PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

ミュージアム・コンサート 東博でバッハvol.8 ゴルトベルク変奏曲(弦楽五重奏)

プログラム詳細

Photo:青柳 聡
■日時・会場
2012.3.17 [土] 11:00開演(10:30開場) ※本公演には休憩がございません
※ この公演は終了いたしました。
東京国立博物館 平成館ラウンジ

■出演
第1ヴァイオリン:松原勝也
第2ヴァイオリン:小関 郁
ヴィオラ:伊藤 慧
チェロ:窪田 椋
コントラバス:吉田 秀

■曲目
J.S.バッハ(松原勝也編)
 ゴルトベルク変奏曲 ト長調 BWV 988(弦楽五重奏編曲版) speaker.gif[試聴]

~東博でバッハ~
【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および編成が異なります。


出演者

ヴァイオリン:松原勝也 Violin:Katsuya Matsubara 東京藝術大学在学中に安宅賞受賞。ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクール、フリッツ・クライスラー国際コンクール等で上位入賞。1989~99年まで新日本フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターを務める。無伴奏リサイタルシリーズ、即興やジャズミュージシャンとのコラボレーション、現代作品の初演、ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏等、多彩な演奏活動は高い評価を受けている。2001~10年まで第一生命ホールで行われた若い演奏家のための「アドヴェントセミナー」、北九州・響ホールフェスティバル等をプロデュースする。第17回中島健蔵音楽賞、第55回文化庁芸術祭新人賞受賞。静岡AOI・レジデンス・クヮルテットメンバー、霧島国際音楽祭講師、東京藝術大学音楽学部准教授。

ヴァイオリン:松原勝也 Violin:Katsuya Matsubara

ヴァイオリン:小関 郁 Violin:Fumi Koseki 2003年、第13回日本クラシック音楽コンクール全国大会第4位。2009年、東京藝術大学卒業時に同声会賞を受賞。第7回東京音楽コンクール入選。東京フィルハーモニー交響楽団と協演。2004年よりクァルテット・ヴェーネレを結成、リゾナーレ室内楽セミナーにて緑の風奨励賞、ハイドン賞を受賞。「JTが育てるアンサンブルシリーズ」、リゾナーレ高原音楽祭、藝大定期室内楽等に出演。ヴァイオリンを益田吾郎、吉村知子、松原勝也の各氏に、室内楽を岡山潔、山崎伸子、佐々木亮、松本和将、山本裕康の各氏に師事。

ヴァイオリン:小関 郁 Violin:Fumi Koseki

ヴィオラ:伊藤 慧 Viola:Kei Ito 4歳よりヴァイオリンを始め、17歳でヴィオラに転向。これまでにクロード・ルローン、百武由紀、川﨑和憲、川本嘉子の各氏に師事。室内楽を岡山潔、青柳晋、佐々木亮、松原勝也の各氏に師事。JTアートホール「アフタヌーンコンサート」、東京藝術大学奏楽堂「モーニングコンサート」、響ホールフェスティバル2011、リゾナーレ音楽祭、赤穂国際音楽祭等、すでにソリスト、室内楽奏者として演奏会、主要音楽祭等に多く出演している。現在、市坪俊彦氏に師事。東京藝術大学器楽科4年在学中。

ヴィオラ:伊藤 慧 Viola:Kei Ito

チェロ:窪田 椋 Cello:Ryo Kubota 東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、同大学音楽学部器楽科チェロ専攻を経て、同大学院修士課程室内楽科弦楽四重奏専攻を修了。1996年、第2回全日本ビバホールチェロコンクールにて入賞。弦楽四重奏に於いて、いくつかの国際コンクールに於いて上位入賞。弦楽四重奏として2000年より4年間、ウィーンにてヨハネス・マイスル氏(ヴァイオリン)のもとで研鑽を積む。現在は藝大フィルハーモニア団員(管弦楽研究部演奏研究員)。

チェロ:窪田 椋 Cello:Ryo Kubota

コントラバス:吉田 秀 Contrabass:Shu Yoshida 1986年、東京藝術大学音楽学部卒業。同大学管弦楽研究部首席奏者を経て、1991年NHK交響楽団に入団。現在、首席奏者を務める。室内楽の分野ではオーギュスタン・デュメイ、ピンカス・ズッカーマン、ライナー・キュッヒル、マリア・ジョアン・ピリス、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、カルミナ弦楽四重奏団、ベルリン・フィルハーモニー・ピアノ四重奏団、ターリッヒ弦楽四重奏団、メロス弦楽四重奏団、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団、ウィーン弦楽トリオ等と共演。またオイロスアンサンブル、アール・レスピラン、東京シンフォニエッタ、いずみシンフォニエッタ大阪、紀尾井シンフォニエッタ東京、鎌倉ゾリステン等のメンバーとしても活動。霧島国際音楽祭、宮崎国際音楽祭等にも参加。東京音楽大学客員教授、京都市立芸術大学非常勤講師を務める。

コントラバス:吉田 秀 Contrabass:Shu Yoshida

■曲目解説

J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ト長調 BWV988
J.S.バッハ(1685-1750)らしい数学的秩序に満ちた構造をもつ変奏曲である。主題がアリアとして冒頭と最後に配置され、その枠の間を30の変奏が彩る。アリアは32小節あり、全体の総曲数も32である。3つの変奏(3の倍数)ごとにカノンが置かれ、細胞のような小グループを形成している。しかもこのカノンは、1度ずつ音程を増やしながら、第27変奏では9度にまで広がる。さらに第15変奏を境に、全体は16曲ずつ大きく2つに分かれ、第16変奏のフランス風序曲から後半が始まる仕組みになっている。第30変奏には、カノンではなくクォドリベット(quod libet)という歌遊びのような曲が置かれ、バッハ一族が愛唱した民謡2つが主題と組み合わされており、バッハのユーモアが垣間見えるようで、いかにも変奏の終曲にふさわしい。
なお、この変奏曲に名を冠されているゴルトベルクとは、バッハも世話になったカイザーリンク伯爵に仕えた年若いクラヴィーア奏者の名である。当時、不眠症に陥っていた伯爵は、気晴らしの一曲をバッハに依頼し、それをゴルトベルクに弾かせたという。この逸話の真偽のほどは定かでないが、1742年に出版された原曲《クラヴィーア練習曲集》第4巻の初版を1部、バッハが眠れぬ伯爵へ贈呈したことは、確かなようである。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館

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