PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

ミュージアム・コンサート 美術と音楽~絵画に描かれた楽器たちvol.4
鍵盤楽器編~江口 玲(ピアノ)

プログラム詳細

Photo:堀田力丸
■日時・会場
2012.4.6 [金] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
※ この公演は終了いたしました。
東京都美術館 講堂

■出演
ピアノ:江口 玲

■曲目
バード:パヴァーヌとガリアード 第5番
ヘンデル:歌劇《リナルド》より「私を泣かせてください」(ハープシコード版)
シューマン:
 《子供の情景》op.15より「トロイメライ」speaker.gif[試聴]
 《ウィーンの謝肉祭の道化芝居「幻想的情景」》op.26より
  「ロマンス」speaker.gif[試聴] 「間奏曲」speaker.gif[試聴]
シューマン(リスト編):《献呈》speaker.gif[試聴]
リスト:
 《コンソレーション》S.172より第3番 変ニ長調 speaker.gif[試聴]
 バラード 第2番 ロ短調 S.171 speaker.gif[試聴]
 《巡礼の年 第2年 イタリア》S.161 より「ダンテを読んで」speaker.gif[試聴]
[アンコール]
ショパン:ノクターン 第5番 嬰ヘ長調 op.15-2

《プレ・トークのご案内》
チケットをお持ちの方は、開演前にプレ・トークにご参加いただけます。
●時間:13:35~13:55
●お話:須沢友香子[博士(美術史)ロンドン大学・コートールド美術研究所]


~美術と音楽~絵画に描かれた楽器たち~
【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。



出演者

ピアノ:江口 玲 Piano:Akira Eguchi 「非凡なる芸術性、円熟、知性」(ニューヨーク・タイムズ紙)と評される江口玲はソリスト、室内楽奏者、チェンバロ奏者、そして伴奏者として世界中の聴衆と批評家達を魅了してきた。ニューヨーク・タイムズ紙からは「流暢かつ清廉なるピアニスト」と賞賛され、これまでにカーネギー・ホール、92丁目のYMHA、ワシントンD.C.のJ・F・ケネディー・センター、ウィーンのムジークフェライン、ロンドンのバービカン・センター、パリのシャンゼリゼ劇場等でも演奏している。その抜きんでた演奏は、ホワイトハウスにてアイザック・スターン氏によりクリントン大統領に紹介され、また東京の浜離宮朝日ホールでの演奏会には天皇皇后両陛下もご臨席された。アメリカ、アジア、ヨーロッパ諸国等、今まで演奏で訪れた国は25カ国に及ぶ。レコーディングはドイツグラモフォン、フィリップス、DENON、IDVC、マーキークラシックス、ビクター、ヴァンガード、BMG、佼成出版、NYS classics等から計27枚のCDが出ている。2002年春にNYS classicsより発売されたソロアルバム『Dear America,』は『レコード芸術』から特選盤に選ばれ、「極上のエンターテイメント」「ガーシュインの霊が乗り移ったかのよう」と評された。また、二枚目のアルバム『巨匠たちの伝説』(2003年6月発売)はカーネギー・ホールオープン時にステージ上にあった1887年製のピアノを使用し、カーネギー・ホールで録音された。このCDも『レコード芸術』誌から特選盤の評価を受ける。2009年7月には過去の浜離宮朝日ホールでの4回にわたるリサイタルから抜粋された『ライヴ!ソナタ集』(スクリャービンのソナタ第4番、フランク/コルトー編のソナタ、その他)と『ライヴ!小品集』(スーク、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、コープランド等の小品、及びホロヴィッツのカルメン変奏曲)が発売され、その2枚ともが『レコード芸術』誌から特選盤に選出された。続く最新盤『Dear Chopin,』も同じく特選盤に選出され、2009年以降4枚連続選出の快挙となった。
東京に生まれ、東京藝術大学附属音楽高校を経て東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業、その後同校にて助手を務めた後、ジュリアード音楽院のピアノ科大学院修士課程、及びプロフェッショナルスタディーを修了。ピアノをハーバート・ステッシン、外山準、金沢明子、伴奏法をサミュエル・サンダース、作曲を佐藤眞、北村昭、物部一郎の各氏に師事。現在は東京、ニューヨークと二つの拠点を行き来し、国際的な活躍を続ける。洗足学園音楽大学大学院客員教授、東京藝術大学准教授。

公式サイト  http://www.akiraeguchi.com

©堀田力丸

ピアノ:江口 玲 Piano:Akira Eguchi

■曲目解説

バード:パヴァーヌとガリアード 第5番
ウィリアム・バード(1543?-1623)は「ブリタニア音楽の父」とも称される、ルネサンス期のイングランドを代表する作曲家。イギリス国教会によるカトリック弾圧の時代に、王立礼拝堂の楽員として生涯をカトリックのための音楽に捧げた。《パヴァーヌとガリアード》全6曲は、1612~1619年頃に出版された『フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック』という鍵盤楽器のための作品集に収録されている。パヴァーヌもガリアードも舞曲形式の名称である。

リスト:バラード 第2番 ロ短調
《巡礼の年 第2年 イタリア》より「ダンテを読んで」
1853年に作曲されたフランツ・リスト(1811-1886)の《バラード 第2番 ロ短調》は、同じ調性の大作《ピアノ・ソナタ ロ短調》とほぼ同時期の作品である。低音部の激しい半音階進行と、優しげな雰囲気の曲想が交互に出現し、展開されていく。そもそもショパンによって器楽曲の名称へと転用されたこのバラードという形式は、ロマン派のピアノ作品において独自の発展を遂げている。
《巡礼の年 第2年 イタリア》は、1837~39年に愛人であったマリー・ダグー伯爵夫人とイタリアへ逃避行した際の印象を音に綴った作品集。その第7曲目「ダンテを読んで」は、中世の多声音楽において「音楽の悪魔」と呼ばれた増四度音程の下降が冒頭から繰り返され、地獄の門が開くかのような幕開けとなっている。ダンテ『神曲』の「地獄篇」をピアノで表現したと言われる所以である。増四度は1オクターヴを二等分することから、かつて忌み嫌われていた。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館 協力:タカギクラヴィア株式会社

ページの先頭へ戻る