東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-
ミュージアム・コンサート「カラヴァッジョ展」記念コンサート vol.2 アントネッロ(古楽アンサンブル)
欧州でも高い評価を得ている古楽アンサンブル アントネッロが登場。カラヴァッジョが生きた16世紀末から17世紀のイタリアで愛された曲を中心に、春のひとときを芸術とともにお過ごしください。
プログラム詳細
2016:03:29:14:00:00
2016.3.29 [火] 11:00開演(10:30開場)/14:00開演(13:30開場)
[各回約60分]
国立西洋美術館 講堂■出演
古楽アンサンブル:アントネッロ
コルネット、リコーダー:濱田芳通
ヴィオラ・ダ・ガンバ:石川かおり
ヒストリカル・ハープ:西山まりえ
お話:川瀬佑介(国立西洋美術館 研究員)
■曲目
アントニオ・ヴァレンテ:パッサメッツォ
ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ
(フランチェスコ・ロニョーニ編):マドリガーレ《草原と丘》 [試聴]

カルロ・ジェズアルド:ガリアルダ

チプリアーノ・デ・ローレ(リッカルド・ロニョーニ編):
マドリガーレ《別れの時》 [試聴]
アントニオ・ヴァレンテ:ゼフィーロ

イタリア古謡:タランテッラ・ナポレターナ
【試聴について】

~「カラヴァッジョ展」記念コンサート~
チケットについて
■チケット料金(税込)
席種 | 全席自由 |
---|---|
料金 | ¥2,900 |
残席状況 | |
11:00 | 本公演は完売いたしました。 |
14:00 | 本公演は完売いたしました。 |

■一般発売日
2015年12月10日(木)10:00

濱田芳通(コルネット、リコーダー)
カラヴァッジョがその生涯において特に関わりの深かったイタリアの都市と言えば、まず生誕地であり、師ティツィアーノのもとで修行を積んだミラノ、次に二十歳過ぎに移り住み、その名を轟かせたローマ、そして晩年の数年間を過ごしたナポリということになるだろう。今回のプログラムは、それらの都市にちなんだ作曲家の作品を選び、年代なども考慮した。
リッカルド・ロニョーニは、カラヴァッジョのミラノ時代、その地で活躍していた作曲家兼理論家である。同じくロニョーニ家のフランチェスコの方はリッカルドの甥で、カラヴァッジョと同年代のやはり作曲家兼理論家である。この両ロニョーニの筆による《別れの時》そして《草原と丘》は、一般的に「ディミニューション」と呼ばれる技法で書かれている。ディミニューションはジャズにも似た即興的装飾法のことで、彼らはそれぞれこの技法に関する教則本も著しており、これらの曲はその巻末に記載された当時のヒット曲に対する装飾実際例である。《草原と丘》の元曲を作曲したパレストリーナは、ヴァチカンの聖ピエトロ寺院の楽長を務め、カラヴァッジョがローマに着いた2年後にその地で没している。
トラバーチとヴァレンテはナポリで活躍していたオルガニスト兼作曲家である。《パッサメッツォ》と《ゼフィーロ》は、当時の即興的変奏技法である「オスティナートバッソ」によって書かれている。最後に演奏する《タランテッラ・ナポレターナ》も、スペイン風のタランテッラといった趣のオスティナートバッソである。
ジェズアルドは、カラヴァッジョにちなんだ企画ではよく取り上げられる作曲家である。彼の真骨頂はマドリガーレにあるが、本日は彼の半音階を駆使した《ガリアルダ》という舞曲を演奏する。ガリアルダは三拍子系の跳躍を伴った踊りで、当時最も流行っていたと言えよう。また、ジェズアルドとカラヴァッジョは二人とも「殺人者」であるという共通点もある。喧嘩っ早いカラヴァッジョに比べ、ジェズアルドの方は不貞に対し妻殺しを行なったのであるが、最終的には尻込みして家来に殺させたそうで、この二人が殺し合いをしたなら疑いなくカラヴァッジョが勝つであろう。
カンツォーネ《ラ・カラヴァッジャ》は直接カラヴァッジョには関係ないが、作曲者であるメールラがカラヴァッジョにインスパイアされて作曲したと言われている。メールラも少年合唱隊の男の子に手を出して親に訴えられ職を追われたという経歴の持主で、カラヴァッジョに負けず劣らず素行の悪い人物である。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立西洋美術館
後援: イタリア大使館/読売新聞社 協力:日本音響エンジニアリング株式会社
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。
(2016/03/27更新)