PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-

安田謙一郎 ベートーヴェンを弾く
~チェロ・ソナタ全曲演奏会 I

2015年のバッハに続き、安田謙一郎が向き合う楽聖《ベートーヴェン》。 二夜にわたるチェロ・ソナタ全曲演奏を、孤高の音楽家・安田謙一郎で聴く。

プログラム詳細

2016:03:21:15:00:00

■日時・会場
2016.3.21 [月・休] 15:00開演(14:30開場)
上野学園 石橋メモリアルホール

■出演
チェロ:安田謙一郎
ピアノ:津田裕也

■曲目
ベートーヴェン:
 チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 op.5-1 [試聴]
 チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 op.102-1 [試聴]
 ヘンデル 《ユダ・マカベウス》 の 「見よ勇者は帰る」 の主題による

12の変奏曲 ト長調 WoO.45 [試聴]

 チェロ・ソナタ 第5番 ニ長調 op.102-2 [試聴]

[アンコール]
メンデルスゾーン:無言歌 op.109 [試聴]

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~チェロ・ソナタ全曲演奏会~

チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席指定 U-25
料金 ¥4,100 ¥1,500
残席状況 本公演は終了いたしました。

 ■一般発売日
 2015年11月23日(月・祝)10:00
 ※ U-25チケットは、2016年2月12日(金)12:00発売開始
  (公式サイトのみで取扱)

■曲目解説

ベートーヴェンのチェロ・ソナタ

ベートーヴェンは5曲のチェロ・ソナタを残しているが、書かれた時期は三分される。初期(20代半ば)に書かれた作品5(第1番、第2番)と、交響曲《運命》や《田園》などと同じ中期に書かれた作品69(第3番)、そして楽曲の内容も規模も重厚複雑になっていく後期の入り口に書かれた作品102(第4番、第5番)である。このように曲数は少なくとも、ほぼ創作の全時期をカバーしているのは、生涯を通じて、ロンベルクやデュポール兄弟、あるいはリンケといった名チェロ奏者との幸運な出会いがあったからだろう。

チェロ・ソナタ 第1番

緩徐楽章を持たない2楽章構成だが、第1楽章冒頭に充実した序奏が置かれているため、実質的には3楽章構成とも考えられる。この時代の二重奏ソナタはピアノが伴奏ではなく優位に立ち、「弦楽器のオブリガート付きのピアノ・ソナタ」という扱いだったが、ベートーヴェンのソナタによって、2つの楽器が対等にわたり合う道が拓かれたと言える。そういう意味で、冒頭のユニゾンで始まる序奏は象徴的である。作曲は1796年半ばとされており、1792年にウィーンに出てきて以来、おそらくベートーヴェンの生涯で最も幸福だったろう時期の所産である。したがって、希望に満ち溢れた気分を謳歌するような若々しさが、曲調にも感じられる。

チェロ・ソナタ 第4番

作品102が書かれたのは1815年だが、この年はベートーヴェンにとって大きな転換期だった。交響曲で言うと「第7番」「第8番」はすでに完成しており、後期の作風が姿を見せ始めた頃である。特にこのチェロ・ソナタ第4番は楽章構成も変わっていて、5つの部分からなる単一楽章と見ることもできるし、前半・後半の間にあるフェルマータの休止で区切って2楽章形式と見ることもできる。内容的には、より幻想性の強い内的な方向に踏み込んでおり、それが楽曲構成にも反映されているのかもしれない。

ヘンデル《ユダス・マカベウス》より「見よ勇者は帰る」の主題による12の変奏曲

冒頭にピアノによって奏されるのが主題旋律で、ヘンデルのオラトリオ《ユダス・マカベウス》第3部において英雄ユダス・マカベウスの帰還を讃える有名な旋律である。これにもとづいて12の変奏が展開される。作曲は1796年。ヘンデルはベートーヴェンが特に敬愛を寄せていた作曲家である。それぞれの変奏は1分にも満たないが、第11変奏だけは3分を超える充実した内容で、いかにもベートーヴェンらしい感情の表出が感じられる。

チェロ・ソナタ 第5番

作品102の2曲はどちらもチェロ奏者ヨーゼフ・リンケのために書かれた。リンケは、ベートーヴェン後期の弦楽四重奏曲をいくつか初演したシュパンツィヒ弦楽四重奏団の名チェリストである。チェロ・ソナタ第5番は、3楽章構成となっており、第1楽章は序奏なしに始まり、勢いのあるピアノ前奏に続いて、自由な空気を呼吸するかのようにチェロが歌い出す。そして深い哀しみのなかにも慈愛が満ちている緩徐楽章を経て、最終楽章はフーガとなる。ここで展開される緻密なフーガは、後期ベートーヴェンの幕開けのようにも聴こえる。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 特別協力:上野学園 石橋メモリアルホール


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2016/03/20更新)

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