東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-
ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.20 川崎洋介(ヴァイオリン)
プログラム詳細
2014:04:01:19:00:00
2014.4.1 [火] 19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール
■出演
ヴァイオリン:川崎洋介
■曲目
J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 [試聴]
アダスキン:無伴奏ヴァイオリンのためのソナチネ・バロック(1952)[試聴]
J.S.バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013
テレマン:
無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジア 第5番 イ長調 TWV 40:18 [試聴]
J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005 [試聴]
【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
~東博でバッハ~
vol.19 山崎伸子(チェロ)& 小林道夫(チェンバロ)
vol.20 川崎洋介(ヴァイオリン) vol.21 ウェン=シン・ヤン(チェロ)
出演者
ヴァイオリン:川崎洋介 Yosuke Kawasaki 6歳から父・川崎雅夫の手ほどきを受け、ヴァイオリンを始める。10歳でジュリアード音楽院予科に入学を認められ、D.ディレイ、H.カン、F.ガリミア、J.スミルノフに師事し、1998年に卒業。これまでにアスペン室内管弦楽団、グリニッジ・ヴィレッジ管弦楽団、アイダホ州・市民交響楽団、九州交響楽団、リマ・フィルハーモニー管弦楽団、サウスカロライナ・フィルハーモニック管弦楽団、
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番
全6曲からなる《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ》は、ソナタとパルティータそれぞれ3曲ずつで構成されている。1720年の日付を持つ清書譜が残されているため、作曲時期はケーテン宮廷楽長時代(1717~23)の前半と推定されている。
パルティータには「組曲」という意味があり、アルマンド/クーラント/サラバンド/ジーグという楽章配列が、バッハの時代には定型だった。しかし本曲に至っては、楽章構成がより自由になり、軽快で明るい印象の舞曲が並ぶ。華やかに始まる第1楽章プレリュード、第2楽章ルールでは、叙情的な旋律が美しく歌う。第3楽章ガヴォット・アン・ロンドーは非常に有名な曲で、単独で奏されることも多い。第4楽章に軽快な第1メヌエット、第5楽章にテンポの穏やかな第2メヌエットが続き、第6楽章は軽やかなブーレ、第7楽章はテンポアップして、組曲を締めくくるジーグとなっている。
アダスキン:無伴奏ヴァイオリンのためのソナチネ・バロック
作曲者のマレイ・アダスキンはカナダ出身で、20代の頃はトロント交響楽団のヴァイオリン奏者を務めたこともあった。38歳で本格的に作曲を学び始めたが、この曲は彼が40代半ば、1952年1月にトロントで書かれている。
全3楽章構成で、荘重な響きを残しつつも現代的なアプローチの作品となっており、彼のヴァイオリン奏者としての感覚が生かされている。99年には作曲者自身によりヴィオラ版に編曲されている。
J.S.バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータ ケーテン時代の終わり頃に書かれたと推測されている。自筆譜は残されておらず、現存するのは18世紀中頃の写譜である。第3楽章までは、細かい分散和音で動き回るアルマンド、イタリア型の明るいクーラント、旋律が非常に印象的なサラバンド、というパルティータ(組曲)の定型で進むが、終楽章がジーグの代わりにブーレ・アングレーズ(イギリスのブーレ)となっている。
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジア 第5番 テレマンは1730年頃から「ファンタジア」と称する作品を次々と発表した。それらは、チェンバロ、フルート、ヴィオラ・ダ・ガンバ等で演奏される無伴奏作品である。本曲も1735年以降に出版されたと推測されているが、筆者不詳の写譜しか残されていない。第1楽章はアレグロとプレスト(フーガ)が交互に2回繰り返される。非常に短い第2楽章アンダンテでは、歩くような低音部の上に旋律が乗る。第3楽章アレグロにはガヴォット風の親しみやすいリズムが現れる。全曲を通じて、身軽できらびやかな雰囲気を持った曲である。
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番
一連の舞曲が並ぶパルティータに対して、6曲のうち3曲を占めるソナタでは、各楽章は舞曲の名称を持たない。いずれも4楽章構成で、緩/急/緩/急の教会ソナタの形式をとっており、第2楽章にバッハの真骨頂とも言うべきフーガが置かれているのも共通した特徴である。
第1楽章アダージョは、引き伸ばされた重音が心地よい余韻を残す。第2楽章の354小節に及ぶ長大なフーガは、バッハのフーガの中でも最長のもの。第3楽章ラルゴは、何よりもその旋律が大変優雅で美しい。第4楽章アレグロ・アッサイは、躍動感あふれる無窮動的な楽章で、全曲を明るく閉じる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館 協力:日東紡音響エンジニアリング株式会社