東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-
ショパン ピアノ協奏曲 第1番&第2番 (室内楽版)
~海老彰子&阿見真依子 都響のメンバーを迎えて
ピアノを愛し、愛された[ピアノの詩人]ショパンが書いた2つの有名な協奏曲を室内楽版で。フランスを中心に活躍し「ショパン弾き」として世界的に名高い海老彰子を中心に贈る、メロディアスな午後。
プログラム詳細
2017:04:08:14:00:00
2017.4.8 [土] 14:00開演(13:30開場)
東京藝術大学奏楽堂(大学構内)
■出演
ピアノ:海老彰子、阿見真依子
ヴァイオリン:双紙正哉、横山和加子
ヴィオラ:小島綾子
チェロ:古川展生
コントラバス:山本 修
■曲目
ショパン:
夜想曲 第4番 ヘ長調 op.15-1

ピアノ協奏曲 第2番 へ短調 op.21 (室内楽版)

ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 op.11 (室内楽版)

4手のための変奏曲 ニ長調

* 当初発表の曲順より一部変更となりました。
【試聴について】

チケットについて
■チケット料金(税込)
席種 | S席 | A席 | U-25※ |
---|---|---|---|
料金 | ¥5,700 | ¥4,100 | ¥1,500 |
■発売日
一般発売:2017年1月29日(日)10:00
※ U-25チケットは、2017年2月10日(金)12:00発売開始
(公式サイトのみでの取扱い)
■東京藝術大学 奏楽堂(大学構内)

ショパンのピアノ作品
夜想曲 第4番
ショパンは生涯を通じて21曲の夜想曲を作曲したが、そのうち18曲は生前に2~3曲ずつ出版された。本作は1831~33年に作曲され、ドイツ人の作曲家・ピアニストで親友でもあったフェルディナント・ヒラーに献呈された《3つの夜想曲》(op.15)の第1曲である。ショパンの夜想曲によく見られる三部形式で書かれているが、清澄かつ優雅な旋律と中間部の激情的なフレーズが均衡を保ち、ひとつの美の世界をつくりあげている。
ピアノ協奏曲 第2番
ショパンが残した2曲のピアノ協奏曲は、作曲年代とは逆の順番で出版された。本作は第2番として知られているが、実際には彼が最初に手がけたピアノ協奏曲である。すでに《ラ・チ・ダレム変奏曲》や《クラコヴィアク》など管弦楽を伴う技巧的なピアノ曲を発表し、ワルシャワのみならずウィーンでも成功を収めていたショパンは1829年、ピアニストとしてさらなる名声を求めて3楽章構成の協奏曲に着手した。そのため、旋律の美しさ、華やかなヴィルトゥオーソ的要素が前面に打ち出されており、若き作曲家の野心と情熱が存分に感じられる。今回は(第1番と合わせて)室内楽編曲版(ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス各1の弦楽五重奏)でお聴きいただく。
第1楽章のマエストーソでは、まず弦楽五重奏によってヘ短調の悲哀に満ちた第1主題、変イ長調の流麗な第2主題が提示される。独奏ピアノはこれらを装飾的・技巧的に処理し、ドラマティックに展開していく。中間部で感情の高まりが頂点に達するもののすぐに静まり、ピアノによる第2主題が変イ長調のまま現れる。第2楽章のラルゲットは第1・3楽章より早い時期につくられた叙情的な楽章で、ショパンが想いを寄せていたコンスタンツィヤ・グワトコフスカからインスピレーションを得たと言われている。第3楽章ではマズルカ風のリズムに乗せて様々な主題が現れては消えていき、彼自身が思い描いた明るい未来を象徴するかのようなきらびやかなコーダで終曲する。
ピアノ協奏曲 第1番
本作が書かれたのは、1830年3月17日のワルシャワで開かれたプロデビュー演奏会で第2番(ヘ短調協奏曲)が初演された後とされる。そして同年10月11日、ウィーンへ発つ直前にワルシャワで開かれた告別演奏会で初演された。技巧的かつ抒情溢れる旋律と故郷への追慕を感じさせる民謡的な楽想・リズムの融合が唯一無二であり、聴く者に高揚感をもたらす。
第1楽章のアレグロはソナタ形式を模しているが調的対立がみられないため、大きな三部形式と考えられる。ホ短調の舞踏的かつ憂愁を帯びた第1主題、ホ長調の甘美な第2主題が弦楽五重奏からピアノに引き継がれ、度重なる転調を経ながら技巧的に装飾される。ここで弦楽五重奏とピアノは対立せず、むしろ互いを際立たせている。第2楽章のピアノ・パートはさながら夜想曲のようであり、弦楽五重奏の控えめな和声付けによりそれが夢幻的に浮かび上がる。第3楽章では嬰ハ短調の短く鋭い導入に続き、ポーランドの民族舞踊をもとにした生気あふれるロンド主題が提示される。ユニゾンで奏される旋法的な主題など多様な楽想が現れ、ピアノと弦楽五重奏の軽妙な掛け合いにより自由に展開された後、ピアノによる華麗なパッセージの奔流とともにフィナーレをむかえる。
4手のための変奏曲
1826年、ショパンが16歳のときに作曲された本作は、いくつかのページが失われていたため、ポーランドのショパン研究家ヤン・エキエルが補筆し、1965年に初めて出版された。これはショパンが残した唯一の4手ピアノのための作品である。荘重な雰囲気の序奏に続き、当時ポーランドで「ムーアの歌」として親しまれていた牧歌的な旋律(ヴェネツィア民謡「愛しいお母さん」をアイルランドのトマス・ムーアが編曲したもの)が提示され、5つの変奏の後、快活な第6変奏とコーダで華々しく曲を閉じる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:日本ショパン協会
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。
(2017/04/08更新)