PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

《24の前奏曲》シリーズ vol.6ラフマニノフ――ボリス・ギルトブルグ (ピアノ)

様々な作曲家たちが取り組んだ《24の前奏曲》を紹介するシリーズ。今回はラフマニノフをお贈りします。モスクワに生まれ、エリザベート王妃国際音楽コンクール優勝をはじめ、数々の国際コンクールに入賞、欧州を中心に活躍するギルトブルクによる超絶技巧にご期待ください。

プログラム詳細

2017:04:15:18:00:00

■日時・会場
2017.4.15 [土] 18:00開演(17:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
ピアノ:ボリス・ギルトブルグ

■曲目
ラフマニノフ:24の前奏曲
 前奏曲 嬰ハ短調 op.3-2《鐘》 [試聴]
 10の前奏曲 op.23 [試聴]
 13の前奏曲 op.32 [試聴]

[アンコール]
スクリャービン:3つの小品 op.2 より 第1曲 練習曲
ラフマニノフ:練習曲集 《音の絵》 op.39 より 第6曲 イ短調
シューマン:ダヴィット同盟舞曲集 op.6 より 第14曲

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。



~春祭ジャーナル~


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 U-25
料金 ¥4,100 ¥3,100 ¥1,500

 ■発売日
  一般発売:2016年11月27日(日)10:00

  ※ U-25チケットは、2017年2月10日(金)12:00発売開始
   (公式サイトのみでの取扱い)


■曲目解説

ラフマニノフの「24の前奏曲」

モスクワ音楽院を卒業したラフマニノフは1892年、5曲からなる《幻想的小品集》を発表した。なかでも第2曲の前奏曲《鐘》は初演直後から人気を博し、彼を一躍スターダムに押し上げた。その後、ラフマニノフは1903年に《10の前奏曲》、1910年に《13の前奏曲》を発表し、24の長短各調に対応した前奏曲を完成させた。各曲集では長調・短調が交互に配置されており、ショパンの《24の前奏曲》の影響を受けていると考えられるが、ショパンのような5度圏にもとづく規則性は見られない。

モスクワのクレムリンの鐘の音に着想を得てつくられ、1892年にモスクワで開かれた電気博覧会で作曲者自身によって初演された前奏曲《鐘》は、陰鬱なまでの重厚感とインパクトにより聴く者を魅了し続けている。暗く淀んだ空を切り裂くかのような荘重なフレーズは、大小の鐘の音が不規則に鳴り響く様を巧みに捉えている。中間部では急き込むような3連符に乗せて抒情的な旋律が歌われるが、スフォルツァンドで冒頭のフレーズが現れたあとは4段譜となり、極めて音域の広い重層的な和音により壮大な音の伽藍が形成される。なお、鐘の余韻を表現するコーダのモチーフは《ピアノ協奏曲 第2番》の冒頭にも用いられている。

《10の前奏曲》の第2番は本曲集中もっとも技巧的で、左手のダイナミックなアルペジョに乗せて力強い主題が奏される。第5番は「プレリュード・マーチ」の愛称でも親しまれている。行進曲風のリズムに乗せて情熱的な主題が躍動するこの曲は、劇的な構成を持ち、高い人気を誇っている。第10番は緩やかなテンポで、今にも消え入りそうな右手の和音に伴われて左手の柔和な旋律が現れる。ラフマニノフはこの第10番を好み、折に触れて演奏したという。

多忙な演奏活動から解放された1910年夏、一気に書き上げられた《13の前奏曲》には近代的な楽想・手法も見られるが、情緒的な性格は《10の前奏曲》のそれを継承している。第2番は舞踏的な揺らぎを持つ主題を中心にテンポが柔軟に変化し、非常に色彩豊かである。第4番はオクターヴのシンプルな楽想と3連符の小刻みな楽想の掛け合いで進むが、中間部のレントではロシアの古い叙事歌の旋律が聴かれる。スイスの画家アルノルト・ベックリンの絵画「帰還」から着想を得たと言われる第10番は、幻想的な雰囲気を湛えている。鈴を鳴らしながら雪の大地を駆けるトロイカを模したとされる第12番は、演奏機会が多い作品で、ロシアの冬の情景を彷彿とさせる。そして第13番は、あたかも壮麗な建造物を音で表現したかのようであり、この《13の前奏曲》、ひいては「24の前奏曲」の掉尾を飾るに相応しい曲である。

24曲の規模・技法・形式には多彩なバリエーションが見られるが、作曲者ならではの外界に対する鋭敏な感性、そして難度の高い技巧性は共通した要素と言えよう。《音の絵》と並んで、これらの前奏曲はラフマニノフのピアノ独奏曲を代表する作品群として重要な位置を占めている。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:イスラエル大使館

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※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/04/15更新)

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