東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-
ボロディン弦楽四重奏団
~結成70周年記念:ロシア音楽の潮流を聴く
結成70年を迎え、カルテット史上類をみない長い歴史を有するロシアの超名門カルテット。数々の名曲の初演を行い、彼らなしには語れないとまで言わしめたショスタコーヴィチの作品や、チャイコフス キーの美しい旋律。ロシア音楽の決定版をお楽しみください。
プログラム詳細
2015:04:03:19:00:00
2015.4.3 [金] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール
■出演
ボロディン弦楽四重奏団
第1ヴァイオリン:ルーベン・アハロニアン
第2ヴァイオリン:セルゲイ・ロモフスキー
ヴィオラ:イゴール・ナイディン
チェロ:ウラディーミル・バルシン
■曲目
ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 op.110

チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 op.11

[アンコール]
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏のための2つの小品 より 1.エレジー
ボロディン:スペイン風セレナード
【試聴について】

プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
~関連ニュース~
出演者
ボロディン弦楽四重奏団 Borodin Quartet 65年以上にもわたって、ボロディン弦楽四重奏団は室内楽の分野において、その見識と権威を讃えられてきた。ベートーヴェンとショスタコーヴィチの完璧なまでの演奏が多くの賞賛を集めているが、同様に彼らはモーツァルトからストラヴィンスキーまで、幅広い音楽に精通している。ボロディン弦楽四重奏団のロシア音楽への親近感は、
ボロディン:弦楽四重奏曲 第 2 番
「ロシア 5 人組」の一人に数えられるボロディンは、2 曲の弦楽四重奏曲を残した。力強く豊かな和声が素材に独特 の動きを与え、そこから流れるようなメロディを紡いでいくところにボロディン作品の魅力があるが、本作にもそれがよく 現れている。
アレグロ・モデラートの第 1 楽章は、チェロと第 1 ヴァイオリンの柔らかな対話を他の声部がしっかり支える。第 2 楽章のスケルツォでは、アレグロの主題とロシア風ワルツが交互に現れる。「夜想曲」として有名な第 3 楽章は、単独で演奏されることも多い名曲。ソナタ形式とも 3 部形式の変奏曲ともとれる独特の形式を持つ。第 4 楽章は、導入部の 2 つの断片的な動機が主要主題に発展・展開していき、弁証法的なソナタ形式とは一線を画している。
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第 8 番
ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は「作曲家の自画像」と言われることもある。彼は生涯に 15 曲の弦楽四重奏曲を残したが、その全てが 1936 年の「プラウダ批判」以降に作曲されたことからも、その内実がうかがい知れる。
1960 年に書かれた第 8 番は、発表時に「ファシズムの摘発」というタイトルが付けられたが、これは共産党当局の目 を逸らすための方便で、ショスタコーヴィチの真意は圧政によるアイデンティティ・クライシスを表明した悲痛な叫びで あった。楽曲構成は 5 楽章制で、全曲にわたって D/S(Es)/C/H(レ-ミ♭-ド-シ)の“ショスタコーヴィチ音型”が循環 主題のように現れる。また、自作の交響曲第 1 番、第 5 番、第 8 番、歌劇《マクベス夫人》、ユダヤ人の哀歌などを連 想させる引用・暗示もちりばめられている。
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第 1 番
「アンダンテ・カンタービレ」の名称で親しまれている本作は、1871 年 3 月、チャイコフスキーが初めて催した自作演 奏会で初演された。ロシア民謡の旋律を自身の楽想と調和させることに長けていたチャイコフスキーは、第 2 楽章の「アンダンテ・カンタービレ」でも、「ヴァーニャは長椅子に座り」というウクライナ民謡を巧に用いて、独特の叙情性を生 み出している。そして、チャイコフスキーの横でこの楽章を聴いた文豪トルストイが涙したという有名なエピソードも残さ れている。8 分の 9 拍子という変則的なリズムを持つ第 1 楽章の第 1 主題も、どこかロシア正教の聖歌を思わせる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:ロシア連邦大使館
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
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