PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-

ポリーニ・プロジェクトベリオ、ブーレーズ、ベートーヴェン
~ポリーニ・プロデュースによる室内楽 第一夜ピエール・ブーレーズ 追悼公演

音楽史上最大の開拓者(パイオニア)であるベートーヴェンと、現代の作曲家たちを組み合わせることで、300年以上の時を超え共通する試みを体現してきたピアニスト、ポリーニがプロデュースする最高峰で最先端の室内楽。爆発的なヴィルトゥオーゾと評判が高いジャック弦楽四重奏団と、セクエンツァに欠くことのできない超一級奏者たちがここに揃います。

プログラム詳細

2016:04:14:19:00:00

■日時・会場
2016.4.14 [木] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール

プレトーク:ブーレーズに寄せて

第一夜、第二夜とも、18:40より、船山隆氏(音楽学者)によるプレトーク「ブーレーズに寄せて」を行います。

※ 当日の本公演のチケット(お求めの公演日)をお持ちの方はどなたでもご参加いただけます(ご予約不要)。


■出演
ジャック四重奏団
 ヴァイオリン:クリストファー・オットー、アリ・ストレイスフェルド
 ヴィオラ:ジョン・ピックフォード・リチャーズ
 チェロ:ケビン・マクファーランド
ヴィオラ:クリストフ・デジャルダン
フルート:工藤重典
ハープ:篠﨑和子

■曲目
ベリオ:
 セクエンツァ
  Ⅰ.(フルートのための) [試聴]
  Ⅱ.(ハープのための) [試聴]
  Ⅵ.(ヴィオラのための) [試聴]
ブーレーズ:《弦楽四重奏のための書》 より
 I. a. Vivo - b. Moderato
 II. Assez vif
 III. a. Assez large - b. Assez vif - très mobile - c. Lent, furtif
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 op.74 《ハープ》 [試聴]

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~ポリーニ・プロジェクト~

~春祭ジャーナル~


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 U-25 2公演セット券(S席相当)
4/14 19:00 第一夜
4/15 19:00 第二夜
料金 ¥5,200 ¥4,100 ¥1,500 ¥9,300
残席状況 本公演は終了いたしました。

 ■一般発売日
 2015年11月23日(月・祝)10:00
 ※ U-25チケットは、2016年2月12日(金)12:00発売開始
  (公式サイトのみで取扱)

■曲目解説

ベリオ:《セクエンツァ》 より

《セクエンツァ》は、ベリオが1950年代から実に半世紀にわたって書き継いだ器楽(1曲のみ声楽)の独奏曲群である。作曲者ベリオの死により完結には至らなかったが、様々な楽器を網羅した全14曲に及ぶ作品は、ライフワークとさえ言えるだろう。

「Ⅰ.フルートのための」(1958)は、ジャズ奏者エリック・ドルフィーの師でもあったイタリアのフルート奏者セヴェリーノ・ガッゼローニのために書かれた作品で、新しい記譜法による「不確定性」(作曲者の指定範囲内で演奏者に選択の自由が与えられる)が導入されている。「Ⅱ.ハープのための」(1963)は、フランスの名ハープ奏者フランシス・ピエールのために書かれた。ハープ奏法における従来の枠を取り外し、よりハードで攻撃的なハープのポテンシャルを引き出した作品と言える。「Ⅵ.ヴィオラのための」(1967)は、フランスのヴィオラ奏者セルジュ・コロに捧げられている。作曲者自身も認めている通り、演奏が非常に困難な曲で、基本的な同一の和声進行を展開・変形させていく。

ブーレーズ:《弦楽四重奏のための書》 より

本作の構想に着手したのは1948年。まず55年秋にⅠaⅠbがドナウエッシンゲンの現代音楽祭で初演され、その際、マラルメの「書物」の概念「この世におけるすべては、一冊の書物に至るために造られてある」に由来するタイトルがつけられた。そして60年にⅣを除く全楽章のスコアが出版された(Ⅳは作曲者によって演奏不可能と判断されたのか、発表されていない)。その後、が61年に、ⅢaⅢbⅢcが62年に、いずれもダルムシュタットにて初演された。メシアンとレイボヴィッツに師事し、ヴェーベルンのセリー形式に影響を受けたブーレーズの出発点をうかがい知ることができる作品である。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第10番 《ハープ》

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲(全16曲)の作曲時期は、初期・中期・後期に三分されるが、第10番は、中期の大作群である「ラズモフスキー四重奏曲」(全3曲)から3年後の1809年に書かれた。この時期は、中期から後期へ向かう過渡期にあたり、ラズモフスキーの激しさや規模の大きさからは少し解放され、伸びやかなロマン的情緒が感じられる作品となっている。

第1楽章はポコ・アダージョの序奏に始まり、やがてアレグロの主部で奏されるピチカートがハープの響きを思わせるところから《ハープ》という愛称がつけられた。第2楽章アダージョ・マ・ノン・トロッポは、後期の傑作群を予告するかのように、穏やかさのなかにも何かしらの蠢動が感じられる。第3楽章プレストは、速いテンポで奏されるスケルツォ的な楽章で、途中で2回現れるスケール感豊かなトリオが非常にユニーク。前楽章から切れ目なく奏される第4楽章は、主題と6つの変奏、コーダからなるが、終楽章が変奏形式となっているのは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のなかでは大変珍しい。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:KAJIMOTO


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2016/04/14更新)

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