PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.7 田崎悦子(ピアノ)

プログラム詳細

Photo:青柳 聡
■日時・会場
2012.3.16 [金] 19:00開演(18:30開場)※ この公演は終了いたしました。
東京国立博物館 平成館ラウンジ

■出演
ピアノ:田崎悦子

■曲目
J.S.バッハ:
 《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》より
  前奏曲とフーガ 第1番 ハ長調 BWV846 speaker.gif[試聴]
 《平均律クラヴィーア曲集 第2巻》より
  前奏曲とフーガ 第20番 イ短調 BWV889 speaker.gif[試聴]
 パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830 speaker.gif[試聴]
 《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》より
  前奏曲とフーガ 第8番 変ホ短調 BWV853 speaker.gif[試聴]
 パルティータ 第4番 ニ長調 BWV828 speaker.gif[試聴]
[アンコール]
J.S.バッハ:
 《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》より
   前奏曲 第22番 変ロ短調 BWV867

~東博でバッハ~
【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

ピアノ:田崎悦子 Piano:Etsko Tazaki 1979年、シカゴ交響楽団音楽監督のゲオルク・ショルティに発掘され、同オーケストラとバルトークのピアノ協奏曲第2番を共演、衝撃的なデビューを飾り、一躍世界の桧舞台に上がる。これまでに、サヴァリッシュ、スラットキン、ブロムシュテット、小澤征爾ら世界一線の指揮者と共演を重ねている。 東京都生まれ。井口秋子に師事し、NHK-毎日新聞共催「全日本学生音楽コンクール」ピアノ部門で優勝し、桐朋学園高校音楽科を卒業。フルブライト奨学金を得て渡米し、ジュリアード音楽院で研鑽を積む。以後30年間、ニューヨーク在住。1970年のブゾーニ国際コンクール、1971年のリスト・バルトーク国際コンクールでそれぞれ上位入賞し、ヨーロッパ楽壇にデビュー。1972年には、カーネギー・ホールでニューヨーク・リサイタルデビューを果たす。
これまでに、シカゴ、デトロイト、セントルイス、ブダペスト、ロッテルダム、スイスロマンド等のオーケストラと共演した他、アメリカ建国200年記念音楽祭では、若きアメリカのホープとして、ケネディセンターでのリサイタルに招かれた。その他、ルツェルン、マルボロ、アスペン、サイトウ・キネン・フェスティバル松本、草津音楽祭等の国際的なフェスティバルに出演。バルトーク・カルテット、ジュリアード弦楽四重奏団等の国際的奏者との室内楽での共演も数多い。
日本においてはNHK交響楽団を始め、東京フィルハーモニー交響楽団、東京都交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団等と共演。10年間にわたって東京文化会館で行なわれた「ドイツロマンをもとめて」のシリーズは絶賛を浴び、97年「三大作曲家の遺言」は文化庁の芸術祭参加作品となった。2001年には「ピアノ・マラソン」と題してバルトーク、ドビュッシー、プロコフィエフの3回リサイタルシリーズを行ない、これまでの概念を打ち破った企画と演奏で絶大な注目を浴びる。2003年には、自伝を音と言葉で綴る「ピアノ・ストーリー」を自身で監督し、リサイタルの新しいスタイルを築き、全国で爆発的な人気を呼ぶ。2006~09年には、3年がかりでバッハから21世紀までを縦断する6回シリーズ「田崎悦子ピアノ大全集」を開催し、大きな反響を呼んだ。八ヶ岳ピアノマスタークラス“Joy of Music”総合音楽監督。桐朋学園大学音楽部特任教授、同大学院特任教授。

公式サイト http://www.etsko.jp/

ピアノ:田崎悦子 Piano:Etsko Tazaki

■曲目解説

J.S.バッハ:
《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》より
 前奏曲とフーガ 第1番 ハ長調 BWV846、前奏曲とフーガ 第8番 変ホ短調 BWV853

膨大なヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)の作品の中でも、《音楽の捧げもの》や、未完となった《フーガの技法》と並んでフーガ作品の最高傑作とされる《平均律クラヴィーア曲集》。すべての調性が「前奏曲」と「フーガ」から構成された、全2巻48曲の大作である。
《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》の第1番は、のちにグノーがメロディを付け《アヴェ・マリア》として再作曲したことでも有名な前奏曲と、4声部のフーガからなる。一方、第8番は厳粛かつ気高い趣の前奏曲と、グレゴリオ聖歌を想起させるモティーフによって展開される3声のフーガによって構成されている。

《平均律クラヴィーア曲集 第2巻》より前奏曲とフーガ 第20番 イ短調 BWV889
前作《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》より20年後の1742年に完成した第2巻では、練習曲的な意味合いの強かった第1巻に比べ、より音楽性を追究した作品となっている。第20番は半音階的な要素により目まぐるしく転調する前奏曲と、激しさを伴う3声のフーガからなり、20年という歳月がバッハにもたらしたものの大きさを感じることができる。

パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830
フローベルガーによって確立された組曲の定型、すなわち「アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ」の4つを基本構成とする楽章配置はバッハにも受け継がれた。加えてフランスやイタリア等、多くの国に由来する様式を持つそれぞれの舞曲は、舞曲本来の性格を失いつつも、パルティータという一つの枠組みの中で、比較的自由に再構築されていく。
第6番の1曲目はトッカータに始まり、後続する楽章には、曲集の最後をしめくくるにふさわしい個性的な内容の曲が並んでいる。特に6曲目テンポ・ディ・ガヴォットから終曲ジーグへと向かう躍動感ある流れは、一つの聴き所でもある。

パルティータ 第4番 ニ長調 BWV828
バッハが作曲したクラヴィーアのためのパルティータは、聖トーマス教会のカントール(教会合唱長)を務めたライプツィヒ時代の作品。1726年から第1番より順次出版されていたが、1731年に至って、第6番までの6曲をまとめて《クラヴィーア練習曲集 作品1》として出版した。全6曲のパルティータに共通するのは、アルマンドに先行する冒頭1曲目に、それぞれスタイルの異なる曲が置かれている点。
第4番の1曲目は典型的なフランス式序曲で始まるが、続くアルマンド、アリア、サラバンド等は明らかにイタリア様式への志向を示しており、全体的にニ長調を反映した明るく喜ばしい雰囲気を持っている。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館

ページの先頭へ戻る