東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-
ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.17 福田進一(ギター)
~無伴奏チェロ組曲(ギター版)全曲演奏会
プログラム詳細
2014:03:15:14:00:00
2014.3.15 [土] 14:00開演(13:30開場)
東京国立博物館 平成館ラウンジ
■出演
ギター:福田進一
■曲目
J.S.バッハ(福田進一編):
組曲 ニ長調(無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007)
組曲 イ短調(無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011)
組曲 ト長調(無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009)

組曲 変イ長調(無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV1010)
組曲 イ短調(無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008)
組曲 ニ長調(無伴奏チェロ組曲 第6番 二長調 BWV1012)

[アンコール]
J.S.バッハ:
プレリュード、フーガとアレグロBVW998より プレリュード
アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帖より「マーチ」「ミュゼット」
無伴奏パルティータ第3番より ガヴォット
【試聴について】

プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
~東博でバッハ~
vol.19 山崎伸子(チェロ)& 小林道夫(チェンバロ)
vol.20 川崎洋介(ヴァイオリン) vol.21 ウェン=シン・ヤン(チェロ)
出演者
ギター:福田進一 Shin-ichi Fukuda 1955年大阪船場に生まれる。12才より故 斎藤達也(1942-2006)に師事。77年に渡仏し、アルベルト・ポンセ、オスカー・ギリアという両名教授に師事した後、1981年パリ国際ギターコンクールでグランプリ優勝、さらに内外で輝かしい賞歴を重ねた。以後30年、ソロ・リサイタル、主要オーケストラとの協演、E.フェルナンデスとのデュオをはじめとする超一流ソリストとの共演など、
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲
無伴奏チェロ組曲(全6曲)が書かれた年代については、ケーテンの宮廷楽長時代(1717~23年)の前期と推定されている。組曲の構造はバッハのクラヴィーア曲(例えば《イギリス組曲》等)と同様に、定型であるアルマンド/クーラント/サラバンド/ジーグの4つの舞曲形式を基本とし、第1曲にプレリュード(前奏曲)を、ジーグの前の第5曲にメヌエット・ガヴォット・ブーレいずれかの流行舞曲を取り入れた形に統一されている。
組曲 ニ長調(無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007)
第1曲プレリュードは、本組曲の中でもっとも有名な曲。第2曲は安らぎのアルマンド、第3曲はイタリア型の急速な3拍子によるクーラント、第4曲は優雅なサラバンド、第5曲には2つのメヌエットが置かれている。第6曲は軽快な短いジーグで最後を飾る。
組曲 イ短調(無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011)
この第5番はバッハ自身がリュート用に編曲しており(BWV995)、全曲を通じてフランス風の性格を持つ難曲である。第1曲はフランス序曲形式のプレリュード。第2曲はフランス風のアルマンド。第3曲は本組曲唯一の繊細なフランス型クーラント。第4曲は8分音符の分散和音が深い思索へと誘うようなサラバンド、第5曲では対照的な2つのガヴォットを挿入舞曲としている。第6曲は強拍部に付点リズムを用いた短いジーグで締めくくる。
組曲 ト長調(無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009)
第1曲プレリュードは淀みなく流れる16分音符が大きなスケールを感じさせる。第2曲は軽やかな愛らしさを持ったアルマンド。第3曲は音階的な分散和音とスラーで奏されるイタリア型のクーラント。第4曲は典型的なサラバンドのリズムに旋律が勝っていく瞬間が美しい。第5曲ブーレは演奏会用の小品として奏される機会も多い。第6曲は締めくくりにふさわしい堂々としたジーグ。
組曲 変イ長調(無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV1010)
本組曲の中では比較的地味だが、削ぎ落とされたようなシンプルさを持つ名作である。第1曲は分散和音が織りなす音の色合いの変化が美しいプレリュード。第2曲は素朴なアルマンド、第3曲のイタリア型クーラントは、リズムに新しい可能性を模索している。第4曲のサラバンドでは、清らかな旋律が和音をともなって歌われる。第5曲は同じ調性による対照的な2つのブーレ。第6曲はほとんど重音を用いず、速いテンポで流れていくジーグ。
組曲 イ短調(無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008)
第1曲プレリュードは、和声よりも旋律に重点が置かれている。第2曲は高度な技巧が要求されるアルマンド、第3曲のシンプルなイタリア型クーラントを経て、第4曲は引き伸ばされた旋律に和音が重なる典雅なサラバンド。第5曲に用いられた2つのメヌエットには、どこかしら古風な響きが感じられる。第6曲のフランス風ジーグは、規則正しい8小節の楽節構成。
組曲 ニ長調(無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012)
本組曲の中では、技巧的にも内容的にも最もスケールが大きい。第1曲は2本の弦にまたがって同音高を弾く等、様々な可能性が試された高度なプレリュード。第2曲は叙情豊かなアルマンド、第3曲は軽やかで心地よいイタリア型クーラント、第4曲のサラバンドでは、非常に難度の高い重音の合間を縫うように優美な旋律が生まれる。第5曲は素朴な雰囲気を持つガヴォットで、ヴァイオリン編曲等でもよく弾かれる。第6曲の様々な音型が入念に組み合わされた見事なジーグにより、本組曲はフィナーレを迎える。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館 協力:日東紡音響エンジニアリング株式会社