PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

原田禎夫チェロ・シリーズvol.2原田禎夫 チェロ・リサイタル

プログラム詳細

Photo:青柳 聡
■日時・会場
2012.3.29 [木] 19:00開演(18:30開場)※ この公演は終了いたしました。
東京文化会館 小ホール

■出演
チェロ:原田禎夫
ピアノ:加藤洋之

■曲目
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調 speaker.gif[試聴]
ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 op.38 speaker.gif[試聴]
メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ 第2番 ニ長調 op.58 speaker.gif[試聴]
[アンコール]
ラフマニノフ:チェロ・ソナタより 第3楽章 アンダンテ

~関連コラム~


~原田禎夫チェロ・シリーズ~

今後の予定
 《2013年》
vol.3 室内楽 with ズッカーマン・チェンバー・プレイヤーズ
vol.4 チェロ・アンサンブル
 《2014年》
vol.5 ゴルトベルク変奏曲(Vn:パメラ・フランク / Va:今井信子)
vol.6 リサイタル(ベートーヴェン:チェロ・ソナタ)

※変更の可能性がございますので、あらかじめご了承ください


【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

チェロ:原田禎夫 Cello:Sadao Harada NHK交響楽団のチェロ奏者だった父から手ほどきを受けた後、齋藤秀雄氏に師事。桐朋学園大学卒業。東京交響楽団の最年少首席チェリストを務めた後ジュリアード音楽院に入学、クラウス・アダム、ロバート・マン、ラファエル・ヒリヤー各氏に師事し室内楽の研鑽を積んだ。東京クヮルテットを結成し、ミュンヘン国際音楽コンクール等で圧倒的な優勝を飾り世界の注目を浴びた。ミラノ・スカラ座、アムステルダム・コンセルトへボウ、ニューヨーク・カーネギー・ホール等、世界の一流の舞台でベートーヴェン・チクルス等の名演を残し、録音でも数多くの賞に輝いた。1999年に30年間在籍した東京クヮルテットを離れ、ソリストとしてはNHK交響楽団(指揮:準メルクル)、新日本フィルハーモニー交響楽団(指揮:小澤征爾)、札幌交響楽団等と共演。室内楽では、ロバート・マン、アルバン・ベルク弦楽四重奏団、ジュリアード弦楽四重奏団、上海クァルテット、ジェシー・ノーマン、ピンカス・ズッカーマン、アイザック・スターン等と共演。その他、サイトウ・キネン・オーケストラ等に定期的に出演。
現在は水戸室内管弦楽団のメンバーを務める他、2006年に結成したアミーチ・カルテットとして、日本各地、アムステルダム・コンセルトへボウ、イタリアやドイツ各地、アメリカ・ワシントンD.C.等で演奏、室内楽講習会を続ける。また後進の育成にも大きな情熱を注ぎ、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀、プロジェクトQ、スイス国際室内楽アカデミー、タングルウッド音楽祭室内楽マスタークラス、北京室内楽講習会等、数々の講習会や音楽祭で若い音楽家達を指導している。アメリカ・イェール大学音楽学部教授、ドイツ・トロッシンゲン国立音楽大学教授を経て、現在は上野学園大学音楽学部教授を務める。

©齋藤清貴

チェロ:原田禎夫 Cello:Sadao Harada

ピアノ:加藤洋之 Piano:Hiroshi Kato 東京藝術大学附属音楽高等学校を経て同大学器楽科を卒業。在学中に安宅賞を受賞し、日本音楽コンクールに入選。1990年よりハンガリー国立リスト音楽院に留学し、イシュトヴァン・ラントシュに師事。同年、ジュネーヴ国際音楽コンクールで第3位に入賞し、本格的な演奏活動を開始する。1993年のルセ国際音楽祭に招待され、ブルガリア国立放送交響楽団と共演した後、ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団やヘルシンボリ交響楽団の定期公演に出演。ハンガリー国立交響楽団等、内外のオーケストラと共演を重ね、東欧各地でリサイタルや放送への出演等の演奏活動を行なった。1996年、ドイツのケルンに移り、パヴェル・ギリロフに師事するかたわら、室内楽の演奏にも力を入れ、ドイツ各地や、イタリア、スイス、オーストリア、スペイン等で演奏会や放送への出演、録音等を行ない、2001年にはリムーザン国際室内楽フェスティバル(フランス)に招かれる。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーとしばしば室内楽を共演し、特に第一コンサートマスターのライナー・キュッヒルとは2001年以来、デュオパートナーとして数多くの演奏を重ね、2002年12月、ロンドンのウィグモア・ホールへのデビューは「THE TIMES」紙上で絶賛された。2010年6月、ウィーン・ムジークフェラインザールで3日にわたり、ベートーヴェンのピアノとヴァイオリンのためのソナタ全曲演奏会が楽友協会主催によって行なわれた。

ピアノ:加藤洋之 Piano:Hiroshi Kato

■曲目解説

ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
仏デュラン社から出版された本曲の楽譜の扉には「さまざまな楽器のための6つのソナタ」の第1番と銘打たれている。つまり、この作品の後には、フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ……等が続くはずだったが、この構想は、ドビュッシーの死によって未完に終わった。ちなみに4曲目は「オーボエ、ホルン、クラヴサン」、5曲目は「トランペット、クラリネット、バスーン、ピアノ」、6曲目は「コントラバスを含む幾つかの楽器」という極めて風変わりな編成の作品が予定されていた。
1915年に書かれたこの作品は、ピアノによる主題提示に続きチェロの独奏から始まる第1楽章、フラジオレット奏法(弦の特定の位置に軽く触れて倍音を出す奏法)の使用が特徴的な「セレナード」の第2楽章、ロンド形式風の終楽章という3つの楽章から構成されている。初演は1917年3月24日、ジョゼフ・サロモンのチェロと作曲者自身のピアノで行われた。

ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 op.38
1865年の作品で、ロマン派を代表するチェロ・ソナタの傑作の一つに数えられている。作品の完成までに長い時間を費やすブラームスは、この作品にも3年近い歳月をかけた。また、成立に際しては、声楽の教師でチェロも堪能だった友人のヨーゼフ・ゲンスバッヘル(1829-1911)の助言が大きかったといわれている。
転調の激しいソナタ形式による第1楽章、ほの暗いメヌエット風の第2楽章、さまざまな表情の変化をともなう自由なフーガの形式の終楽章からなる、約26分の作品。完成直後の1865年夏、私的な場で初演されたとされる。公開の初演は1883年9月5日、ロベルト・ハウスマンのチェロと作曲者自身のピアノによって行われた。

メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ 第2番 ニ長調 op.58
メンデルスゾーンにとって1843年は、ライプツィヒ音楽院を開校してその院長に就任するなど、非常に充実した年となった。同年に作曲されたこのソナタは、アマチュアながら優れた技術を持ったチェロ奏者の実弟パウルや、親友のチェロ奏者であるアルフレード・カルロ・ピアッティ(1802-1901)らの助言を受けながら作曲されたといわれている。
中高音域から徐々に低音域にまで広がる息の長いメロディで始まるソナタ形式の第1楽章、ロ短調によるやや軽妙な第2楽章、1分近い(!)ピアノの導入部に続いて、ようやくチェロによる情感のこもったメロディが始まる第3楽章、ロンド形式による終楽章という全4楽章構成。ロシアの伯爵ミハイル・ヴィーホルスキに献呈された。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会

ページの先頭へ戻る