PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

リヒテルに捧ぐⅣ(生誕100年記念)ボロディン弦楽四重奏団 with エリーザベト・レオンスカヤ(ピアノ)
~リヒテルとともに奏でた音楽家たち

その生涯で何度も取り組んだシューマンとショスタコーヴィチ。リヒテルと共に活動を続け、数々の名演を残してきたボロディン弦楽四重奏団とレオンスカヤがリヒテルへの深い想いを捧げる一夜。
《リヒテルに捧ぐ》シリーズ、クライマックスを飾るフィナーレです。

プログラム詳細

2015:04:02:19:00:00

■日時・会場
2015.4.2 [木] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
ボロディン弦楽四重奏団
 第1ヴァイオリン:ルーベン・アハロニアン
 第2ヴァイオリン:セルゲイ・ロモフスキー
 ヴィオラ:イゴール・ナイディン
 チェロ:ウラディーミル・バルシン
ピアノ:エリーザベト・レオンスカヤ

■曲目
シューベルト:弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調 D.703《四重奏断章》speaker.gif[試聴]
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44 speaker.gif[試聴]
ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 op.57 speaker.gif[試聴]

[アンコール]
ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 op.57 より 第3楽章

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。




~関連ニュース~
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ボロディン弦楽四重奏団~結成70周年記念:ロシア音楽の潮流を聴く
 

出演者

ボロディン弦楽四重奏団 Borodin Quartet 65年以上にもわたって、ボロディン弦楽四重奏団は室内楽の分野において、その見識と権威を讃えられてきた。ベートーヴェンとショスタコーヴィチの完璧なまでの演奏が多くの賞賛を集めているが、同様に彼らはモーツァルトからストラヴィンスキーまで、幅広い音楽に精通している。ボロディン弦楽四重奏団のロシア音楽への親近感は、▼続きを見る直接指導も受けたショスタコーヴィチとの親密な関係に由来する。ボロディン弦楽四重奏団によるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全曲演奏シリーズは、ウィーン、チューリッヒ、フランクフルト、マドリード、リスボン、セビリア、ロンドン、パリ、ニューヨーク等、世界各地で開催され、その演奏解釈は決定版として広く認められている。最近のシーズンでは、シューベルト、プロコフィエフ、ボロディン、チャイコフスキー等を含む、幅広いレパートリーで世界の主要都市に招かれ、絶賛を博している。
1945年にモスクワ音楽院の4名の学生によって結成されたカルテットは、10年後、その名前をモスクワ・フィルハーモニック・カルテットからボロディン弦楽四重奏団へと改める。現在のメンバーは、ルーベン・アハロニアン、セルゲイ・ロモフスキー、イーゴリ・ナイディン、ウラディーミル・バルシンとなっている。弦楽四重奏の演奏に加え、ボロディン弦楽四重奏団のメンバーは、室内楽レパートリーの更なる探究のため、ユーリ・バシュメット、エリーザベト・レオンスカヤ、オレグ・マイセンベルク、リュドミラ・ベルリンスカヤ等、優れた音楽家たちと共演を重ねている。また、定期的にマスタークラスも開催している。ボロディン弦楽四重奏団は2015年に結成70周年を迎えるが、それに合わせてモスクワ、ロッテルダム、東京、イスタンブール、モントリオール、バンクーバー、アムステルダム、ワルシャワ、ロンドン、フランクフルト、香港、ベルリン、ウィーン等、世界各地で演奏会が予定されており、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、チャイコフスキー、ミャスコフスキー、そしてもちろんボロディンの作品が取り上げられる。ボリス・ベレゾフスキー、エリーザベト・レオンスカヤ、リュドミラ・ベルリンスカヤ等をパートナーにピアノ五重奏も演奏する予定である。
チャイコフスキーの作品を扱ったCDは、1994年にグラモフォン賞を受賞、シャンドスからはボロディン弦楽四重奏団設立60周年記念の一環として、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集がリリースされた。テルデックより発売されているチャイコフスキーの弦楽四重奏曲及び「フィレンツェの想い出」、シューベルトの弦楽五重奏曲、ハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」、そしてロシア小品集は、すべて高い評価を得ている。ボロディン、シューベルト、ウェーベルン、ラフマニノフを取り上げたOnyxレーベル第1弾の録音は、2005年グラミー賞最優秀室内楽演奏部門にノミネートされた。その他、EMI、RCA等から多数のCDが発表されている。

©Keith-Saunders
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ボロディン弦楽四重奏団 Borodin Quartet

ピアノ:エリーザベト・レオンスカヤ Piano:Elisabeth Leonskaja グルジアのトビリシ生まれ。11歳で初めての演奏会を行い、その類まれなる才能により、モスクワ音楽院への入学が認められる。在学中にジョルジェ・エネスク国際コンクール、ロン=ティボー国際コンクール、エリザベート王妃国際音楽コンクールといった数々の重要なコンクールで入賞に輝く。スヴャトスラフ・リヒテルは彼女の非凡な才能に目を留め、助言をするだけでなく、▼続きを見る数多くのデュオを通して彼女の音楽家としての成長に大きな役割を果たした。リヒテルとの音楽的・個人的な親交は、1997年に彼が亡くなるまで続いた。78年、レオンスカヤはウィーンに新しく居を構え、翌年のザルツブルク音楽祭でのセンセーショナルな演奏で、西側諸国でのコンサート・ピアニストとしてのキャリアをスタートさせた。これまでにニューヨーク・フィルハーモニック、ロサンゼルス・フィルハーモニック、クリーヴランド管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、BBC交響楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ハンブルク北ドイツ放送交響楽団、ケルン放送交響楽団、バイエルン放送交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団等、世界のトップオーケストラほぼすべてにソリストとして招かれており、クルト・マズア、クリストフ・エッシェンバッハ、クリストフ・フォン・ドホナーニ、マリス・ヤンソンス、ユーリ・テミルカーノフ、トゥガン・ソヒエフ、サー・コリン・デイヴィス、クルト・ザンデルリンク等の著名指揮者とも共演している。またザルツブルク、ウィーン、ルツェルン、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン等、名だたる夏の音楽祭に度々登場しており、ホーエネムス、シュヴァルツェンベルクのシューベルティアーデにも参加している。また、ソリストとしての多忙な活動にもかかわらず、室内楽にも積極的に取り組み、エマーソン、ボロディン、アルテミス等の弦楽四重奏団と頻繁に演奏をともにしている。 数多くのCDがレオンスカヤの業績を証明しており、ブラームスのピアノ・ソナタ集はセシリア賞を、リストの作品集はディアパゾン・ドール賞を受賞、その他、クルト・マズア指揮ニューヨーク・フィルハーモニックとチャイコフスキーのピアノ協奏曲集、アシュケナージ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団とショパンのピアノ協奏曲第1番・第2番、ヒュー・ウルフ指揮セントポール室内管弦楽団とショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番・第2番を録音している。ベルリンのeaSonusレーベルから発売された最新CDは、2014年のICMA国際クラシック音楽賞(ソロ部門)に選ばれた。シューベルトのソナタ全集が、15年秋にeaSonusからリリースされる予定。ウィーン・コンツェルトハウス名誉会員。06年、オーストリアの勲章では最高位となる第一等学術・文化名誉十字勲章を受賞。

©Julia Wesely
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ピアノ:エリーザベト・レオンスカヤ Piano:Elisabeth Leonskaja

■曲目解説

シューベルト:弦楽四重奏曲 第 12 番 《四重奏断章》

シューベルトの弦楽四重奏曲としては、第 13 番《ロザムンデ》、第 14 番《死と乙女》、そしてト長調の第 15 番がよく 知られている。


第 1 楽章のみが完成されたこの第 12 番《四重奏断章》は 1820 年の作品とされ、五重奏曲《ます》などと同時期に 書かれた室内楽である。この頃シューベルトは、家庭音楽会や友人との内輪の発表会のために作曲した室内楽作品 を公にし、器楽作曲家としての地位を確立しようと形式面の強化に努めていた。アレグロ・アッサイの第 1 楽章は、後 期の弦楽四重奏曲の先駆とも言える、ダイナミックなソナタ楽章の様式を獲得している。

シューマン:ピアノ五重奏曲

シューマンには、室内楽を集中的に作曲した「室内楽の年」がある。本作を作曲した 1842 年がそれで、他にも 3 つ の弦楽四重奏曲、ピアノ四重奏曲、(ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための)幻想小曲集といった重要な作品が生み 出された。


ピアノ五重奏曲は、シューマンのもっともよく知られた室内楽曲のひとつで、情熱的なピアノと弦楽四重奏が丁々 発止と渡り合う名曲。伝統的な 4 楽章構成を採用しており、第 1 楽章はソナタ形式による英雄的な第 1 主題と優雅で
叙情的な第 2 主題の対比が特徴的。第 2 楽章は葬送行進曲風、第 3 楽章はトッカータ風の情動的なピアノに先導されたスケルツォ、そして第 4 楽章は第 1 主題と第 1 楽章の主要主題を用いた二重フーガによって締めくくられる。

ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲

ピアノ五重奏という形態は、ボヘミア出身のフンメル(1778–1837)あたりに端を発し、ロマン主義時代にウィーンから ドイツへ伝わり、シューマン、ブラームスを経てフランスやロシアに広がったとされる。


ショスタコーヴィチは 1940 年にピアノ五重奏曲を作曲しており、翌年には「スターリン賞」を受けている(この事実か ら「社会主義リアリズム」を体現した作品として語られることが多かったが、当然、本作はそういった範疇に組み込まれ るほど単純なものではない)。全 5 楽章からなり、バッハ風のプレリュードの第 1 楽章と民謡を取り入れた第 2 楽章の
フーガは、悲劇的でもあり風刺的でもある。第 3 楽章スケルツォから間奏曲の第 4 楽章、そして第 5 楽章フィナーレへ と至る後半部では、古典的均衡と(表面的には親しみやすい)楽想に込められたショスタコーヴィチのアンビバレント な想いが展開される。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:ロシア連邦大使館

※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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