東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-
にほんのうたVI~東京オペラシンガーズ
~合唱で聴く美しい日本の歌
美しい情景、美しい言葉を歌い継ぐシリーズ 6回目の公演。近藤朔風の美しい訳詞、日本の抒情歌など、東京オペラシンガーズの精鋭たちが贈る、心の情景を綴る午後のひととき。
プログラム詳細
2016:03:23:14:00:00
2016.3.23 [水] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
東京文化会館 小ホール
■出演
合唱:東京オペラシンガーズ
ソプラノ:黒田なるみ、駒井ゆり子、谷原めぐみ、馬原裕子
アルト:小泉詠子、菅原章代、橋本恵子
テノール:土崎 譲、渡邉公威、渡辺 大
バス:寺本知生、成田 眞、藪内俊弥
指揮:宮松重紀
ピアノ:寺嶋陸也
■曲目
【近藤朔風の訳詩による歌】
ローレライ:H.ハイネ・作詞/F.ジルヒャー・作曲(若林千春・編曲)

野ばら:近藤朔風・訳詞/J.W.ゲーテ・作詞/H.ヴェルナー・作曲(若林千春・編曲)

菩提樹:近藤朔風・訳詞/W.ミューラー・作詞/シューベルト・作曲(寺嶋陸也・編曲)

【アメリカの歌】
峠の我が家:岩谷時子・訳詞/B.ヒグリー・作詞/D.ケリー・作曲(若林千春・編曲)

希望のささやき:緒園凉子・訳詞/S.ウィナー・作詞/A.ホーソン・作曲(寺嶋陸也・編曲)

懐かしの我がケンタッキーの家~夢路より
:伊庭 孝、津川主一・訳詞/S.フォスター・作詞作曲(源田俊一郎・編曲) [試聴]

オールド・ブラック・ジョー
:緒園凉子・訳詞/S.フォスター・作詞作曲(寺嶋陸也・編曲) [試聴]
【日本の歌】
砂山:北原白秋・作詞/中山晋平・作曲(ボブ・チルコット・編曲)

初恋:石川啄木・作詞/越谷達之助・作曲(寺嶋陸也・編曲)

初恋:島崎藤村・作詞/若松 甲・作曲(寺嶋陸也・編曲)
カチューシャの唄:島村抱月、相馬御風・作詞/中山晋平・作曲(林光・編曲)
ゴンドラの唄:吉井 勇・作詞/中山晋平・作曲(林 光・編曲)

琵琶湖周航の歌:小口太郎・作詞/吉田千秋・作曲(若林千春・編曲)
[アンコール]
蘇州夜曲:西條八十・作詞/服部良一・作曲(寺嶋陸也・編曲)
春の小川:高野辰之・作詞/岡野貞一・作曲(源田俊一郎・編曲)
【試聴について】

日伊国交樹立150周年記念
リッカルド・ムーティ指揮 日伊国交樹立150周年記念オーケストラ
~東京春祭特別オーケストラ&ルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団
東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.3
デュリュフレ《レクイエム》
~奇蹟の響きと荘厳な調べ―20世紀最高のレクイエム
チケットについて
■チケット料金(税込)
席種 | 全席指定 |
---|---|
料金 | ¥3,100 |
残席状況 | 本公演は終了いたしました。 |
■一般発売日
2015年11月23日(月・祝)10:00


【近藤朔風の訳詩による歌】
近藤朔風は、東京外国語学校在学中よりヨーロッパ歌曲の訳詞を始め、明治36年には東京音楽学校で日本人による最初のオペラ上演《オルフェオ》にも訳詞で携わった。天谷秀と共編した『女声唱歌』(明治42年)全25曲のうち「ローレライ」「野ばら」など14曲が朔風の訳詞である。
「ローレライ」の原詩は、ドイツの詩人ハイネ『歌の本』所収。ライン川のほとり、美しい歌声で舟人を惑わした妖精の伝説を歌っている。
「野ばら」の原詩は、ドイツの文豪ゲーテの若かりし頃の作で、少年の淡い恋心を可憐な野ばらに託したものである。
「菩提樹」は、詩人ミュラーの連作詩に曲をつけたシューベルトの歌曲集《冬の旅》の第5曲。菩提樹は慰めや安らぎをイメージさせ、ドイツでは馴染みのある樹木である。
【アメリカの歌】
「峠の我が家」はカウボーイ・ソングの代表格として、アメリカ中西部カンザス州の州歌ともなっている。作詞のブリュースター・ヒグリ―は西部開拓者の医師、その友人で作曲をしたダニエル・ケリーは寄席芸人だった。
「希望のささやき」を作曲したホーソンとは、19世紀後半アメリカの作曲家セプティマス・ウィナー(本曲の作詞者)のペンネームである。かの大作家ナサニエル・ホーソンの遠縁にあたることから、この名前を使用したのだろう。
「懐かしの我がケンタッキーの家」は、今回4曲が取り上げられるアメリカの代表的な歌曲の作曲家スティーブン・フォスター20代後半の作品。妻とともに訪れた、緑広がる美しいケンタッキーの風景に感動して書かれたと言われ、ケンタッキー州の州歌ともなっている。
「夢路より」はフォスター最後の作品。彼は37歳という若さで孤独と貧困のうちに生を終えた。しかしそんな彼にも幸福な時期があった。このメロディが胸を打つのは、誰しも持っているかけがえのない記憶を呼び起こすからだろう。
「金髪のジェニー」のジェニーはフォスターの妻の愛称。フォスターは1850年、医師の娘ジェーン・マクダウェルと結婚。三年後、彼は音楽家として活動するために単身ニューヨークへ。そして翌年、遠く離れた愛妻を想い、この曲を書いた。
「オールド・ブラック・ジョー」のジョー爺さんは、フォスターの妻ジェーンの実家にいた黒人の老召使。フォスターはジョーに歌を贈る約束をしたが、歌が出来た1860年にはジョーは他界していた。
【日本の歌】
「砂山」は大正11年に発表された歌。新潟市の童謡音楽会に招かれた北原白秋は、子供たちに新潟を題材にした作詞を約束した。音楽会の後、白秋は寄居浜を散策し、荒々しい日本海や砂丘を眺め、その風景に感を得て詞を書いた。
石川啄木作詞の「初恋」は、函館の大森浜を散策した折に初恋の痛みを詠んだ短歌で、第一歌集『一握の砂』(明治43年)所収。この一首をもとに、越谷達之助が昭和16年に作曲、自身の歌曲集『啄木に寄せて歌える』(全15曲)に収めた。
島崎藤村作詞の「初恋」は、第一詩集『若菜集』(明治30年)所収の詩に若松甲が曲をつけたもの。昭和38年に小林旭の歌唱で発表され、昭和46年には舟木一夫がカバーして、同年の紅白歌合戦に出場した。
「カチューシャの唄」は、日本で最初に大ヒットを記録した流行歌と言える。大正3年、芸術座の『復活』劇中歌として使われた曲である。
「ゴンドラの唄」は、大正4年、島村抱月の主宰する芸術座が上演したツルゲーネフ原作『その前夜』の劇中歌。この歌を有名にしたのは、黒澤明監督の映画『生きる』だろう。奇しくも昭和27年に封切られた映画を観た直後、作曲者の中山晋平は亡くなっている。
「琵琶湖周航の歌」は、京大(旧制三高)ボート部の歌。周航とは、同校の夏の伝統行事で、浜大津の三保ヶ崎を出発して、雄松、今津、竹生島、彦根、長命寺などを経て、3泊4日前後で琵琶湖を一周する。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。
(2016/03/23更新)