PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2018-

東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.5ロッシーニ 《スターバト・マーテル》 (没後150年記念)
~聖母マリアの七つの悲しみ

16世紀から21世紀まで幾多の作曲家たちが取り組んだ〈スターバト・マーテル〉。没後150年を迎えるロッシーニが生んだ傑作を、2017年のガラ・コンサートで話題となった女流シェフ・スカップッチの味付けでお楽しみください。

プログラム詳細

2018:04:15:15:00:00

■日時・会場
2018.4.15 [日]15:00開演(14:00開場)
東京文化会館 大ホール

■出演
指揮:スペランツァ・スカップッチ
ソプラノ:エヴァ・メイ
メゾ・ソプラノ:マリアンナ・ピッツォラート
テノール:マルコ・チャポーニ
バス:イルダール・アブドラザコフ
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:マティアス・ブラウアー宮松重紀

■曲目
モーツァルト:交響曲 第25番 ト短調 K.183 [試聴]
 I. Allegro con brio
 II. Andante
 III. Menuetto
 IV. Allegro
ロッシーニ:スターバト・マーテル [試聴]
 第1曲 「悲しみの御母は立ちつくし」(導入唱)
 第2曲 「嘆きのその御魂は」(アリア)
 第3曲 「涙を流さぬ者などいるだろうか」(二重唱)
 第4曲 「人々の罪のため」 (アリア)
 第5曲 「ああ御母よ、愛の泉よ」(合唱とレチタティーヴォ)
 第6曲 「聖母よ、願わくは」(四重唱)
 第7曲 「キリストの死を負わせてください」 (カヴァティーナ)
 第8曲 「業火と火炎の中で」(アリアと合唱)
 第9曲 「身体が朽ちるときも」(四重唱)
 第10曲 「アーメン」(終曲)

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~春祭ジャーナル~


チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 B席 C席 D席 E席 U-25
料金 ¥13,900 ¥10,800 ¥8,700 ¥6,700 ¥4,600 ¥3,600 ¥2,100

 ■発売日
  先行発売:2017年11月12日(日)10:00  2017:11:12:10:00:00:2017:11:23:23:59:59
  (先行対象の席種:S席 A席 B席)

  ※ 先行発売はお電話では11月22日(水)18:00まで、インターネットでは11月23日(木・祝)23:59までの受付となっております。


  一般発売:2017年11月26日(日)10:00
  ※ U-25チケットは、2018年2月9日(金)12:00発売開始
   (公式サイトのみでの取扱い)

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■曲目解説

モーツァルト:交響曲 第25番

モーツァルトが残した41の交響曲のうち、短調の作品はこの第25番と晩年の第40番の2曲のみで、いずれも調性はト短調である。響きは暗いがダイナミックな効果を生み、心理的には急きたてられるような印象をもたらすとされる「ト短調」が、これら2つの交響曲の性格、ひいては不世出の天才作曲家の生き様を描出していることは否定できないだろう。

交響曲第25番は、モーツァルト17歳の1773年に行なわれた第3回ウィーン旅行からザルツブルクに戻った直後に作曲された。ウィーン滞在は2ヵ月足らずだったが、青年期に入ったモーツァルトがその経験から得たものは大きく、それ以前の交響曲の様式から完全に脱却して、新たな境地に到達している。当時のウィーンは、古典主義や啓蒙主義への反動から勃興した「シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)」の影響下にあった。交響曲の分野ではハイドンの中期作品群がその名で呼ばれているが、この第25番に見られる激しい感情の表出なども、まさに「シュトゥルム・ウント・ドラング」の音楽そのものと言えよう。そして、ここで獲得された表現の深さや振れ幅が、のちのウィーン時代に生み出される数々の傑作に結実していくのである。

曲は、鋭いシンコペーションのリズムと、厳しく対立するト短調および変ロ長調の主題が特徴的な第1楽章、それと対照をなすように穏やかな変ホ長調の緩徐楽章、第1楽章とも関連性の深いト短調のメヌエット楽章、そして(三度目の!)ト短調を用いたソナタ形式のアレグロ楽章からなる。

ロッシーニ:スターバト・マーテル

19世紀前半のヨーロッパを熱狂させた作曲家ジョアキーノ・ロッシーニは、20年の活動期間に39のオペラを作曲し、富と名声の絶頂にあった1829年に書き上げた《ギヨーム・テル(ウィリアム・テル)》を最後にオペラ創作の筆を折った。37歳のときである。その後も室内楽や宗教音楽の分野にいくつか作品を残したが、1836年には音楽界から去り、ボローニャでの引退生活に入った。

《スターバト・マーテル》は《ギヨーム・テル》の完成から2年後の1831年、マドリードの司祭フランシスコ・フェルナンデス・バレーラから作曲を依頼されたもので、当初は乗り気でなかったが、2つの条件をつけて引き受けることにした。その条件とは「初演は非公開で一度限り」「楽譜は公開しない」というものであった。

精神的にも身体的にも万全でなかったロッシーニの創作は途中で完全に止まり、結局、全体のほぼ半分をジョヴァンニ・タドリーニに委ねることで、なんとか曲を完成させた。これが「第1稿」と呼ばれるもので、約束の条件通り、1833年にマドリードの礼拝堂で非公開のうちに初演された。しかしその後、バレーラが死去すると門外不出だったはずの楽譜がパリの楽譜出版社の手に渡ったため、ロッシーニは楽譜出版差し止めの訴訟を起こすと同時に、タドリーニが作曲した部分を新たに書き直し、全てを自分の作品として仕上げた。今日《スターバト・マーテル》と呼ばれるのはこの「第2稿」を指し、本日演奏されるのもこちらのバージョンである。

第2稿は1842年1月にパリで初演され、「ハイドン《天地創造》のパリ初演以降、もっとも厳かで壮大、かつ美しい宗教音楽」と絶賛され、同じ年のうちにヨーロッパ各地で演奏された。その一方で「あまりに官能的で世俗的」という批判も浴びたが、今ではペルゴレージやドヴォルザークの《スターバト・マーテル》と並ぶ高い評価を得ている。

《スターバト・マーテル》とは、磔にされたイエスのもとに佇む聖母マリアの胸中を歌った聖歌の一つで、現在伝えられている歌詞は13世紀にイタリアのフランシスコ会の修道士で宗教詩人のヤコポーネ・ダ・トーディ(Jacopone da Todi)によってまとめられたとされている。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 協力:日本ロッシーニ協会


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2018/04/09更新)

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