PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.22 安田謙一郎(チェロ)
〜無伴奏チェロ組曲 全曲演奏会 第一夜

芸術に身を捧げる孤高のチェリスト安田謙一郎が、二夜に渡ってお届けするバッハの神髄。
日本の演奏史に新たな1ページを刻む瞬間に、ご期待ください。

プログラム詳細

2015:03:17:19:00:00

■日時・会場
2015.3.17 [火] 19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

■出演
チェロ:安田謙一郎

■曲目
J.S.バッハ:
無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 speaker.gif[試聴]
無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV1010 speaker.gif[試聴]
安田謙一郎:3つのコラール(2013年)
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011 speaker.gif[試聴]

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~東博でバッハ~
 

出演者

チェロ:安田謙一郎 Cello:Kenichiro Yasuda 桐朋学園で斉藤秀雄に師事。その後渡欧し、ガスパール・カサド、ピエール・フルニエに師事。1965年第34回日本音楽コンクール第1位を受賞。翌年、ロストロポーヴィチ、フルニエに勧められ第3回チャイコフスキー国際コンクールを受け、第3位入賞。69年ルツェルン音楽祭合奏団のソリストとして日本、ヨーロッパ、アメリカ、カナダの演奏旅行に同行する。▼続きを見る74年香港、サンフランシスコにて小澤征爾指揮サンフランシスコ響と共演するなど欧米で演奏活動を展開する。75年より桐朋学園で後進の指導にあたるため日本を活動の拠点とする。86年に結成した安田弦楽四重奏団では、80曲におよぶハイドンの弦楽四重奏曲全曲演奏、ベートーベン年代順室内楽作品の演奏会などのコンサート活動を続け、高い評価を得ている。水戸室内管弦楽団とは創立時よりメンバーとして参加。サイトウ・キネン・オーケストラにもしばしば招かれた。日本現代音楽協会、日本音楽舞踏会議、日本・ロシア音楽家協会、会員。
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チェロ:安田謙一郎 Cello:Kenichiro Yasuda

■曲目解説

J.S.バッハ:《無伴奏チェロ組曲》より

《無伴奏チェロ組曲》(全 6 曲)の成立年代は定かではないが、ケーテンの宮廷楽長時代、バッハ 30 代の 1720 年頃と推定されている。

「無伴奏チェロ組曲 第 1 番」は、ト長調というチェロの指使いに合った調性が、伸びやかで豊潤な響きを創り出していく。第 1 曲プレリュードは、本組曲を代表する有名曲。休みなく流れる 16 分音符が、その背後で進む和声を浮き彫りにする。第 2 曲は大らかで寛いだ雰囲気のアルマンド、第 3 曲はイタリア型の速いテンポの 3 拍子による楽しげなクーラント、第 4 曲は優雅で荘重なサラバンド、第 5 曲には明暗対照的な 2 つのメヌエットが用いられている。第 6 曲の短く軽快なジーグで最後を飾る。

「無伴奏チェロ組曲 第 4 番」の変ホ長調という調性は、弦楽器の特性からして、抑制されたストイックな響きを持つ。本組曲の中でも一番地味だが、削ぎ落とされたようなシンプルさを持った名品である。第 1 曲プレリュードは分散和音が織りなす音の色合いの変化が美しい。第 2 曲は素朴な雰囲気のアルマンド、第 3 曲の駆け上がるような 16 分音符や舞うような 3 連符が印象的なイタリア型クーラントでは、リズムに新しい可能性を模索している。第 4 曲のサラバンドでは、清らかな旋律が和音を伴って歌われる。第 5 曲は同主調の対照的な 2 つのブーレ。第 6 曲はほとんど重音を用いず、速いテンポで流れていくジーグ。

「無伴奏チェロ組曲 第 5 番」は、ハ短調というチェロでは弾きにくい調性のため、最高弦 A 線の 1 音下げ指定のある曲だが、現代では通常の調弦で演奏されることが多い。全曲にわたってフランス風の性格を持つ難曲である。第 1曲はフランス序曲形式のプレリュード。荘厳な雰囲気で始まる序奏部に速いテンポの主部が連なる。第 2曲も、やはりフランス風のゆったりとしたアルマンド。第 3 曲は、軽快に駆け抜けるイタリア型とは違って、より繊細なリズムを持つ、本組曲で唯一のフランス型クーラント。第 4 曲は 8 分音符の分散和音が深い瞑想へと誘うサラバンド、第 5 曲は躍動感ある第 1 ガヴォットに対し、第 2 ガヴォットの流れるような 3 連符が印象的。第 6 曲は強拍部に付点リズムが置かれた特徴的なジーグで締めくくる。

安田謙一郎:3 つのコラール

「3つのコラール」は、3つの部分から構成されている。第1の部分は、邦楽の音取(ねとり)に類する前奏曲。音取とは、雅楽において合奏の始めに行なわれる一種の序奏(音合わせ)で、これによって音調を整え、その調子の雰囲気へと導く役割がある。第 2 の部分は、ロシアのユダヤ系詩人オシップ・マンデリシュタームの詩集『石』の序詩から想を得ている。第 3 の部分は、災害により、油にまみれて飛べなくなった海辺の鳥たちの声を模したもの。タイトルはい ったん「3 つのアダージョ」とされたが、祈りの要素が強いため、原題であった「3 つのコラール」に戻された。初演は2009 年 7 月、横浜みなとみらいホールにて行なわれた。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館 協力:日東紡音響エンジニアリング株式会社

※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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