PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-

安田謙一郎 ベートーヴェンを弾く
~チェロ・ソナタ全曲演奏会 II

2015年のバッハに続き、安田謙一郎が向き合う楽聖《ベートーヴェン》。 二夜にわたるチェロ・ソナタ全曲演奏を、孤高の音楽家・安田謙一郎で聴く。

プログラム詳細

2016:04:11:19:00:00

■日時・会場
2016.4.11 [月] 19:00開演(18:30開場)
上野学園 石橋メモリアルホール

■出演
チェロ:安田謙一郎
ピアノ:津田裕也

■曲目
ベートーヴェン:
 モーツァルトの歌劇 《魔笛》 より

「恋を知る男たちは」 の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO.46 [試聴]

 チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 op.5-2 [試聴]
 モーツァルトの歌劇 《魔笛》 より

「恋人か女房か」 の主題による12の変奏曲 へ長調 op.66 [試聴]

 チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 op.69 [試聴]


[アンコール]
ブラームス:6つのリート op.86 より 第2曲 野の孤独

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~チェロ・ソナタ全曲演奏会~

チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席指定 U-25
料金 ¥4,100 ¥1,500
残席状況 本公演は終了いたしました。

 ■一般発売日
 2015年11月23日(月・祝)10:00
 ※ U-25チケットは、2016年2月12日(金)12:00発売開始
  (公式サイトのみで取扱)

■曲目解説

ベートーヴェンのチェロ・ソナタ

ベートーヴェンは5曲のチェロ・ソナタを残しているが、書かれた時期は三分される。初期(20代半ば)に書かれた作品5(第1番、第2番)と、中期(30代後半)に書かれた作品69(第3番)、そして楽曲の内容も規模も重厚複雑になっていく後期の入り口(40代半ば)に書かれた作品102(第4番、第5番)である。このように曲数は少なくとも、ほぼ創作の全時期をカバーしているのは、生涯を通じて、ロンベルクやデュポール兄弟、あるいはリンケといった名チェロ奏者との幸運な出会いがあったからだろう。

モーツァルトの歌劇《魔笛》 より 「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲

ベートーヴェンは、モーツァルトの歌劇からとった主題旋律を用いて、変奏曲をいくつか書いており、1801年の作曲と推定されている本曲もそのひとつ。変奏曲のなかでも内容的な充実度が高く、長きにわたり愛奏・愛聴されている。主題の旋律として使われているのは、1791年に書かれたモーツァルトの歌劇《魔笛》の第1幕第14場、夜の女王の娘パミーナと鳥刺しパパゲーノによる二重唱。主題(変ホ長調)と7つの変奏からなり、まずはピアノが奏でる主題旋律にチェロが付き添って歌うところから始まる。第4変奏では変ホ短調に調性が変わって、いったん暗い影が差すが、その後は曲中の白眉とも言える第6変奏のアダージョでベートーヴェンらしい美しさが光り、クライマックスの最終変奏へと至る。

チェロ・ソナタ 第2番

ベートーヴェンが成功を夢見てウィーンに出てきたのは1792年のこと。このチェロ・ソナタ第2番は1796年の半ば、ウィーンからボヘミア、プロイセンに旅行した際にベルリンで書かれた。プロイセン王ヴィルヘルム2世の宮廷で、名チェリストであるデュポール兄弟と親交を結んだことが、本曲誕生の背景にあったと考えられる。2楽章構成となっており、緩徐楽章を欠いている。その代わり、第1楽章の主部であるアレグロ・モルトの前に、流麗な旋律を歌うアダージョ部分が序奏として置かれている。第2楽章のロンド(アレグロ)は、目まぐるしく気分が入れ替わりながら、コーダを経て曲を閉じる。

モーツァルトの歌劇《魔笛》より「恋人か女房か」の主題による12の変奏曲

1798年に出版、作曲は96年とされている。主題と12の変奏からなり、主題はモーツァルト《魔笛》第2幕第23場で歌われる、パパゲーノの有名なアリアの冒頭旋律である。まずヘ長調の明るく楽しげな主題旋律をピアノが提示する。9つの変奏を終えた後、第10変奏から音楽が変容を遂げる。調性もヘ短調に変わり、雰囲気も違って聴こえる。第11変奏からは小節数も増えて規模も大きくなり、さらに憂愁の度合いも深まる。そして最終変奏は堂々たるフィナーレにふさわしく、明るい溌剌さを取り戻して終曲する。

チェロ・ソナタ 第3番

チェロ・ソナタ第3番は、5曲あるベートーヴェンのチェロ・ソナタのなかでも特に充実しており、演奏頻度も高い。完成は1808年で、交響曲第5番《運命》や第6番《田園》と同じ頃の作品である。スケールの大きなチェロの独奏で幕を開ける第1楽章、アタマ抜きの不思議なリズムを刻む第2楽章を経て、第3楽章は朗々と歌うアダージョの序奏に始まり、生き生きとしたソナタ形式のアレグロ・ヴィヴァーチェへと至る。全曲を通して、ベートーヴェンらしい覇気が感じられる名曲である。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 特別協力:上野学園 石橋メモリアルホール


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2016/04/10更新)

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