PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-

ミュージアム・コンサート「若冲展」プレ・コンサート vol.1
~モーツァルトと若冲 ― 音楽の冗談

互いの存在さえ知る由のなかったふたりの天才。江戸時代の京都で生涯絵を描き続けた伊藤若冲と、神童ともてはやされた欧州のモーツァルト。300年の時を経て、同時代に生きたふたりの天才が会すとき。

プログラム詳細

2016:04:06:14:00:00

■日時・会場
2016.4.6 [水] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
東京都美術館 講堂

■出演
ヴァイオリン:小林壱成長原幸太
ヴィオラ:中村翔太郎
チェロ:山本直輝
ホルン:日髙 剛岡田彩愛

■曲目
モーツァルト:
 12の二重奏曲 ハ長調 K.487 より [試聴]
 弦楽四重奏曲 第19番 ハ長調 「不協和音」 K.465 [試聴]
 音楽の冗談 K.522 [試聴]

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~「若冲展」プレ・コンサート~

チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥2,100
残席状況 本公演は終了いたしました。

 ■一般発売日
 2016年1月31日(日)10:00

■曲目解説

モーツァルトの作品

12の二重奏曲 より

「ホルン二重奏曲」とされているが、実際にホルンが想定されていたかどうか定かでない。12曲のうち3曲は1786年の日付を持つ自筆譜が残されているものの、楽器編成は記されていない。各曲はそれぞれ短いもので、アレグロが3曲、遅いテンポで4曲、メヌエット4曲、ポロネーズ1曲という内訳になっている。素朴なデュエットを楽しむ音楽と言えるだろう。

弦楽四重奏曲 第19番《不協和音》

モーツァルトは、ハイドンの弦楽四重奏曲『ロシア四重奏曲 作品33』(全6曲)に感銘を受け、1782年から『ハイドン・セット』と呼ばれる全6曲の弦楽四重奏曲を書き始め、1785年に完成させた。曲集の完成直後、モーツァルトはハイドンを二度にわたり自宅に招き、作品を披露した。音楽史上に輝く2人の巨匠の交友から生まれた傑作群である。

その『ハイドン・セット』の掉尾を飾るのが、第19番《不協和音》。第1楽章冒頭に置かれた22小節の序奏が「不協和音」という愛称の由来となった部分であり、この精神の鬱屈を突き抜けた後には、霧が晴れたように明るい青空が広がる。第2楽章は、穏やかに力強く歌うなかにも、序奏における短調の影がふと差し込む。第3楽章メヌエットは、コントラストの強いモチーフを用い、中間におけるハ短調のトリオでは哀切な旋律が響く。ソナタ形式の第4楽章アレグロは、軽やかに澄んだ主題旋律に始まり、展開部ではその主題が目まぐるしく転調を繰り返し、再現部を経てコーダに至る。

音楽の冗談

モーツァルト自身がつけたタイトルが示す通り、音楽による冗談(というよりは悪戯)であり、モーツァルトの諧謔趣味が強く出た作品である。稚拙な作曲家・演奏家を皮肉る内容となっており、そこかしこに珍妙なアンサンブルが聴かれる。

第1楽章冒頭から明るいはずの曲調のなかにも、すでに不穏なぎこちなさを感じるが、第2楽章メヌエットでは、ホルンが音を外したりして、いよいよ収拾がつかなくなり、聴いている者はいったい音楽がどこへ向かうのか、そろそろ不安になってくるだろう。次の緩徐楽章では、とうとう第1ヴァイオリンが肝心のカデンツァの最高潮で譜を見失ってしまう! そして第4楽章プレストに入ると、狂躁的な音楽に潜む奇妙さがいよいよ拭いきれないものとなり、特に最後の和音は複数入り混じって大変なことになる……。音楽の新たな楽しみ方という点で、巧妙に書かれた作品と言えるかもしれない。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)/日本経済新聞社

協力:日本音響エンジニアリング株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2016/04/04更新)

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