PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.4シューベルト 《ミサ曲》
~夭折の作曲家による、最後のミサ曲

31歳――早すぎる死を迎えたシューベルト、その短い生涯を閉じる年に完成した最後のミサ曲は、次世代につなぐ希望の賛歌にも聴こえます。ドイツ音楽の正統な継承者、シルマーと都響で贈る、必聴のオール・シューベルトプログラムです。

プログラム詳細

2017:04:09:15:00:00

■日時・会場
2017.4.9 [日] 15:00開演(14:00開場)
東京文化会館 大ホール

■出演
指揮:ウルフ・シルマー
ソプラノ:オレナ・トカール
メゾ・ソプラノ:ウォリス・ジュンタ
テノール:パトリック・フォーゲル
バリトン:ペーター・シェーネ
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:マティアス・ブラウアー宮松重紀

■曲目
シューベルト:水上の精霊の歌 D714 [試聴]
シューベルト(ウェーベルン編):《6つのドイツ舞曲》 D820 [試聴]
シューベルト:ミサ曲 第6番 変ホ長調 D950 [試聴]

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。



~春祭ジャーナル~


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 B席 C席 D席 E席 U-25
料金 ¥10,800 ¥8,700 ¥6,700 ¥5,700 ¥4,600 ¥3,600 ¥2,000

 ■発売日
  一般発売:2016年11月27日(日)10:00
  ※ U-25チケットは、2017年2月10日(金)12:00発売開始
   (公式サイトのみでの取扱い)

■曲目解説

シューベルト:水上の精霊の歌

この作品は、シューベルトが19歳の1816年、バリトン独唱とピアノ伴奏用の歌曲として作曲されたのち、男声四重唱用に編曲され、1821年には男声八重唱と弦楽五重奏という特徴的な形態の合唱曲としてまとめられた。そして今日では、弦楽合奏付きの男声合唱曲としてもしばしば演奏される。今回は32人の男声合唱(テノール:16、バス:16)と弦楽合奏(ヴィオラ:4、チェロ:4、コントラバス:2)という編成でお届けする。

 詞は、ゲーテが1779年にスイスを旅した際、感銘を受けた渓流と滝の印象を謳ったもので、「人の魂は水に比せられる」で始まり、人間の精神を、天から降りて再び天に還る水の変容に喩えている。シューベルトは、ダイナミックな滝の動きや水の流れ、星空を映す水面や風の動きといったゲーテの詩的形象に寄り添いながらも、厳粛さと広がりを損なうことなく、見事に音楽的表現を獲得している。

シューベルト (ウェーベルン編):6つのドイツ舞曲

シューベルトがハンガリーの大貴族エステルハージ家の2人の令嬢に音楽とピアノを教えるために滞在していたジェリス(現スロヴァキア)において、教育用に作曲されたピアノ曲のひとつで、1824年の作品。もともとは荒々しい民族舞踏だったドイツ舞曲も、18世紀末以降の市民階級の勃興とともに、優美で穏やかな曲想の舞曲に変わっていったが、本曲も当時の貴族階級の趣味を反映して、優雅さをもった小品に仕上げられている。長いあいだエステルハージ家に保管されていたため、一般には知られていなかったが、1928年のシューベルト没後100年記念の流れのなかで、1930年にピアノ譜が出版され、管弦楽版への編曲が新ウィーン楽派の泰斗アントン・ウェーベルンに依頼された。ウェーベルンは1931年にこの作品を編曲した際、6つの独立した小品をひと続きのロンド形式の作品のように再編成し直し、それぞれの舞曲を対比させることで、曲想やリズムの違いを際立たせ、新しい音楽としてよみがえらせた。

シューベルト:ミサ曲 第6番

宮廷礼拝堂の合唱団員として音楽の道に入ったシューベルトにとって、宗教曲は生涯にわたって重要な作品ジャンルであり続け、17歳だった1814年に最初のミサ曲ヘ長調を作曲してから、その短い生涯に計6曲のミサ曲を残した。

この第6番は、ウィーンのアルザーグルント教会の合唱長ミヒャエル・ライターマイヤーの依頼により1828年6月に着手され、同年夏に完成した。初演はシューベルトの死の翌年の10月4日、アルザーグルント教会にてシューベルトの兄で作曲家のフェルディナントの指揮により行なわれた。

全体の構成は「第1曲:キリエ/第2曲:グロリア/第3曲:クレド/第4曲:サンクトゥス/第5曲:ベネディクトゥス/第6曲:アニュス・デイ」という通常文に付曲したかたちをとっているが、シューベルトのミサ曲に共通する特徴として、通常のミサ曲では禁じ手とされる典礼文の削除や頻繁な反復が行なわれている点が挙げられる。なかでも「第3曲:クレド」では、三位一体を奉ずるカトリック信仰において重要な信仰告白である「一にして、聖なる、公の、使徒継承の教会を信ず」という言葉が省かれており、これはカトリックの教義に対するシューベルトの態度を表すものと解されている。しかしながら、音楽自体は荘厳かつ宗教的な雰囲気にあふれ、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンらの遺産を継承しながらも、和声の展開や歌唱の清新さにはシューベルトの独創性が遺憾なく発揮されており、後世のブルックナーのミサ曲などにも大きな影響を及ぼした。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/04/05更新)

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