PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-

東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.3デュリュフレ《レクイエム》
~奇蹟の響きと荘厳な調べ ― 20世紀最高のレクイエム

ラトル、ゲルギエフらにその才能を賞賛される英国の精鋭レオ・フセインが東京春祭に初登場。20世紀最高と称されるデュリュフレのレクイエム、英国の美しいメロディを都響&東京オペラシンガーズという布陣で。この日、天上のハーモニーが響き渡ります。

プログラム詳細

2016:04:17:15:00:00

■日時・会場
2016.4.17 [日] 15:00開演(14:00開場)
東京文化会館 大ホール

■出演
指揮:レオ・フセイン
メゾ・ソプラノ:ロクサーナ・コンスタンティネスク
バリトン:クリストファー・マルトマン
オルガン:長井浩美
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:マティアス・ブラウアー宮松重紀

■曲目
ヴォーン・ウィリアムズ:
 トマス・タリスの主題による幻想曲 [試聴]
 5つの神秘的な歌 [試聴]
デュリュフレ: レクイエム op.9 [試聴]

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


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チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 B席 C席 D席 E席 U-25
料金 ¥10,300 ¥8,200 ¥6,200 ¥5,200 ¥4,100 ¥3,100 ¥2,000
残席
状況
本公演は終了いたしました。

 ■一般発売日
 2015年11月23日(月・祝)10:00
 ※ U-25チケットは、2016年2月12日(金)12:00発売開始
  (公式サイトのみで取扱)

■曲目解説

ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲、5つの神秘的な歌

ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)は、イギリスに口承で伝えられてきた讃美歌や民謡の収集・編纂、伝統音楽の校訂などを行なったことでも知られるが、出世作となった《トマス・タリスの主題による幻想曲》(1910)も、彼が校訂した「イングランド讃美歌集」に収められたトマス・タリスの詩篇音楽のなかの1曲をテーマとして採用している。タリスの詩篇音楽には、教会旋法のひとつであるフリギア旋法が用いられているが、ヴォーン・ウィリアムズはそれを弦楽合奏の楽曲に使用するにあたり、それぞれ独立して配置された3つの弦楽セクション(通常の弦楽合奏、弦楽四重奏、各パート1プルト[対]ずつの弦楽アンサンブル)という独特な形態でのぞんだ。異なった弦楽合奏形態を組み合わせることで、響きの厚みと音量を変化させ、それによってオルガンに備わっているスウェル(扉の開閉によって連続的に音量を変化させる仕組み)の効果を模倣し、教会の音響に似た効果を実現できるよう緻密な設計を意図したのである。楽曲は、断片的に変奏されるタリスの主題と、そこから派生する副次主題によって構成され、曲の後半では副次主題がタリスの主題を包み込むような高揚感をもって進行する。

ヴォーン・ウィリアムズのもうひとつの作品《5つの神秘的な歌》は、17世紀イギリスの形而上詩人で聖職者でもあったジョージ・ハーバードの『寺院:聖なる詩』から歌詞を採った、バリトン独唱と合唱による管弦楽伴奏付き歌曲で、作曲時期は1906〜11年とされる。形而上詩人と呼ばれる抒情詩人の詩句は、形式的にはシンプルだが、「形而上的奇想」といわれる機智に富んだ技巧的な暗喩を特徴としており、ヴォーン・ウィリアムズの音楽もシンプルな曲想のなかに原詩の持つ深い精神性を活かしたものになっている。

第1曲「イースター」、第2曲「私は花々を用意した」、第3曲「愛は私を温かく迎えてくださった」、第4曲「召命」、第5曲「アンティフォン」という構成で、第1曲から第4曲までは独唱がメインの瞑想的な雰囲気が漂う。そして第5曲が“讃歌”となっており、独唱もしくは合唱により歌われるが、今回は合唱による唱和でお聴きいただく。

デュリュフレ:レクイエム

モーリス・デュリュフレ(1902-86)の《レクイエム》(1947)も、《トマス・タリスの主題による幻想曲》と同じく教会旋法を採り入れた作品である。またこの作品は、フォーレの《レクイエム》とともに近代フランスを代表する宗教曲として知られるが、実際、デュリュフレはフォーレの《レクイエム》から多くの着想を得ており、「怒りの日(ディエス・イレ)」を含む劇的な「続唱(セクエンツァ)」を省く一方、「主イエスよ(ピエ・イエズス)」を中間楽章とした対照的な楽章配置をとるなど、フォーレの《レクイエム》を踏襲している。

デュリュフレの《レクイエム》の特徴は、何といっても「グレゴリオ聖歌」の旋律がほぼ全編にわたって素材として用いられている点である。これは、本作を依頼されたときに作曲中だったグレゴリオ聖歌にもとづく「オルガン組曲」を転用したことにも起因している。導音をもたない単旋律による教会旋法を素材としながら、そこに緻密で近代的な和声を加えた効果は非常にユニークで、レクイエム本来の死者を悼む敬虔な祈りの要素と、清新で穏やかなフランス音楽の稀有な特質との調和を本作にもたらしている。

第1曲「入祭唱(イントロイトゥス)」、第2曲「キリエ」、第3曲「奉献唱(主イエス・キリスト)」、第4曲「サンクトゥス−ベネディクトゥス」、第5曲「主イエスよ(ピエ・イエズス)」、第6曲「神の小羊(アニュス・デイ)」、第7曲「聖体拝領唱(永遠の光=ルクス・エテルナ)」、第8曲「我を許し給え(リベラ・メ)」、第9曲「楽園へ(イン・パラディスム)」という全9曲からなり、バリトン独唱は第3曲と第8曲に登場し、メゾ・ソプラノ独唱は第5曲に登場する。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2016/04/12更新)

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