PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

東京春祭 歌曲シリーズ vol.20マルクス・アイヒェ(バリトン)

ウィーン、バイエルンなど世界の名だたる歌劇場を主舞台に活躍するアイヒェ、待望の日本初リサイタルです。瞬く間に著名な歌劇場への出演を重ねてきた輝かしいスターが贈る、知的でロマンティックな世界。

プログラム詳細

2017:04:02:15:00:00

■日時・会場
2017.4.2 [日] 15:00開演(14:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
バリトン:マルクス・アイヒェ
ピアノ:クリストフ・ベルナー

■曲目
シューベルト:
 さすらい人 D489 [試聴]
 月に寄す D193 [試聴]
 宝掘りの願い D761 [試聴]
 さすらい人 D649 [試聴]
 さすらい人の月に寄せる歌 D870 [試聴]
 ドナウ川の上で D553 [試聴]
 船乗り D.536 [試聴]
ベートーヴェン:《はるかな恋人に》 op.98 [試聴]
シューマン:《リーダークライス》 op.39 [試聴]

[アンコール]
べートーヴェン:くちづけ
シューベルト:音楽に寄せて
ワーグナー:歌劇《タンホイザー》より 夕星の歌
コンゴルト:歌劇《死の都》より ピエロの踊り

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。



~春祭ジャーナル~


~東京春祭 歌曲シリーズ~

チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 U-25
料金 ¥6,200 ¥4,600 ¥1,500

 ■発売日
  一般発売:2016年11月27日(日)10:00

  ※ U-25チケットは、2017年2月10日(金)12:00発売開始
   (公式サイトのみでの取扱い)


■曲目解説

シューベルトの歌曲

「さすらい人」(D489)は1816年、シューベルト19歳のときに書かれた。詞は医師シュミット・フォン・リューベックによるもので、さすらい人の荒涼とした世界を描く。のちにシューベルトはこの曲の一部を、ピアノ作品《さすらい人幻想曲》第2楽章の主題に用いた。「月に寄す」は1815年の作。詞は18世紀ドイツの詩人ヘルティ。ベートーヴェンの「月光ソナタ」を思わせる前奏に続いて、ゆっくりとしたもの悲しい旋律が歌われる。「宝掘りの願い」は1822年に書かれた。19世紀オーストリアの詩人フランツ・フォン・ショーバーの詞による。埋蔵された宝を掘り出す宝掘りの情熱と慰め、それは芸術を創り出そうと日々奮闘する者の比喩でもある。「さすらい人」(D649)は1819年に書かれた。19世紀ドイツ・ロマン派の詩人シュレーゲルの詞による。月夜にひとり旅立つさすらい人の孤独をなぞるように、静かな旋律が美しい。「さすらい人の月に寄せる歌」は1826年に書かれた。詞は19世紀オーストリアの詩人ヨハン・ガブリエル・ザイドルによる。さすらい人が同じく天空をさすらう太陽への憧れを歌う曲である。「ドナウ川の上で」は1817年に書かれた。詞は19世紀オーストリアの詩人ヨハン・マイアーホーファーによる。ドナウ川を下る舟の上で、遠く過ぎ去った伝説を懐かしむ。同年に書かれ、作詞者も同じ「船乗り」は、嵐のなかを行く船乗りの苦闘を描いている。

ベートーヴェン:《はるかな恋人に》

全6曲からなる《はるかな恋人に》は、1816年にウィーンで完成した連作歌曲集。詞は医学生だったアロイス・ヤイテレスによるもので、ベートーヴェンがいわゆる「不滅の恋人」のために作曲したものと言われている。第1~第6曲までが調性や拍子、詩の行数などでシンメトリックに並べられ、さらに第1曲の旋律が終曲で回帰するなど、全体の統一性が意識されており、後期に入ろうとするベートーヴェンの熟練した書法がうかがえる。この曲に感銘を受けたシューマンは、自身の作品にもいくつかテーマを引用した。全曲は間断なく演奏される。

シューマン:《リーダークライス》 op.39

19世紀ドイツ・ロマン派の詩人アイヒェンドルフの詞による全12曲の歌曲集《リーダークライス》作品39は、1840年に作曲された。この年、シューマンは歌曲というジャンルに自己の内面を表出する術を見出し、文字通り爆発的に歌曲の名作を書いた。3月に義父ヴィークとの法廷闘争が一段落し、晴れてクララとの結婚が現実化して幸せの絶頂期にあったシューマンだが、5~6月にかけて書かれた作品39は、超自然的なものへの畏怖、神秘性への憧憬、内面に蠢く影など、ドイツ・ロマン派における夜の属性が存分に発揮された傑作となった。第1曲「異郷にて」は、さすらいの孤独を歌う。第2曲「間奏曲」は、恋人に向けた愛の眼差し。第3曲「森の対話」は、森でローレライに出くわした男の物語。第4曲「静けさ」では、人知れぬ喜びを歌い、第5曲「月の夜」は、全曲中の珠玉とも言える名曲。繊細な美しさを持った月夜の情景は、この世のものならぬ雰囲気を湛えている。第6曲「美しき異郷」は、心揺さぶる異郷への憧れを描く。第7曲「城にて」は、城から見下ろす風景に遠く過ぎ去った古の時を想う。第8曲「異郷にて」は、夜の森にさまよう幻想を描く。第9曲「悲嘆」では、詩人の心深くに秘められた悲しみを歌い、第10曲「黄昏」は、黄昏時の漠とした不安のなかに何かを見ている。第11曲「森の中で」は、夜の闇に束の間通り過ぎる狩りの一団が、さらに夜の寂しさを深める。そして第12曲「春の夜」の、春の訪れを喜ぶ明るい歌で作品を締めくくる。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:ドイツ連邦共和国大使館


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/04/03更新)

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