PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-

ミュージアム・コンサートピアノ音楽紀行~ニューヨーク
江口 玲

プログラム詳細

© 堀田力丸
■日時・会場
2014.3.30 [日] 14:00開演(13:30開場)※ この公演は終了いたしました。
東京都美術館 講堂

■出演
ピアノ:江口 玲

■曲目
スミス(ホロヴィッツ編):星条旗(アメリカ国歌) speaker.gif[試聴]
フォスター(ウォレン編):夢見る人 speaker.gif[試聴]
ドヴォルザーク:《ユモレスク》op.101より 第1番、第3番、第4番、第7番
バーリー:《南部の地より》
コルリッジ・テイラー:深い河 op.59-10(《24の黒人の旋律集》op.59より)speaker.gif[試聴]
ガーシュウィン(江口 玲 編):《ポーギーとベス》より
 ジャズボゥ・ブラウンのブルース speaker.gif[試聴] サマータイム speaker.gif[試聴]
バーンスタイン:《ウェスト・サイド・ストーリー》より
 プロローグ speaker.gif[試聴] マリア speaker.gif[試聴]
P.デスモンド:テイク・ファイヴ
D.ブルーベック:琴の歌
アーレン(マン編):「ラフマニノフ風」虹の彼方に
ガーシュウィン(江口 玲 編):ラプソディ・イン・ブルー speaker.gif[試聴]
[アンコール]
フライムル:インディアン ラブコール
ガーシュウィン:プレリュード

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~ピアノ音楽紀行~

出演者

ピアノ:江口 玲 Akira Eguchi 「非凡なる芸術性、円熟、知性」(ニューヨーク・タイムズ紙)と評される江口 玲はソリスト、室内楽奏者、チェンバロ奏者、そして伴奏者として世界中の聴衆と批評家たちを魅了してきた。
ニューヨークタイムズ紙からは「流暢かつ清廉なるピアニスト」と賞賛され、これまでにカーネギーホール、92丁目のYMHA、ワシントンDCのケネディーセンター、ウィーンのムジークフェライン、▼続きを見る ロンドンのバービカンセンター、パリのシャンゼリゼ劇場等でも演奏している。その抜きんでた演奏は、ホワイトハウスにて故アイザック・スターン氏によりクリントン大統領に紹介され、また東京の浜離宮朝日ホールでの演奏会には天皇皇后両陛下もご臨席された。アメリカ、アジア、ヨーロッパ諸国等、今まで演奏で訪れた国は25カ国に及ぶ。
レコーディングにおける活躍も目覚ましく、ドイツグラモフォン、フィリップス、DENON、IDVC、マーキークラシックス、ビクター、ヴァンガード、BMG、佼成出版、NYS CLASSICS等から30枚以上のCDが出ている。2002年春にNYS CLASSICSより発売されたソロアルバム、『Dear America』はレコード芸術から特選盤に選ばれ、「極上のエンターテイメント」「ガーシュインの霊が乗り移ったかのよう」と評された。また、2枚目のアルバム、『巨匠たちの伝説』はカーネギーホールオープン時にステージ上にあった1887年製のピアノを使用し、カーネギーホールで録音された。2009年7月には過去の浜離宮朝日ホールでの4回にわたるリサイタルから抜粋された『ライヴ!ソナタ集』と『ライヴ!小品集』が発売され、続く『Dear Chopin』、最新盤である『リスト/巡礼の年第二年 “イタリア”』も同じく特選盤に選出され、2009年以降5枚連続選出の快挙となった。
東京に生まれ、東京藝大附属音楽高校を経て東京芸術大学音楽学部作曲科を卒業、その後同校にて助手を務めた後、ジュリアード音楽院のピアノ科大学院修士課程、及びプロフェッショナルスタディーを修了。ピアノをハーバート・ステッシン、外山準、金沢明子、伴奏法を故サミュエル・サンダース、作曲を佐藤眞、北村昭、物部一郎の各氏に師事。2011年5月までニューヨーク市立大学ブルックリン校にて教鞭を執る。2006年より洗足学園音楽大学大学院の客員教授を務める他、2011年4月より東京藝術大学ピアノ科の准教授に就任。現在もニューヨークと日本を行き来して演奏活動を行っている。

公式サイト http://www.akiraeguchi.com/

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ピアノ:江口 玲 Akira Eguchi

■曲目解説

スミス(ホロヴィッツ編):星条旗(アメリカ国歌)
 メロディは、ロンドンの社交クラブ「アナクレオン・ソサエティ」にて歌われていた「天国のアナクレオンへ」のもので、ジョン・スタフォード・スミスの作曲。詩は、アメリカ独立戦争でボルティモア市民が英国艦隊の砲撃から砦を守った際に掲げた星条旗を見て、法律家フランシス・スコット・キーが書いた。1931年アメリカ国歌に認定された。

フォスター(ウォレン編):夢見る人
 “アメリカ音楽の父”スティーヴン・フォスターは独学で音楽を学び、短い生涯の間に約200曲の歌曲を作曲した。何とも言えない温かさを醸すセレナード風の本曲は、フォスターの“白鳥の歌”とされている。

ドヴォルザーク:《ユモレスク》より 第1番、第3番、第4番、第7番
 1892年ニューヨークのナショナル音楽院院長として渡米したドヴォルザークは、黒人霊歌や先住民の音楽とボヘミア音楽との共通点に関心を寄せた。《8つのユモレスク》もそうした知見から生まれた作品のひとつ。なかでも第7番は人気が高く、フリッツ・クライスラーがヴァイオリン演奏用に編曲している。

バーリー《南部の地より》
 ハリー・バーリーは、ペンシルヴェニア出身のアフリカ系アメリカ人。歌の才能に恵まれ、ドヴォルザークが院長を務めていたナショナル音楽院に入学し、ドヴォルザークに黒人霊歌を教えた人物とされる。本作は、歌曲や合唱曲などを通して黒人音楽の遺産を後世に伝えようとしたバーリー唯一のピアノ曲集で、1907年に出版された。

コールリッジ=テイラー:深い河(《24の黒人の旋律集》より)
 「黒いマーラー」の異名を持つサミュエル・コールリッジ=テイラーは、ロンドン生まれの混血のイギリス人作曲家。《24の黒人の旋律》は、コールリッジ=テイラーが1904年にアメリカ演奏旅行を行なった際、アフリカ系音楽に自らのルーツを見出し、その直後に書いた作品。「深い河」はその第10曲にあたる。

ガーシュウィン(江口玲編):
歌劇《ポーギーとベス》より「ジャズボゥ・ブラウンのブルース」「サマータイム」
 20代半ばでヒット・メーカーとしての地位を確立したジョージ・ガーシュウィンは、その晩年(1935年)、都会の黒人コミュニティに材を得た歌劇《ポーギーとベス》を発表した。なかでも「サマータイム」はポピュラー音楽の定番として広く愛聴されている。

バーンスタイン:《ウエスト・サイド・ストーリー》より「プロローグ」「マリア」
 指揮者レナード・バーンスタンは、作曲家としても重要な作品を残した。1957年作曲の《ウエスト・サイド・ストーリー》は、ニューヨークのポーランド系アメリカ人とプエルトリコ系アメリカ人のグループ間の抗争を描いたミュージカル。「マリア」「トゥナイト」などの挿入歌がヒットしたことでも知られる。

P.デズモンド:テイク・ファイヴ
 4/5の変拍子が印象的なデイヴ・ブルーベック・カルテットの代表作。ブルーベックがトルコ人音楽家の歌う民謡から得たアイデアをもとに、同カルテットのサックス奏者ポール・デズモンドが作曲した。

D.ブルーベック:琴の歌
 「琴の歌」は、1964年の来日時の印象をもとに制作したアルバム『ジャズ・インプレッションズ・オブ・ジャパン』に収録された1曲である。

アーレン(マン編):「ラフマニノフ風」虹の彼方に
 「虹の彼方に」は、ミュージカル映画『オズの魔法使い』(1939年)の挿入歌で、作曲者のハロルド・アーレンはこの曲でアカデミー歌曲賞を受賞した。今回は、ジョナサン・マンが「ラフマニノフ風」と称して自由に編曲したピアノ版が演奏される。
ガーシュウィン(江口 玲編):ラプソディ・イン・ブルー
 1924年、ポール・ホワイトマン楽団のために作曲を依頼されたガーシュウィンだが、当時はまだクラシック音楽の書法に不慣れだった。そこでガーシュウィンのピアノ・スケッチをもとに、組曲《大峡谷》でも知られる同楽団専属の編曲者グローフェがオーケストレーションを施したのが本作。同年2月、ガーシュウィンのピアノとホワイトマン楽団によりニューヨークのエオリアン・ホールで初演された。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館
協力:タカギクラヴィア株式会社/日東紡音響エンジニアリング株式会社

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