PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.30 有希 マヌエラ・ヤンケ(ヴァイオリン)

数々の国際コンクールで受賞を重ね、ドレスデン州立歌劇場管弦楽団のコンサートミストレスも務めたほか、ドイツの名門オーケストラにも招かれる女流若手ヴァイオリニストによるバッハの世界。

プログラム詳細

2016:04:05:19:00:00

■日時・会場
2016.4.5 [火] 19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

■出演
ヴァイオリン:有希 マヌエラ・ヤンケ

■曲目
J.S.バッハ:
 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番 ト短調 BWV1001 [試聴]
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 [試聴]
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ短調 op.27-2 [試聴]
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 二短調

BWV1004 [試聴]


[アンコール]
J.S. バッハ :

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005 より III. Largo


【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~東博でバッハ~

チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600
残席状況 本公演は終了いたしました。

 ■一般発売日
 2015年12月10日(木)10:00

■曲目解説

J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン作品

全6曲からなる《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ》は、ソナタとパルティータそれぞれ3曲ずつで構成されており、1720年の日付がある清書譜が残されているため、おそらくそれ以前、バッハの器楽曲の様々な名品が生まれたケーテン宮廷楽長時代(1717-1723)前半の所産とされている。一挺のヴァイオリンによる和声や対位法の可能性が突き詰められた名作群である。

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番

全6曲中3曲を占めるソナタの各楽章は舞曲名を持たず、いずれも4楽章構成で「緩/急/緩/急」の教会ソナタの形式をとっている。また第2楽章にバッハの真骨頂ともいうべきフーガが置かれている点も共通している。ソナタ第1番は、第3楽章にシチリアーナ(シチリアの民俗舞曲)が置かれているのが他のソナタと異なる。第1楽章アダージョは、重音を多用しながら旋律が淀みなく流れ、全6曲の冒頭を飾るにふさわしい荘重な雰囲気と憂愁を湛えている。第2楽章フーガでは、まるで2挺のヴァイオリンによって奏でられているかのような疑似対位法が展開される。牧歌的な第3楽章シチリアーナを経て、第4楽章プレストでは、16分音符の単旋律が無窮動的に疾走する。

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番

3曲あるパルティータは、楽章の大半に舞曲の名称が見てとれる。このパルティータ第3番には、軽快で明るい印象の舞曲が並ぶ。第1楽章プレリュードは華やかに始まり、第2楽章ルールでは抒情的な旋律が美しく歌う。第3楽章ガヴォット・アン・ロンドーは有名な曲で、単独で奏される機会も多い。第4楽章には親しみやすい旋律の第1メヌエット、第5楽章には対照的に柔らかい雰囲気の第2メヌエットが続く。第6楽章は軽やかなブーレ、第7楽章はさらに快速なテンポのジーグとなり、全組曲を締めくくる。

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番

ハンガリーの巨匠ヨーゼフ・シゲティのバッハ演奏に触発され、1924年に書かれたのが、イザイの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 作品27」全6曲である。各曲は高名なヴァイオリニストに捧げられており、第2番はフランスのヴァイオリニスト、ジャック・ティボーに献呈されている。全4楽章それぞれに標題がつけられ、全編を通じて古い聖歌「怒りの日」の旋律主題が形を変えて現れる。第1楽章は「執着」という副題を持つ前奏曲。冒頭にバッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番」の第1楽章プレリュードが引用されている。第2楽章は「憂鬱」と題された緩徐楽章。弱音器をつけた2声で、憂愁を帯びた美しい旋律が奏される。第3楽章「影たちの踊り」は変奏形式。第4楽章は「フュリ」(ローマ神話における復讐の女神たち)の名が記された、激しく情熱的なフィナーレで、バッハへの並々ならぬ「執着」を感じさせる。

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番

このパルティータ第2番が有名なのは、ひとえに第5楽章に置かれた「シャコンヌ」によるものだろう。第4楽章までは、伝統的舞曲の定型配置で進み、全体のボリュームとしてはこれらが前半に相当する。そして後半を占めるのが、3拍子系の古い舞曲を出自とするシャコンヌである。

シャコンヌの圧倒的な規模、美しさ、崇高さは、本曲集を代表するものであり、この楽章のみ単独で演奏される機会も多い。シャコンヌ冒頭で呈示される8小節の主題は、4小節ずつ前後半に分かれて同じ和声進行を繰り返し、その8小節の主題がさらに30回にわたって変奏されていく。舞曲という枠組みをはるかに超えた長大な音の建築物とも言える音楽である。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館 後援:ドイツ連邦共和国大使館
協力:日本音響エンジニアリング株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2016/04/04更新)

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