ヴェリタス弦楽四重奏団 〜岩崎 潤(ヴァイオリン)、島田真千子(ヴァイオリン)、小倉幸子(ヴィオラ)、工藤すみれ(チェロ)
ヴェリタス弦楽四重奏団
〜岩崎 潤(ヴァイオリン)、島田真千子(ヴァイオリン)、小倉幸子(ヴィオラ)、工藤すみれ(チェロ)
アメリカ、イギリス、日本、世界各地のオーケストラを拠点にもつ4人の奏者が集結し、待望の東京公演がいよいよ実現。ハイドンからグラスまで、東京春祭だけの色彩豊かなプログラムをお届けします。
プログラム詳細
2019:03:27:19:00:00
2019/3/27 [水] 19:00開演(18:30 開場)
上野学園 石橋メモリアルホール
■出演
弦楽四重奏:ヴェリタス弦楽四重奏団
ヴァイオリン:岩崎 潤、島田真千子
ヴィオラ:小倉幸子
チェロ:工藤すみれ
■曲目
ハイドン:弦楽四重奏曲 第6番 ハ長調 op.1-6

I. Presto assai
II. Minuet
III. Adagio
IV. Minuet
V. Finale. Allegro
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第7番 嬰ヘ短調 op.108

I. Allegretto
II. Lento
III. Allegro - Allegretto
フィリップ・グラス:弦楽四重奏曲 第2番《カンパニー》

ラヴェル:弦楽四重奏曲 へ長調

I. Allegro moderato (ほどよく快活に)
II. Assez vif, très rythmé (十分に生き生きと、極めてリズミカルに)
III. Très lent (極めて遅く)
IV. Vif et agité (生き生きと、激しく)
[アンコール]
ウィントン・マルサリス:弦楽四重奏曲 第1番「オクトルーン・ボールズにて」より 第5楽章「ヘルバウンド・ハイボール」
【試聴について】

veritas.pdf
ハイドン:弦楽四重奏曲 第6番
偽作を除いても70曲ほどの弦楽四重奏曲を作曲したハイドンだが、今日、初期の作品は十分な演奏機会に恵まれていない。本作はフュルンブルクのカール・ヨゼフ候の依頼により書かれ、その居城であるヴァインツィール城で、若きハイドンは教区司祭や荘園管理人といった仲間たちとカルテットを組んで演奏した。 5つの楽章で構成された音楽は、のちの弦楽四重奏曲のスタイルと比べると、まだ「ディヴェルティメント」と呼ぶに相応しい。両端にソナタ形式のアレグロ(プレスト)楽章を配し、真ん中の緩徐楽章を2つのメヌエット楽章で挟む構成である。なかでもピツィカートの伴奏にのってヴァイオリン・ソロが優雅なメロディを奏でるアダージョ楽章は、ヴァイヴァルディ《冬》の第2楽章を想わせる逸品だ。
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第7番
1960年の5月15日、ベートーヴェン弦楽四重奏団によってレニングラードで初演。亡くなった最初の妻ニーナの思い出に捧げられている。 ソナタ形式の第1楽章は、嬰ヘ短調のアレグレット。三部形式の第2楽章は、ニ短調のレント。そして、フーガで覆われた終楽章は、嬰ヘ短調のアレグロ。短いが、すべてが短調の作品である。特筆すべきは、第2楽章のたった6小節を除いて、すべてが2声か3声で書かれていること。つまり、ほとんどトゥッティが存在しないのだ。第1楽章では骸骨がピツィカートで不気味に踊り、第2楽章は孤独な歌で満たされ、終楽章ではワルツ風の舞踏が披露され、消えるように終わる。極度に内省的な世界で完結しているこの四重奏曲を、ショスタコーヴィチは終生、愛してやまなかったそうである。
フィリップ・グラス:弦楽四重奏曲 第2番 《カンパニー》
パリでブーランジェに師事し、インド音楽の体験を経て、ミニマル・ミュージックのスタイルを確立したグラス。弦楽四重奏への参入は比較的遅く、1966年の第1番に続いて、第2番《カンパニー》(1983)、第3番《ミシマ》(1985)、第4番《パツァーク》(1989)、第5番(1991)という変遷をたどっている。 サミュエル・ベケットの散文『伴侶(カンパニー)』を下敷きにした実験的舞台がニューヨークで上演された時、グラスが付随音楽を依頼された。その音楽を4つの楽章で再構成してみせたのが本作。各楽章には「♩=96、160、90、160」という速度記号のみが記されている。A音あるいはE音が通奏低音のように全曲を支配しており、断片で構成される音楽を目指していた頃のグラスの面目躍如たる作品である。
ラヴェル:弦楽四重奏曲
28歳のラヴェルが1902年12月から翌年4月にかけて作曲した傑作。若き作曲家がドビュッシーの10年前の作品に範を求めたのは明らかだ。1904年3月5日、国民音楽協会の演奏会で、エイマン四重奏団によって初演された。先輩ドビュッシーは「一音たりとも変えてはならぬ」と最大級の賛辞をおくった(しかし、ラヴェルは全面的な改訂を施した)。 ソナタ形式の第1楽章は対位法とホモフォニックが効果的に使われ、第1主題はフリギア旋法、第2主題はヒポフリギア旋法で対比される。これらのモチーフは終楽章で循環形式的に回帰される。第2楽章は三部形式のスケルツォ。めまぐるしいピツィカートと、弱音器をつけたカンティレーナの対比の妙。弱音器が滲むような旋律を強調する緩徐楽章には、典雅なリディア旋法が用意されている。快活なロンドの第4楽章では、第1楽章のモチーフが巧みに現れて、見事な大団円を聴かせる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
特別協力:上野学園 石橋メモリアルホール
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
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(2018/10/29更新)