PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

ミュージアム・コンサート美術と音楽~絵画に描かれた楽器たちvol.1
管楽器編~渡辺克也(オーボエ)

プログラム詳細

Photo:青柳 聡
■日時・会場
2012.4.2 [月] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
※ この公演は終了いたしました。
東京都美術館 講堂

■出演
オーボエ:渡辺克也
ピアノ:小田井郁子

■曲目
ドビュッシー:《前奏曲集 第1集》より「亜麻色の髪の乙女」
ラヴェル:ハバネラ形式による小品 speaker.gif[試聴]
プッチーニ:
 歌劇《ジャンニ・スキッキ》より「わたしのお父さん」
 歌劇《トゥーランドット》より「誰も寝てはならぬ」
モンティ:チャールダーシュ speaker.gif[試聴]
パスクッリ:
 ドニゼッティの歌劇《ラ・ファヴォリータ》の主題による協奏曲 speaker.gif[試聴]
[アンコール]
ボロディン:歌劇《イーゴリ公》より「ダッタン人の踊り」

《プレ・トークのご案内》
チケットをお持ちの方は、開演前にプレ・トークにご参加いただけます。
●時間:13:35~13:55
●お話:須沢友香子[博士(美術史)ロンドン大学・コートールド美術研究所]


~美術と音楽~絵画に描かれた楽器たち~
【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

オーボエ:渡辺克也 Oboe:Katsuya Watanabe 1966年生まれ。4歳より才能教育でピアノを、14歳よりオーボエを始める。東京藝術大学卒業。大学在学中に新日本フィルハーモニー交響楽団に入団。1989年Sony Music Foundation主催第1回国際オーボエコンクールに入賞。1990年、第7回日本管打楽器コンクール・オーボエ部門で優勝、併せて大賞を受賞。1991年に渡独。ヴッパータール交響楽団、カールスルーエ・バーデン州立歌劇場管弦楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ歌劇場管弦楽団の首席奏者を歴任する。特に11年間在籍したベルリン・ドイツ・オペラでは、当時音楽監督、クリスティアン・ティーレマンの絶大な信頼のもと、ドイツの新聞各紙に「オーケストラ・ピットの中ではコウトの指揮のもと、渡辺克也のオーボエがはかり知れない説得力で一際光彩を放っていた」「オーケストラの中の希望の光」等と高い評価を得る。1998年の同歌劇場日本公演でも、日本国内の各誌紙がこぞって渡辺の名を挙げて絶賛した。また、現在はソロイスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクの首席奏者として活躍中。ヨーロッパ各地の名手と競演を重ね、評価を確実に高めている。
ソリストとしてこれまでにスロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー放送交響楽団、ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団、ヴェネツィア室内合奏団、東京都交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪センチュリー交響楽団、山形交響楽団等と共演。サイトウ・キネン・フェスティバル松本は幾度にも渡り出演。2011年、第28回日本管打楽器コンクール・オーボエ部門の審査員長を務める。世界水準の美音と、楽器の限界を超えた超絶技巧を誇る、実力と期待の演奏家である。2010年秋より産経新聞にて「渡辺克也のベルリン音楽旅行」を連載中。ベルリン在住。

公式サイト http://www.katsuyawatanabe.com

©Kiyoshi Kamatani

オーボエ:渡辺克也 Oboe:Katsuya Watanabe

ピアノ:小田井郁子 Piano:Ikuko Odai 桐朋学園大学卒業後に渡独し、シュトゥットガルト音楽大学大学院にてソロ、ピアノ・デュオ、ドイツリート伴奏法を学ぶ。現在はベルリン音楽大学にてコレペティトアを、またミュンヘン国際音楽コンクール、マルクノイキルヒェン国際器楽コンクール等での公式伴奏者を務めている。ピアノ・デュオでフィナーレ・リグレ国際室内楽コンクール2位(1位なし)、カルタニセッタ国際ピアノデュオコンクール1位、シューベルトコンクール課題曲賞受賞。マルクノイキルヒェン国際器楽コンクール、クルピンスキー・クラリネット・コンクールにて最優秀伴奏者賞受賞。内田朎子、小島準子、岩崎淑、C.リヒター、H.P.シュテンツルの各氏に師事。

ピアノ:小田井郁子 Piano:Ikuko Odai

■曲目解説

ラヴェル:ハバネラ形式による小品
バスク人の血をひく母の影響か、モーリス・ラヴェル(1875-1937)はしばしばスペイン風の作品を書いた。この作品は1907年に《ハバネラ形式によるヴォカリーズ》として作曲された。「ヴォカリーズ」とは、歌詞を伴わずに母音のみによって歌う、いわゆる母音唱法と呼ばれる歌唱法のことで、キューバ起源の舞曲ハバネラのリズムと装飾的な旋律とが特徴的な曲となっている。

プッチーニ:
歌劇《ジャンニ・スキッキ》より「わたしのお父さん」
歌劇《トゥーランドット》より「誰も寝てはならぬ」

いずれもジャコモ・プッチーニ(1858-1924)の有名なオペラ・アリア。《ジャンニ・スキッキ》は1918年、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演された。グラン・ギニョール的な《三部作》最後の演目で、一幕もののオペラである。「わたしのお父さん」は、主人公ジャンニ・スキッキの娘ラウレッタのアリアで、恋人と結婚できないのなら「ポンテ・ヴェッキオ(フィレンツェの有名な橋)から身投げする」と涙ながらに訴える。
《トゥーランドット》はプッチーニの急死により、未完のまま遺された。その遺稿は、フランコ・アルファーノ(1875-1954)によって補筆され、1926年にミラノ・スカラ座でトスカニーニの指揮によって初演された。「誰も寝てはならぬ」は、最終幕(第3幕)で王子カラフによって歌われるドラマティックなアリア。フィギュアスケートの荒川静香の演技曲としても話題になった。

モンティ:チャールダーシュ
イタリアの作曲家ヴィットーリオ・モンティ(1868-1922)はいわゆる一発屋で、この《チャールダーシュ》が唯一知られた作品であると言っても過言ではない。それだけに誰しも耳にしたことがあるほど、この曲は広く世間に行き渡っているのである。元々はマンドリンのための作品であるが、様々な楽器のために編曲され、木管楽器では演奏難易度が高いものとなっている。

パスクッリ:ドニゼッティの歌劇《ラ・ファヴォリータ》の主題による協奏曲
アントニオ・パスクッリ(1842-1924)は「オーボエのパガニーニ」とも称されたイタリアの天才的なオーボエ奏者。作曲家としては、他の作曲家のテーマに由来する作品を書き、そこに彼自身の持つ超絶的なテクニックを反映させているので、今もなお演奏が困難なものが多い。この作品は1840年パリ初演のドニゼッティのオペラ《ラ・ファヴォリータ》の主題によっている。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館 
後援:Sony Music Foundation(財団法人ソニー音楽芸術振興会) 協力:タカギクラヴィア株式会社

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