ブラームスの室内楽VI ~小山実稚恵(ピアノ)を迎えて
ブラームスの室内楽VI
~小山実稚恵(ピアノ)を迎えて
ヴィオラ奏者 川本嘉子を中心に2014年から始まったブラームスの室内楽全曲 演奏シリーズ。ピアノを交えたエレガントな春の宵を。
プログラム詳細
2019:04:03:19:00:00
2019/4/3 [水] 19:00開演(18:30 開場)
東京文化会館 小ホール
■出演
ヴァイオリン:竹澤恭子、小川響子
ヴィオラ:川本嘉子
チェロ:向山佳絵子
ピアノ:小山実稚恵
■曲目
ブラームス:
ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 op.8

I. Allegro con brio
II. Scherzo. Allegro molto
III. Adagio
IV. Finale. Allegro
ヴァイオリン・ソナタ 《F. A. E.》 より スケルツォ

ピアノ五重奏曲 へ短調 op.34

I. Allegro non troppo
II. Andante, un poco adagio
III. Scherzo. Allegro
IV. Finale. Poco sostenuto - Allegro non troppo
【試聴について】

Brahms.pdf
ブラームス:
ピアノ三重奏曲 第1番
ブラームス最初の室内楽作品で、彼が21歳の1854年に作曲。その後1891年に改訂版が出版された。ソナタ形式の第1楽章は、まるで一篇のチェロ・ソナタのように始まる。この冒頭の主題旋律は、本楽章のみならず、曲全体に統一感をもたらしている。第2楽章は三部形式のスケルツォ。暗い森のなかで妖精が踊っているような幻想的な風景が現れる。中間部のトリオでは緊張がほどけて柔和な陽ざしが差し込むが、最後は再び幻想的な楽想へと立ち返る。第3楽章も三部形式。コラール風の厳粛な雰囲気を持つ主題で始まる。寡黙で神秘的な対話のなかに叙情的な中間部が挟まれる。第4楽章はロンド形式。チェロが第1主題を歌い出し、その後半を受け継いで大らかな第2主題へと続く。最後は大きな盛り上がりを経て、堂々と曲を閉じる。
ヴァイオリン・ソナタ 《F.A.E.》 より スケルツォ
「F.A.E.ソナタ」は、シューマンが、弟子のアルベルト・ディートリヒ、ブラームスと3人でヴァイオリン・ソナタを共作し、友人の名ヴァイオリン奏者ヨーゼフ・ヨアヒムに贈ろうと企画して、1853年秋に生まれた。ブラームスがシューマンのもとを初めて訪れた頃、まだ20歳のときである。ブラームスは第3楽章スケルツォを担当した。各楽章とも、ヨアヒムのモットーである「自由だが孤独に(Frei aber einsam)」の頭文字をとった「F(ファ)・A(ラ)・E(ミ)」がモチーフとして使われており、この楽章では中間部に変形した形で用いられている。
ピアノ五重奏曲
ブラームス唯一のピアノ五重奏曲で、30代前半の作品。まず1862年に2つのチェロを擁する「弦楽五重奏曲」として生まれた本作は、推敲魔だったブラームスにより、「2台のピアノのためのソナタ」への書き換えも含めて試演や改変を繰り返し、最終的に「ピアノ五重奏曲」という形で1864年に完成した。こうした苦心の成果にもかかわらず、その痕跡は少しも見られず、あふれるほどの叙情のなかに若々しい情熱がみなぎっているのが、傑作たる所以だろう。
第1楽章はソナタ形式。冒頭のピアノと第1ヴァイオリンとチェロとのユニゾンで奏される第1主題から激しく心を揺さぶられる。短調のまま色合いを変えて奏される第2主題もほの暗い情感を含んでおり、劇的な高まりと美しい叙情とが絶妙に絡み合い、充実した楽章を形づくる。第2楽章は三部形式。一転して穏やかな雰囲気になるが、落ち着いた暗さを保っている。第3楽章は三部形式のスケルツォで、変化に富む楽章。緊迫した雰囲気から輝かしい強奏に至る波の繰り返しが重ねられて、穏和な中間部とのコントラストを際立たせる。第4楽章は、序奏付きのロンド形式。序奏は神秘的な雰囲気に満ちている。続く主部は民謡風のリズミカルな主題旋律で、最後は素朴な喜びを謳歌するかのように盛り上がって曲を締めくくる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
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(2018/10/29更新)