PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.26 安田謙一郎(チェロ)
〜無伴奏チェロ組曲 全曲演奏会 第二夜

芸術に身を捧げる孤高のチェリスト安田謙一郎が、二夜に渡ってお届けするバッハの神髄。
日本の演奏史に新たな1ページを刻む瞬間に、ご期待ください。

プログラム詳細

2015:04:08:19:00:00

■日時・会場
2015.4.8 [水] 19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

■出演
チェロ:安田謙一郎

■曲目
J.S.バッハ:
無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008 speaker.gif[試聴]
無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009 speaker.gif[試聴]
ルチアーノ・ベリオ:セクエンツァ XIV(チェロのための) speaker.gif[試聴]
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012 speaker.gif[試聴]

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~東博でバッハ~
 

出演者

チェロ:安田謙一郎 Cello:Kenichiro Yasuda 桐朋学園で斉藤秀雄に師事。その後渡欧し、ガスパール・カサド、ピエール・フルニエに師事。1965年第34回日本音楽コンクール第1位を受賞。翌年、ロストロポーヴィチ、フルニエに勧められ第3回チャイコフスキー国際コンクールを受け、第3位入賞。69年ルツェルン音楽祭合奏団のソリストとして日本、ヨーロッパ、アメリカ、カナダの演奏旅行に同行する。▼続きを見る74年香港、サンフランシスコにて小澤征爾指揮サンフランシスコ響と共演するなど欧米で演奏活動を展開する。75年より桐朋学園で後進の指導にあたるため日本を活動の拠点とする。86年に結成した安田弦楽四重奏団では、80曲におよぶハイドンの弦楽四重奏曲全曲演奏、ベートーベン年代順室内楽作品の演奏会などのコンサート活動を続け、高い評価を得ている。水戸室内管弦楽団とは創立時よりメンバーとして参加。サイトウ・キネン・オーケストラにもしばしば招かれた。日本現代音楽協会、日本音楽舞踏会議、日本・ロシア音楽家協会、会員。
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チェロ:安田謙一郎 Cello:Kenichiro Yasuda

■曲目解説

J.S.バッハ:《無伴奏チェロ組曲》より

《無伴奏チェロ組曲》(全 6 曲)の成立時期は定かではないが、ケーテンの宮廷楽長時代の1720年頃とされている。

「無伴奏チェロ組曲 第2番」のニ短調という調性は、音楽を内省的な方向へと誘う。第1曲プレリュード は、和声よりもむしろ静謐な思索をたどるような旋律に重点が置かれている。第2曲はやや情熱を帯びたアルマンド、第3曲のシンプルなイタリア型のクーラントを経て、第4曲は引き伸ばされた旋律に和音が重なる典雅なサラバンド、第5曲の2 つのメヌエットでは、主調の第1メヌエットがニ短調(第2メヌエットはニ 長調)となり、古風な香りを醸し出す。第6曲フランス風のジーグは、規則正しい8小節の楽節構成となっ ており、ドローン(持続低音)を思わせる重音が印象的である。

「無伴奏チェロ組曲 第3番」のハ長調はチェロの和音に適した調性で、低音がよく響く。第1曲プレリ ュードは淀みなく流れる16分音符がスケールの大きな音楽を描く。第2曲は軽やかな愛らしさを感じさせ るアルマンド。第3曲は音階的な分散和音とスラーで奏される、音楽の歓びにあふれたイタリア型クーラン ト。第4曲は典型的なサラバンドのリズムに旋律が勝っていく瞬間が美しい。第5曲ブーレは演奏会用の小品として演奏される機会も多い。第6曲は、ジーグがもともと16世紀イギリスで流行した民俗舞曲であっ たことを思い起こさせるような堂々とした終曲となっている。

「無伴奏チェロ組曲 第6番」は、本来5弦チェロ(高音側に E 線が追加された)のために書かれており、 通常のチェロでは演奏が困難とされるが、技巧的にも内容的にもスケールが大きく、充実した作品である。 第1曲は、2本の弦にまたがって同音高を弾くなど、弦楽器ならではの可能性が試された難度の高いプレ リュード。第2曲は美しい陽光が差し込むような抒情的なアルマンド。第3曲は軽やかさが心地よいイタリ ア型クーラント。第4曲のサラバンドでは、重音の合間を縫うようにして紡ぎ出される旋律が美しい。第5曲は素朴な舞曲的雰囲気を持つガヴォットで、ヴァイオリン編曲でもよく弾かれる。第6曲ジーグは、様々な音型が見事に組み合わされており、これをもって本組曲のフィナーレとなる。

ベリオ:セクエンツァ XIV(チェロのための)

《セクエンツァ》は、イタリアの現代音楽作曲家ベリオが、1950年代から実に半世紀にわたって書き継いだ器楽の独奏曲群である(1 曲のみ声楽)。作曲者の死により完結には至らなかったものの、様々な楽器を網羅した全14曲に及ぶ作品は、ベリオのライフワークとさえ言えるだろう。
第14曲すなわち最後の曲は、2002 年に書かれたチェロの独奏曲で、アルディッティ弦楽四重奏団のチェロ奏者だったロハン・デ・サラム(スリランカ出身)との共同作業から生まれた。スリランカ中部の州都キ ャンディ発祥の民族舞踊で使用されるキャンディアン・ドラムに触発されて書かれており、楽器のボディを使ったパーカッシブな音と独特なリズムが印象的である。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、日本経済新聞社
協力:タカギクラヴィア株式会社日東紡音響エンジニアリング株式会社

※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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