PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-

ポリーニ・プロジェクトベリオ、ブーレーズ、ベートーヴェン
~ポリーニ・プロデュースによる室内楽 第二夜ピエール・ブーレーズ 追悼公演

音楽史上最大の開拓者(パイオニア)であるベートーヴェンと、現代の作曲家たちを組み合わせることで、300年以上の時を超え共通する試みを体現してきたピアニスト、ポリーニがプロデュースする最高峰で最先端の室内楽。爆発的なヴィルトゥオーゾと評判が高いジャック弦楽四重奏団と、セクエンツァに欠くことのできない超一級奏者たちがここに揃います。

プログラム詳細

2016:04:15:19:00:00

■日時・会場
2016.4.15 [金] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール

プレトーク:ブーレーズに寄せて

第一夜、第二夜とも、18:40より、船山隆氏(音楽学者)によるプレトーク「ブーレーズに寄せて」を行います。

※ 当日の本公演のチケット(お求めの公演日)をお持ちの方はどなたでもご参加いただけます(ご予約不要)。


■出演
ジャック四重奏団
 ヴァイオリン:クリストファー・オットー、アリ・ストレイスフェルド
 ヴィオラ:ジョン・ピックフォード・リチャーズ
 チェロ:ケビン・マクファーランド
オーボエ:古部賢一
クラリネット:アラン・ダミアン
ファゴット:パスカル・ガロワ

■曲目
ベリオ:
 セクエンツァ
  VII.(オーボエのための) [試聴]
  IX.(クラリネットのための) [試聴]
  XII.(ファゴットのための) [試聴]
ブーレーズ:《弦楽四重奏のための書》 より
 V. Lent, mais mobil
 VI. Modéré
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 op.135 [試聴]

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~ポリーニ・プロジェクト~

~春祭ジャーナル~


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 U-25 2公演セット券(S席相当)
4/14 19:00 第一夜
4/15 19:00 第二夜
料金 ¥5,200 ¥4,100 ¥1,500 ¥9,300
残席状況 本公演は終了いたしました。

 ■一般発売日
 2015年11月23日(月・祝)10:00
 ※ U-25チケットは、2016年2月12日(金)12:00発売開始
  (公式サイトのみで取扱)

■曲目解説

ベリオ:《セクエンツァ》 より

《セクエンツァ》は、ベリオが1950年代から実に半世紀にわたって書き継いだ器楽(1曲のみ声楽)の独奏曲群である。作曲者ベリオの死により完結には至らなかったが、様々な楽器を網羅した全14曲に及ぶ作品は、ライフワークとさえ言えるだろう。

「VII.オーボエのための」(1969)は、スイスのオーボエ奏者ハインツ・ホリガーのために作曲された。《セクエンツァ》のなかでもユニークな性格を持っており、背景で持続するB音が奏され、その周りをオーボエならではの身軽さによって、半音階の音域を様々に探求していく。「IX.クラリネットのための」(1980)は、教育者としても高名なフランスのクラリネット奏者ミシェル・アリニョンに捧げられた。2つのピッチ領域における不断の交換・変形が展開される。「XII.ファゴットのための」(1995)は、アンサンブル・アンテルコンタンポランの一員でもあるフランスのファゴット奏者パスカル・ガロワのために書かれた。ファゴットという楽器の持つ対照的な音域における音色の個性が最大限に生かされている。

ブーレーズ:《弦楽四重奏のための書》 より

本作の構想に着手したのは1948年。まず55年秋にⅠaⅠbがドナウエッシンゲンの現代音楽祭で初演され、その際、マラルメの「書物」の概念「この世におけるすべては、一冊の書物に至るために造られてある」に由来するタイトルがつけられた。そして60年にⅣを除く全楽章のスコアが出版された(Ⅳは作曲者によって演奏不可能と判断されたのか、発表されていない)。その後、が61年に、ⅢaⅢbⅢcが62年に、いずれもダルムシュタットにて初演された。メシアンとレイボヴィッツに師事し、ヴェーベルンのセリー形式に影響を受けたブーレーズの出発点をうかがい知ることができる作品である。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番

ベートーヴェンの全弦楽四重奏曲の掉尾を飾る曲で、事実上、最後の作品である。完成したのは1826年10月30日。同年末から病状が悪化し、数度にわたる手術を受けた後、翌年3月27日、楽聖は57年の生涯を閉じた。第12番から始まるベートーヴェンの「後期弦楽四重奏曲群」は、規模も内容も破格のものが続いたが、この第16番に至って、構成が4楽章制に戻り、内容的にも不思議な明るさ・清澄さに満ちた音楽となった。

ソナタ形式の第1楽章では、新しい旋律が次から次へと生まれ、それらが流麗に組み合わされていく。三部形式の第2楽章は、そぎ落とされたように簡潔で、何とも言えない躍動感に溢れている。第3楽章では雰囲気が一変し、まるで辞世の調べのような深い情緒を湛えた旋律が4つの変奏を紡ぐ。第4楽章は再び明るさを取り戻し、ベートーヴェンが人生最期の歌をうたう。そしてコーダにおいて現れるピチカートが無上の解放感を呈して全曲を閉じる。

なお、この楽章の譜面冒頭には「やっとついた決心」という謎の文言が記されており、それぞれの動機には「かくあらねばならないか?」「かくあるべし!」といった文言が付されているが、この真意については諸説あって定かではない。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:KAJIMOTO


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2016/04/14更新)

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