PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

リヒテルに捧ぐⅠ(生誕100年記念)舞踊協奏曲《オーバード》
~リヒテルが愛したプーランク&モーツァルト

プーランク自身により初演された《オーバード(朝の歌)》は、彼が抱えた愛や葛藤を表現した作品。
晩年のリヒテルはこの曲の再演を切望したが叶わず、長年リヒテルと共演を重ねてきたベルリンスカヤが
その想いを受継ぎ、今、甦らせます。

プログラム詳細

2015:03:21:16:00:00

■日時・会場
2015.3.21 [土・祝] 16:00開演(15:30開場)
東京藝術大学奏楽堂(大学構内)

■出演
指揮:ヴァハン・マルディロシアン
ピアノ:リュドミラ・ベルリンスカヤ
管弦楽:トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ
振付:ドミトリー・アンティポフ
舞踊:ドミトリー・アンティポフ、ヤロスラヴァ・ナグマノヴァ

■曲目
モーツァルト:
 ディヴェルティメント ニ長調 K.136 speaker.gif[試聴]
 ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453 speaker.gif[試聴]
 交響曲 第31番 ニ長調 K.297 「パリ」
プーランク:
 ピアノと18の楽器のための舞踊協奏曲 《オーバード》 speaker.gif[試聴]

※当初、出演が予定されておりましたアルチュール・アンセルは、怪我のため出演できなくなりました。それに伴い、曲目の一部が変更となりました。

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。



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出演者

指揮者:ヴァハン・マルディロシアン Conductor:Vahan Mardirossian アルメニアのエレヴァンに生まれる。1993年にパリ音楽院に入学しジャック・ルヴィエに学ぶ。ピアノと室内楽で優秀な成績を修めて首席で卒業し、ほどなくフランスを始めヨーロッパ各国、アメリカ、カナダ、ロシア、日本をはじめアジア各国でリサイタル活動を行うようになる。また、室内楽の演奏にも熱心に取り組んでおり、▼続きを見るイヴリー・ギトリス、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、ルノー&ゴルティエのカプソン兄弟、ハンナ・チャン等世界的に活躍する演奏家と共演を重ねてきた。特にギトリスには「最高のパートナー」と認められて世界各国のリサイタルで共演を行っている。加えて、フランス国立管弦楽団、アルメニア・フィルを始め各国のオーケストラに定期的に客演し、いずれも成功を収めている。
現代音楽にも造詣が深く、特に作曲家エリック・タンギーより彼のピアノ・ソナタ第2番の献呈を受けた。2001年のパリでの初演に際してル・モンド紙が「驚くべきピアニスト!」の見出しで半ページを割いてマルディロシアンを称賛した。
2006年にニューヨークの指揮者セミナーに招かれクルト・マズアに学んで以来、指揮者としても非凡な才能を発揮。フランス国立管弦楽団等に客演を果たし好評を得た。以降、定期的にアルメニア交響楽団、プラハ・フィルハーモニー管弦楽団、アマルガム・オーケストラ(ストラスブールフィル、南西ドイツ響、バーデンバーデン響、フライブルク響の選抜メンバーによるオーケストラ)、チェコ・チェンバー・ソロイスツ、レバノンフィルハーモニー管弦楽団、フランス国内、ドゥエー、カンヌ、トゥールーズのオペラ劇場のオーケストラ、ノボシビルスクの室内管弦楽団、などへの出演がある。2010年よりフランスのカーン管弦楽団の首席指揮者を務めている。
ピアノと指揮を両方務める「弾きぶり」も得意とし、首席指揮者を務めるカーンのオーケストラとの共演による、グリーグのピアノコンチェルトは、話題となった。モーツァルトやベートーヴェンはもちろんのこと、近現代ではショスタコービッチの協奏曲までレパートリーとしている。
また、2014年には東京フィルハーモニー交響楽団に客演し、日本のオーケストラにデビュー。
2015年には日本フィルハーモニー交響楽団とNHK交響楽団への客演が予定されている。

©JL-Bongrand
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指揮者:ヴァハン・マルディロシアン Conductor:Vahan Mardirossian

ピアノ:リュドミラ・ベルリンスカヤ Piano:Ludmila Berlinskaia 「ロシアが誇る芸術家」モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団のソリストであり、数々の国際コンクール優勝を始め、パリのシャンゼリゼ劇場、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ウィグモア・ホール、ロンドンのバービカン・ホールやロイヤル・アルバート・ホール、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場、ブリュッセルの王立アカデミー、▼続きを見るマドリードのナショナル・オーディトリアム、香港シティ・ホール、サンクトペテルブルク・フィルハーモニア、故郷であるモスクワの主要ホール等、世界中の舞台で活躍している。またラ・ロック・ダンテロン、コルマール、オーヴェル=シュル=オワーズ、エクス=アン=プロヴァンス、エヴィアン、クフモ、エディンバラ、オールドバラ、オルランド、スタヴァンゲル、ポルトグルアーロ等の音楽祭に招聘演奏家として出演している。高い人気を誇る演奏家であり、ロストロポーヴィチ、ユーリ・バシュメット、ヴィクトル・トレチャコフ、アレクサンドル・クニャーゼフ、ポール・メイエ、ジェラール・コセ、イヴリー・ギトリス、ゴーティエ・カプソン、ジャン=ジャック・カントロフ、アラン・ムニエ、フランソワ=ルネ・デュシャーブルといったソリストとも共演。その他、ボロディン弦楽四重奏団、オルランド四重奏団、ファイン・アーツ四重奏団、アルデオ四重奏団、ダネル四重奏団、サンクトペテルブルク弦楽四重奏団等とも共演している。
チェロ奏者でボロディン弦楽四重奏団創設者のヴァレンチン・ベルリンスキーを父親に持ち、ソビエト連邦の芸術的に優れた家庭で育ち、グネーシン音楽大学とモスクワ音楽院で学んだ。彼女はとりわけ偉大な演奏家たちに囲まれたその特殊な環境を楽しみ、幼少期からショスタコーヴィチの音楽に感銘を受けて、現在ではショスタコーヴィチの演奏の第一人者として知られている。演奏機会の少ない曲や、未出版曲も含め、ショスタコーヴィチのピアノ室内楽を世界中で演奏している。加えて彼女は、スヴャトスラフ・リヒテルの親密なサークルの輪に加わる幸運に恵まれ、リヒテルと共演する特権を得たり、リヒテル自身のプロデュースによるベンジャミン・ブリテン《ねじの回転》に代理出演する等、リヒテルの音楽に対する姿勢から芸術的な自由を学ぶ機会を得たのだった。
ヴァージン・クラシックス、メロディア、サフィール・プロダクションズより、ラフマニノフ、グリンカ、シュニトケ、メンデルスゾーン、ヤナーチェク、シュトラウス、プロコフィエフ、チャイコフスキーの曲を含む、いくつかのアルバムを出している。 アルチュール・アンセルとピアノ・デュオを結成しており、最初の録音であるチャイコフスキー集は大きな反響を呼び、ヨーロッパとロシアの主だった音楽祭やコンサートホールで演奏し、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団とも協奏曲を演奏した。セカンド・アルバムは2014年に発売されたが、これは有名レーベルのメロディアによるソビエト連邦崩壊後初の単独プロデュースであり、プロコフィエフのバレエ音楽より「2台ピアノのための組曲集」が収録されている。
異なる芸術分野との共演にも情熱を注いでおり、ベルリンスキー財団を設立し、芸術的な遺産の保護、忘れ去られた作品の再評価、演奏家同士の交流の推奨を行っている。また、いくつかの音楽祭を主催しており、その一つである「パリの音楽の春」では数年に渡って街の音楽祭で主要な役割を務めている。現在、新しい音楽祭である「ラ・クレ・デ・ポルト(門の鍵)」の芸術監督に就任し、ロワール渓谷の魅力を最大限に引き出している。

©CharlotteDefarges
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ピアノ:リュドミラ・ベルリンスカヤ Piano:Ludmila Berlinskaia

トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ Tokyo Mozart Players 指揮者 沼尻竜典の呼びかけにより1995年に結成された「トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ(以下TMP)」は三鷹芸術文化センターを拠点として、モーツァルトをはじめ室内楽オーケストラの楽しみを多種多様なプログラムでこれまでに紹介し聴衆から高い評価を得てきた。
メンバーは国内外で活躍している演奏家で編成され、▼続きを見る内外のコンクール(マリアカナルス国際コンクール、パオロ・ボルチアーニコンクール、日本音楽コンクール、東京国際コンクール他)でも優秀な成績を収め受賞の他にも特別賞やアサヒビール賞などを獲得しているメンバーが多く在籍。またNHK交響楽団をはじめ国内外オーケストラからの演奏家や、次世代を担う若手音楽家が多く参加しているのが特徴である。完成度の高いアンサンブルを目指し音楽をプロデュースしており、これまでに元ベルリンフィルの安永徹氏やウィーンフィルのライナー・キュッヒル氏、ウェルナー・ヒンク氏、チェリストのスティーヴン・イッサーリス氏などの著名な音楽家との共演を通して優れた演奏を提供している。
これに伴い、レコーディングの発表では各方面から絶賛され、1999年にベートーヴェン;序曲「コリオラン」同;交響曲第6番「田園」を発表後、ベートーヴェン;交響曲第2番、同;第5番「運命」、交響曲第1番 同;交響曲第3番「英雄」を発表。また、2002年にはベートーヴェン;交響曲第7番、第8番、第9番「合唱付き」のレコーディングを終了(2003年11月に発売)。なお、2010年11月にはベートーヴェン;交響曲第4番のレコーディングを行い、沼尻竜典&TMPの「ベートーヴェン交響曲」が全集として完結し、この秋エクストンレーベルより発売された。
他にも、沼尻竜典のピアノ弾き振りによるモーツァルトのピアノ協奏曲全曲演奏や首席奏者による協奏曲シリーズなど積極的に展開している。
また、三鷹を本拠地とした活動の一つとして2001年7月よりみたかジュニア・オーケストラの指導にあたっているTMPは、将来の音楽家の育成およびTMPの理念とした音楽の楽しさを現場の中でプロの音楽家とのコミュニケーションを図り双方の刺激を与ながら、最善のプログラムを形成し活動をサポートしている。またこの活動を基に、三鷹でのTMP公演の前に「プレ・コンサート」と題し、風のホールにて練習の成果を発表しており関係者をはじめ聴衆の方々にも大変好評を得ている。
TMPは演奏を通して音楽の楽しさと豊かさを聴衆に与えると同時に、質の高い音楽作りをプライオリティとして、グローバルな活動を通して三鷹市より世界へ発進する事を目的とし活動をしている。

©鈴木千尋
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トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ Tokyo Mozart Players

振付・舞踊:ドミトリー・アンティポフ Choreography・Dance:Dmitry Antipov ボリショイ・バレエ・アカデミーで振付を学び、在学中から様々なコンクールで賞に輝く。母校で振付師として活躍する他、国際フォーラム「21世紀のバレエ」等に参加。2014年からクラスノヤルスク・オペラ・バレエ劇場のリーディング・ソリストを務めている。

振付・舞踊:ドミトリー・アンティポフ Choreography・Dance:Dmitry Antipov

舞踊:ヤロスラヴァ・ナグマノヴァ Dance:Yaroslava Nagumanova ロシアのクラスノヤルスク・オペラ・バレエ劇場に所属し、2010~14年、同劇場の英国ツアーに参加。またウラジーミル・ワシーリエフのクリエイティヴ・ワークショップ「現代コレオグラフィーの夕べ」プロジェクトにも参加した。

舞踊:ヤロスラヴァ・ナグマノヴァ Dance:Yaroslava Nagumanova

■曲目解説

モーツァルトの作品

《ディヴェルティメントK.136》は、モーツァルトが16歳のときに作曲した3曲のディヴェルティメントの一つだが、モーツァルト自身は「ディヴェルティメント」と明記していない。メヌエットを欠いた3楽章構成であることや、「気晴らし」というには和声的にも構成的にも充実しているので、別の意図を持って作曲されたとも考えられる。通常は弦楽四重奏で演奏されるが、弦楽合奏で演奏されることもある。


《ピアノ協奏曲第17番》は、1784年にウィーンで作曲された14番から19番までのピアノ協奏曲のなかの一曲。弟子のバルバラ・プロイヤーのために作られたとされ、技巧的に簡素であるにもかかわらず、ソロ・ピアノに対する木管楽器のオブリガート的用法など、モーツァルト円熟期のスタイルを聴くことができる。メシアンがこの作品を愛し、特に第2楽章に最大級の賛辞を送っている。


モーツァルトは生涯にわたり交響曲の創作を続けたが、1774〜78年にかけての約4年間は、交響曲から遠ざかっていた。1777年、母マリア・アンナとともにザルツブルクを発ったモーツァルトは、ミュンヘン、アウクスブルク、マンハイムなどを経て、翌年3月、パリに到着。そして同地でコンセール・スピリチュエルの支配人ジャン・ル・グロの依頼を受け、5〜6月に作曲されたのが、交響曲第31番《パリ》である。求職中であったモーツァルトは、久々の交響曲を入念に仕上げ、父レオポルトへの手紙のなかで「アレグロの真ん中に必ず受けると思っていたパッサージュがあり、予想通り聴衆は熱狂した」と演奏会の成功を伝えている(しかし、それがどこを指すのかについては、諸説あって特定されていない)。初演は6月18日に行なわれたが、その直後の7月3日、モーツァルトは最愛の母を失っている。

プーランク:ピアノと18の楽器のための舞踊協奏曲《オーバード》

「フランス6人組」の一人であるプーランクは、明快な古典的構成、軽快で発想力に秀でた旋律と和声、ユーモアとアイロニーに富んだ作風などを兼ね備えた、20世紀パリのエスプリを象徴する作曲家として知られる。


ピアノと18の楽器のための舞踊協奏曲《オーバード》は、古代の神話を翻案した、舞踊付きのピアノと18人の小管弦楽のための作品で、1929年にパトロンであったノアイユ伯のプライヴェート演奏会のために作曲された(振付はヴァーツラフ・ニジンスキーの妹ブロニスラヴァ・ニジンスカが担当)。物語は処女神ディアーヌが、自らが定めた掟により恋もできず、薄明のたびに悲嘆な思いを嘆くという神話風の夢幻劇で、途切れることなく演奏される10の小曲から成る。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:ロシア連邦大使館

※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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