PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2018-

郷古 廉(ヴァイオリン)&加藤洋之(ピアノ)
~ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会 II

3年完結のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会が2年目を迎えます。しなやかで色彩豊かな郷古のヴァイオリン、調和と対話で寄り添う加藤のピアノ。音楽家2人の聴き逃せない進化を東京春祭で。

プログラム詳細

2018:04:13:19:00:00

■日時・会場
2018.4.13 [金]19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
ヴァイオリン:郷古 廉
ピアノ:加藤洋之

■曲目
ベートーヴェン:
 ヴァイオリン・ソナタ 第4番 イ短調 op.23 [試聴]
  I. Presto
  II. Andante scherzoso, più allegretto
  III. Allegro molto
 ヴァイオリン・ソナタ 第6番 イ長調 op.30-1 [試聴]
  I. Allegro
  II. Adagio molto espressivo
  III. Allegretto con variazioni
 ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 op.30-2 [試聴]
  I. Allegro con brio
  II. Adagio cantabile
  III. Scherzo. Allegro
  IV. Finale. Allegro
 ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 op.30-3 [試聴]
  I. Allegro assai
  II. Tempo di minuetto, ma molto moderato e grazioso
  III. Allegro vivace

[アンコール]
シェーンベルク:幻想曲 op.47
クライスラー:美しきロスマリン

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 U-25
料金 ¥4,100 ¥3,100 ¥1,500

 ■発売日
  先行発売:2017年11月12日(日)10:00  2017:11:12:10:00:00:2017:11:23:23:59:59
  (先行対象の席種:S席 A席)

  ※ 先行発売はお電話では11月22日(水)18:00まで、インターネットでは11月23日(木・祝)23:59までの受付となっております。


  一般発売:2017年11月26日(日)10:00
  ※ U-25チケットは、2018年2月9日(金)12:00発売開始
   (公式サイトのみでの取扱い)

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■曲目解説

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ

「第4番」は、ピアノ・ソナタ第14番《月光》などと同時期の作品で、第5番《春》とともに1801年に出版された。この頃、ベートーヴェンの耳は悪化の一途をたどっており、翌年には有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」が書かれる。

「第4番」では、それ以前の作品と比べて、ますますベートーヴェンらしさが表に出てくる。ヴァイオリンの技術的な扱いにも習熟し、より幅の広い感情表現を獲得して独自の音楽を創り出す、いわば“出発点”となった作品と言える。やり場のない怒りをぶつけるような第1楽章の第1主題、それに続く第2楽章のユーモラスな展開と第3楽章の悲劇的な色調とのコントラストなど、当時のベートーヴェンの鬱屈した不安定な心理状態が垣間見える。

作品30に含まれる「第6、7、8番」の正確な作曲年代はわかっていないが、一般的には1802〜03年とされている。これはピアノ・ソナタ第17番《テンペスト》や交響曲第2番が書かれた時期である。3曲ともロシア皇帝アレクサンドル1世に捧げられているが、献呈時に代金は払われず、12年後にウィーンを訪れた皇后エリーザベトが30デュカーテンを支払ったという話は有名。

「第6番」は、しっとりと落ち着いた楽想が印象的。3曲のなかでは一番起伏に乏しく感じられるためか演奏機会は少ないが、隠れたファンの多い曲で、優れたヴァイオリニストにかかると滋味に富んだ充実感を味わえる。第5番が春の爽やかな陽光や新緑を感じさせるとすれば、この第6番が表現しているのは、秋の穏やかな木漏れ日や紅葉といったところか。当初、第3楽章には、今の第9番《クロイツェル》に使われている華やかな「プレスト」が充てられる予定だったが、先行する第1、2楽章とのバランスを考えて、現在の変奏曲に差し替えられたと言われている。

「第7番」は、ベートーヴェンにとってまさしく《運命》的な調性の「ハ短調」で書かれている。内面の葛藤やヒロイックな感情の起伏がモザイクのように組み合わされ、いかにもベートーヴェンらしい悲痛さと雄大さを併せ持つ、堂々たる作品である。「ハ短調」作品に傑作が多いのは、彼の激しい気質がこの調性に向いているからかもしれない。

「第8番」は、第7番とまさに対照的な、明るく愛らしい作品。演奏時間も第7番の三分の二程度で、ちょうど交響曲第7番と第8番の関係に似ている。ベートーヴェンというと、しかめ面をして深刻ぶっている容貌を思い浮かべるが、本曲にあるような気質も具えていたのである。肩の力の抜けたシンプルな美しさは、ベートーヴェンを聴く新たな喜びを与えてくれるだろう。何の衒いもなく、聴く者の心にストレートに飛び込んでくる澄み切った音楽は、そう多くあるものではない。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2018/04/14更新)

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