PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.25 フランチェスコ・トリスターノ(ピアノ)

ドイツ・グラモフォンからCDがリリースされるなど、急激に注目を集める新時代のピアニスト。
DJや異ジャンルとのコラボレーションなどユニークな活動と、音楽への自由な発想で幅広い人気を誇る
奇才トリスターノが贈るバッハの世界。

プログラム詳細

2015:04:03:19:00:00

■日時・会場
2015.4.3 [金] 19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 平成館ラウンジ

■出演
ピアノ:フランチェスコ・トリスターノ

■曲目
J.S.バッハ(トリスターノ編)
 目覚めよと呼ぶ声あり(カンタータ第140番 BWV140より)speaker.gif[試聴]
J.S.バッハ:
 フランス組曲 第4番 変ホ長調 BWV815 speaker.gif[試聴]
 トッカータ ハ短調 BWV911 speaker.gif[試聴]
 フランス組曲 第2番 ハ短調 BWV813 speaker.gif[試聴]
J.S.バッハ(トリスターノ編)
 来たれ、娘たちよ、我とともに嘆け(《マタイ受難曲》BWV244より)
J.S.バッハ:
 パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830

[アンコール]
バッハ:フランス組曲第1番 BWV812 より メヌエットⅢ
トリスターノ:フランシスカーナ

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~東博でバッハ~
 

出演者

ピアノ:フランチェスコ トリスターノ Piano:Francesco Tristano フランチェスコ・トリスターノは、2004年のオルレアン(フランス)20世紀音楽国際ピアノコンクールで優勝、またルクセンブルク・フィルハーモニーによりヨーロッパ・コンサートホール協会の「ライジングスター」ネットワーク・アーティストに選出され、ウィーンのムジークフェラインを含むヨーロッパの著名ホールで数多くリサイタルを行う。▼続きを見る現在、主にヨーロッパ、アメリカ、日本を中心に精力的に活躍している。
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティヴァル、ルール・ピアノ・フェスティヴァル等著名な音楽祭に参加するほか、ヨーロッパ、アジア、アメリカで多くのリサイタルやソリストとしての活動を行っている。2000年、19歳でミハエル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団とアメリカ・デビューを果たす。以来、ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団、リール国立管弦楽団、王立ワロニー室内管弦楽団、ニューヨークの新ジュリアード・アンサンブル等と演奏。また、これまでにミハエル・プレトニョフ、クラウス・ペーター・フロール、エマニュエル・クリヴィヌ等の著名指揮者と共演。さらに2010年には、ハンブルク交響楽団(音楽監督:ジェフリー・テイト)のレジデント・アーティストに選ばれ、ソロ・リサイタル、テクノ音楽の公演、さらにハンブルク交響楽団のソリストとして多数の公演に出演する。また、2012年1月、ハンブルク交響楽団のアメリカ・ツアーにもソリストとして参加。また一方、テクノ音楽の活動では、デトロイト・テクノの偉人カール・クレイグから世界各地での公演に数多く招待され共演している。
2001年の初レコーディングではバッハの『ゴルトベルク変奏曲』を、その後ニュー・バッハ・プレイヤーズとバッハの鍵盤の協奏曲の全チクルスをワルシャワで録音。2005年、フランスのSisypheレーベルからルチアーノ・ベリオの全ピアノ作品の録音をリリース、2006年、ペンタトーン・クラシックからミハエル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団の共演でラヴェルのト長調の協奏曲&プロコフィエフの第5番の協奏曲をリリースし各誌で絶賛される。2007年Sisypheレーベルからジロラモ・フレスコバルディの12のトッカータ(第1集)をリリース。
2010年2月の本格的な来日公演では全国で6公演を行い、大成功を収める。同年3月、ユニバーサル・クラシック&ジャズ(ドイツ)と専属契約を交わし、2011年3月にバッハ、J.ケージ、自作の新曲でドイツ・グラモフォンからCD『bachCage』をリリースした。同年6月、再来日を果たし、全国で『bachCage』のプログラムを含む6公演を行い、ツアーを成功させる。この6月来日ではNHKBSプレミアム「クラシック倶楽部」にも出演する。
2012年2月、ダンスの鬼才、勅使川原三郎、佐東利穂子と「リユニオン~ゴルトベルク変奏曲」公演をすみだトリフォニーホールで行い大成功を収める。2012年3月、京都コンサートホールでドイツ・グラモフォンCD第2弾『Long Walk』を録音、9月にリリース。 1981年、ルクセンブルク生まれ。ルクセンブルク音楽院、王立ブリュッセル音楽院、ラトヴィア音楽アカデミー、パリ市立音楽院で研鑽を積んだ後、1998年ジュリアード音楽院に入学、修士の学位を得る。

©Aymeric Giraudel
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ピアノ:フランチェスコ トリスターノ Piano:Francesco Tristano

■曲目解説

J.S.バッハ(トリスターノ編):目覚めよと呼ぶ声あり

バッハの教会カンタータは、200 曲近く残されている。この《カンタータ 第 140 番》は、フィリップ・ニコライのコラール「目覚めよと呼ぶ声あり」(1599)をもとに 1731 年に書かれた。時にバッハは 46 歳。トーマス・カントールの職にあった ライプツィヒ時代は、有名な受難曲や教会カンタータが多数書かれた、バッハの宗教音楽の黄金期と言える。

J.S.バッハ:フランス組曲 第 4 番、トッカータ BWV911、フランス組曲 第 2 番

《フランス組曲》は、バッハが宮廷楽長としてケーテンのレオポルト侯に仕えていた時代、宮廷歌手アンナ・マグダレ ーナ・ヴィルケと再婚して間もない 1722 年頃に書かれたとされている。規模は小さくシンプルながら、どこか典雅な香 りと気品を感じさせる組曲である。


「フランス組曲 第 4 番」は、穏やかな明るさに包まれたアルマンドに始まり、バラエティに富んだ舞曲が並ぶ。アル マンド/クーラント/サラバンド/ジーグという組曲(パルティータ)の定型に加え、サラバンドとジーグの間にガヴォッ ト、エール、メヌエットが挿入されている(メヌエットは旧バッハ全集には記載がなく、後に挿入された)。《フランス組 曲》は第 4 番以降が長調に転じ、第 3 番までの短調の典雅な響きに加えて、明朗な響きが支配的になっていく。


「トッカータ BWV911」は、1720 年頃の作という説もあるが、バッハの 7 曲のトッカータ(BWV910~916)については、 そのほとんどがまだ 20 代の若い頃のアルンシュタットからワイマール時代の作と考えられている。トッカータは、イタリ ア語の「トッカーレ(弾く)」に由来する即興性の強い楽曲。BWV911 は、緊張感のある序奏に続き、フーガに向けて 徐々に気持ちを高めていくようなアダージョ、そして後半部分には充実した三声フーガが置かれている。


「フランス組曲 第 2 番」は、シンプルかつ端正な雰囲気が玄人好みの佳曲である。流麗な旋律のアルマンドで始 まり、きびきびとしたイタリア型のクーラント、続くサラバンドの旋律には可憐な美しさがある。挿入曲はエールとメヌエ ットが置かれている。終曲のジーグは引っかかるような付点のリズムが特徴的。《フランス組曲》の第 1~5 番は、バッハ が新妻に贈った「アンナ・マクダレーナの音楽帳」の第 1 巻に収録されている。

J.S.バッハ(トリスターノ編):来たれ、娘たちよ、我とともに嘆け

《マタイ受難曲》の作曲年代は定かではないが、初演は 1727 年とされている。「来たれ、娘たちよ、我とともに嘆け」 は、壮大な《マタイ》の冒頭を飾る第 1 曲。原曲では、ダイナミックな合唱の掛け合いにより、来る悲劇が予告される。《マタイ》を代表するほどに印象深く、円熟期バッハの創作の一つの頂点をさえ示している。

J.S.バッハ:パルティータ 第 6 番

「パルティータ 第 6 番」は、ライプツィヒ時代の作品。他のパルティータ 5 曲と合わせて《クラヴィーア練習曲集 第 1部》として 1731 年に出版された。中央部にフーガが挿入されたトッカータに始まり、アルマンド、クーラントというパル ティータの定型に、躍動感のあるエール、規模の大きい荘重なサラバンド、軽やかなステップを踏むテンポ・ディ・ガ ヴォットが続き、最後は拍子の一風変わったフーガ風のジーグで全曲を締めくくる。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館 後援:ルクセンブルク大公国大使館
協力:株式会社ヤマハミュージックジャパン 協力:日東紡音響エンジニアリング

※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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