようと思い立ち、帰国後、およそ 4 ヵ月かけて完成させた。

バッハの場合は C 音を起点として半音ずつ上がっていく配列方式をとるが、ここでは同じく C 音を起点として平行 短調を間に挟みつつ、5 度ずつ上がっていく。第 13 番(嬰へ長調)までは♯記号がひとつずつ増えていき、第 14 番 で嬰ニ短調(嬰へ長調の平行調)が変ホ短調と表記され、それ以降は逆に♭記号がひとつずつ減っていく。

1951 年 4 月 5 日、作曲家自身によって抜粋の演奏が行なわれたが、その後の作曲家同盟による合評会では「理 想主義的・形式主義的傾向がある」として厳しく批判された。しかしショスタコーヴィチは辛抱強く、内輪の演奏会など でこの曲集の抜粋を演奏し続けた。そして翌 1952 年、共産党当局からの公式な支持と出版許可を取り付け、ようやく日の目を見た。なお、全曲初演は 1950 年の記念祭と合わせて開催された第 1 回バッハ国際コンクールの優勝者タチアナ・ニコラーエワにより 1952 年 12 月 23 日と 28 日の 2 日間にわたり行なわれた。それ以降、今日に至るまで数々 の名ピアニストによって愛奏されてきたこの曲集は「20 世紀の平均律クラヴィーア曲集」とも称されている。

ここでショスタコーヴィチは、「前奏曲」を自由なホモフォニー・スタイルで作曲することにより、「フーガ」の厳格なポ リフォニー・スタイルと対比させている。また、ロシア音楽固有の様式もふんだんに盛り込まれており、オラトリオ《森の 歌》の主題などを聴くことができる。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:ロシア連邦大使館

※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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