PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

原田禎夫チェロ・シリーズvol.1アミーチ弦楽四重奏団 
~オール・ベートーヴェン・プログラム

プログラム詳細

Photo:青柳 聡
■日時・会場
2012.3.19 [月] 19:00開演(18:30開場)※ この公演は終了いたしました。
東京文化会館 小ホール

■出演
アミーチ弦楽四重奏団
  第1ヴァイオリン:フェデリコ・アゴスティーニ
  第2ヴァイオリン:川崎洋介
  ヴィオラ:ジェームズ・クライツ
  チェロ:原田禎夫

■曲目
ベートーヴェン:
 弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 op.18-3 speaker.gif[試聴]
 弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 op.135 speaker.gif[試聴]
 弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 op.59-3《ラズモフスキー第3番》 speaker.gif[試聴]
[アンコール]
モーツァルト:
 弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K.428 第2楽章 アンダンテ・コン・モート

~関連コラム~


~原田禎夫チェロ・シリーズ~

今後の予定
 《2013年》
vol.3 室内楽 with ズッカーマン・チェンバー・プレイヤーズ
vol.4 チェロ・アンサンブル
 《2014年》
vol.5 ゴルトベルク変奏曲(Vn:パメラ・フランク / Va:今井信子)
vol.6 リサイタル(ベートーヴェン:チェロ・ソナタ)

※変更の可能性がございますので、あらかじめご了承ください    


【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

アミーチ弦楽四重奏団 D’Amici String Quartet 2004年1月、音楽的にも人間的にも深い信頼関係にあり、バックグラウンドも世代も違う4人のアーティストが結成したアミーチ・カルテット、そのドイツでのデビュー公演は大成功に終わった。メンバーそれぞれのソロ・室内楽・オーケストラ・教育分野での、世界各地における様々な音楽・人生経験を礎にして、若いカルテットのような自主性・新鮮さ・喜びを保ち続けることを活動の信条としており、そのため年間の演奏回数を50回以下に制限している。アメリカ、イタリア、ドイツ、オランダ等で定期的に演奏会を行っている。2008年アムステルダム・コンセルトへボウでのデビュー公演は大成功を収め、以来、定期的に演奏会を開催している。日本では2005年より毎年ツアーを行い、同時に若い世代の音楽家の為に室内楽ワークショップを開催し、後進の指導に情熱を注いでいる。

公式サイト http://www.damiciquartet.com/

第1ヴァイオリン:フェデリコ・アゴスティーニ 1st Violin:Federico Agostini 日本でも高い人気を誇るイタリアの名合奏団、イ・ムジチのリーダーを1986年から6年間務めた。トリエステとヴェネチアの音楽院、シエナのキジアーナ音楽院に学びアッカルドに師事。日本、スウェーデン、イタリア等でマスタークラスを開催して後進の指導に当たる他、室内楽奏者としても欧米の音楽祭に招聘されて活躍。現在、アメリカ・インディアナ大学ブルーミントン校教授。

©Karl Scheuring

第1ヴァイオリン:フェデリコ・アゴスティーニ 1st Violin:Federico Agostini

第2ヴァイオリン:川崎洋介 2nd Violin:Yosuke Kawasaki ニューヨークで生まれ育ち、ジュリアード音楽院にてドロシー・ディレイに師事。サイトウ・キネン・オーケストラや水戸室内管弦楽団に定期的に出演する他、2008年より大阪センチュリー交響楽団のコンサートマスターに就任。現在は同楽団の首席客演コンサートマスター、カナダのオタワ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団のコンサートマスターを務める。小澤国際室内楽アカデミー奥志賀、アフィ二ス夏の音楽祭等で後進の指導も務める。ソリスト、室内楽奏者としても活躍し、ヴォルフラム・ケッセル(チェロ)とヴァディム・セレブリャー二(ピアノ)と組んだ「トリオ・プラス」として演奏活動も続けている。

©Karl Scheuring

第2ヴァイオリン:川崎洋介 2nd Violin:Yosuke Kawasaki

ヴィオラ:ジェームズ・クライツ Viola:James Creitz イェール大学に学び、その後ブルーノ・ジュランナに師事。アマデウス、プロ・アルテ、ヴェーグ弦楽四重奏団等に師事、共演。その他、ヨーヨー・マ、ムスティフラフ・ロストロポーヴィチ、マリア・ジョアオ・ピリスらと共演。1983~93年までアカデミカ・カルテットのメンバーとして活躍。近年は20世紀のヴィオラ作品を集めた録音や、ブラームスやシューマンのヴィオラ作品の録音が高い評価を受けている。2000年、教育文化部門でユネスコ賞を受賞。現在、ドイツ・トロッシンゲン音楽大学教授。

©Karl Scheuring

ヴィオラ:ジェームズ・クライツ Viola:James Creitz

チェロ:原田禎夫 Cello:Sadao Harada 東京クヮルテットの創始者として30年間同カルテットを率い、世界各地で演奏。1999年に退団後は、ソリスト、室内楽、オーケストラ等、幅広く活躍。NHK交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団等にソリストとして出演し、ピンカス・ズッカーマン、ジュリアード弦楽四重奏団、アルバン・ベルク弦楽四重奏団、ジェシー・ノーマンらと共演。その他サイトウ・キネン・オーケストラに定期的に出演。水戸室内管弦楽団のメンバーも務める。後進の指導で高い評価を受け、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀、スイス国際室内楽アカデミー、北京室内楽講習会等、世界各地で指導に当たる。上野学園大学音楽学部教授。

©Karl Scheuring

チェロ:原田禎夫 Cello:Sadao Harada

■曲目解説

ベートーヴェン:
 弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 op.18-3
 弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 op.135
 弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 op.59-3《ラズモフスキー第3番》

ベートーヴェンが残した16曲の弦楽四重奏曲は、一連の交響曲、ピアノ・ソナタと並ぶ“金字塔”といっても過言ではない。今回の演奏会では、初期・中期・後期からそれぞれ1曲ずつが選ばれているが、そのいずれもがひらめきに満ちた秀作である。

1798年に作曲された弦楽四重奏曲第3番は、6曲まとめて出版された弦楽四重奏曲の3番目とあるが、実際は他のすべての作品に先駆けて完成されたといわれている。屈託のない明るさが印象的な第1楽章。優雅なロンド・ソナタ形式の第2楽章。スケルツォ風の3部形式の第3楽章。そして、活発かつ流動的な美しさを備えた終楽章は、しだいに音を弱めながら、ピアニッシモで全曲を締めくくる。

1826年の10月に完成された弦楽四重奏曲第16番は、彼のまとまった作品としては最後のものとなった。第13番の弦楽四重奏曲以降、最大7楽章(第14番)まで複雑化したその構成は、再びこの作品で4楽章形式に戻っている。
なお、ベートーヴェンは自筆譜で、終楽章の緩やかな導入部の和音の下に、“Muss es sein?(かくあらねばならぬか?)”と書き記し、より速いテンポの第1主題には、“Es muss sein!(かくあるべし)”と書き添えている。この言葉は、彼の哲学的な思想の反映であるという説から、「友人から借りた金を返さねばならないか否か?」といった軽いジョークに過ぎないという説まで、さまざまに解釈されている。

弦楽四重奏曲第9番《ラズモフスキー第3番》は、1805年から翌年にかけて作曲された3つの弦楽四重奏曲の最後を締めくくる作品で、当時ロシアのウィーン大使だったアンドレイ・ラズモフスキー伯爵の依頼により作曲された。本曲は、一連の3作品の中でもっとも明るく力強いもので、序奏つきのソナタ形式による第1楽章、抒情的な第2楽章、メヌエットの第3楽章、フーガを用いたソナタ形式による終楽章から構成されている。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会

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