PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2018-

ミュージアム・コンサート「プラド美術館展」記念コンサート vol.2
宇治川朝政(リコーダー)、髙橋弘治 (バロック・チェロ)、佐藤亜紀子 (バロック・ギター& テオルボ)

まるで絵画から聴こえてくるような、ベラスケスが生きた時代を彷彿とさせるバロック音楽の響きをご堪能いただけます。

プログラム詳細

2018:03:27:14:00:00

■日時・会場
2018.3.27 [火]11:00開演(10:30開場)/14:00開演(13:30開場)[各回約60分]
国立西洋美術館 講堂

■出演
リコーダー:宇治川朝政
バロック・チェロ:髙橋弘治
バロック・ギター&テオルボ:佐藤亜紀子
お話:川瀬佑介(国立西洋美術館 主任研究員)

■曲目
作者不詳:エスパニョレッタ
S.デ・ムルシア:
 騎士 [試聴]
 ガリシアのフォリア [試聴]
G.G.カプスペルガー:トッカータ 第6番
D.カステッロ:ソナタ 第8番
B.デ・セルマ:カンツォン 第3番 [試聴]
F.スプリアーニ:トッカータ 第10番
G.サンス:ハカラス [試聴]
D.オルティス:レセルカーダ 第2番 [試聴]
G.B.ヴィターリ:チャッコーナ
S.デ・ムルシア:マリオナス [試聴]

※ 当初発表の曲目より、一部変更となりました。

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~春祭ジャーナル~


チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,100
  コンサート当日、「プラド美術館展」をご覧いただけます。

 ■発売日
  一般発売:2017年12月7日(木)10:00

チケット予約・購入 お買い物カゴ トリオ・チケット

■曲目解説

佐藤亜紀子(バロック・ギター&テオルボ)

このコンサートではベラスケスが生きた時代、17世紀のスペインの宮廷・劇場で踊られ演奏された舞曲や、ベラスケスが美術作品を収集しにイタリアに行った1630年頃のイタリアの音楽を演奏します。

当時、スペインではダンスは「ダンツァ danza」と「バイレ Baile」の2つに分けられていました。ダンツァはあまり手を動かさない威厳のある踊り、一方、バイレは手も腕も活発に動かし、時にはカスタネットを鳴らして踊る踊りでした。ダンツァの方がより古い舞踏で、バイレの方が人気を博すようになりました。当時の国王フェリペ4世の秘書官で劇作家のアントニオ・デ・ソリスは、ダンスをテーマにした喜劇「バッカスの祭り Las fiestas bacanales」で「ダンツァ」と「バイレ」を擬人化して戦わせます。ダンツァは、エレガントに着飾って仮面をつけたご婦人方、バイレは田舎者の酔っ払い達で飛び跳ねたりする粗野な踊りをします。

「エスパニョレッタ」は当時すでに古風とみなされていた踊りで、ダンツァに属し、様々な楽器で奏されました。S.デ・ムルシアはマドリード出身で、ギターのための曲を数多く残しました。「騎士」もダンツァに属し、当時の劇作品で時代遅れと揶揄され、老いぼれがよろよろと踊る場面で登場します。「ガリシアのフォリア」はガリシア地方の舞曲で、この地域特有のバグパイプを模した低音のうえに軽やかなメロディが奏されます。

舞台は変わってバロック時代のイタリア。数多くの華々しい器楽曲が書かれました。ローマで活躍したG.G.カプスペルガーはリュートやテオルボ(大型の低音リュート)のための独奏曲を出版しました。彼はシスティナ礼拝堂で歌われている曲を、自分の曲と差し替えようとしたそうです。D.カステッロはヴェネチアのサン・マルコ大聖堂で活動していたと言われ、「新しい様式による協奏的ソナタ集」という曲集を2冊出版しています。セルマはスペイン人で、ファゴットの前身であるドゥルチアンを得意とし、ヴェネチアで「カンツォン、ファンタジア、コレンテ第1集」を出版しました。

18世紀初めにバルセロナの王室礼拝堂のチェロ奏者として活躍したスプリアーニは、大変技巧に富んだ曲を書きました。サンスはスペイン人ですが、ナポリで宮廷オルガニストをつとめ、3巻に及ぶギターの教則本をスペインのサラゴサで出版しました。「ハカラス」はバカ騒ぎをする悪党たちの意でしたが、路上で盲目の音楽家が歌い、カスタネットとともに踊る曲を指すようになり、しまいには教会の典礼にまで取り入れられるようになりました。オルティスは変奏についての教則本を残しました。「レセルカーダ 第2番」では、装飾的な華麗なパッセージが繰り返される和音進行上に繰り広げられます。G.B.ヴィターリは、ボローニャとモデナで活躍したヴィオローネ奏者。「チャッコーナ」と「マリオナス」は同じ和音進行のパターンに基づいた舞曲です。最初に言及したソリスの劇作品では、民衆的な踊りであるバイレが最後に勝利を果たし、皆でマリオナスを歌って踊って大団円となるそうです。ギター独奏の後に、リコーダーによる変奏がチェロの伴奏とともに加わります。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立西洋美術館 協力:読売新聞社日本音響エンジニアリング株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2018/03/23更新)

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